プリンス/Love Me Sexy(2CDR)

才気溢れるプリンスの80年代において、最も過少評価されているアルバムは、恐らくLovesexyでしょう。それはCDが音楽業界の主流になっていく時期にも関わらず、9曲収録しているのに1曲としか表示されない、曲毎に楽しむことが出来ない仕組みになっていたからです。これはプリンスのアルバムをトータルに聴いてもらいたいという配慮からですが、一般の音楽ファンには不評であったようです。またLovesexyは87年12月よりわずか一月で完成させたと言われ、リリース中止となったBlack Albumの代替として急ピッチに作られました。結果プリンスのその時の雰囲気がダイレクトに表出しているアルバムであり、そしてコンフィグレーションも勢いで行っていると言えるでしょう。この不遇なLovesexyを多角的に捉える画期的なタイトルがリリースされます。それはDisc 1には、敢えて不評であった、そしてプリンスの気持ちがダイレクトに伝わる9曲収録なのにワントラックと表記されてしまうバージョンのLovesexyをデジタル・リマスタリングして収録。微妙に曲間を含めたマイナー・チェンジもされており、アタックと臨場感のあるサウンドは、苦行とされたCDで聴くLovesexyを極楽のアルバムと変化させることに成功しています！プリンスの真の意義をこのディスクで感じ取ってください。そしてDisc 2は、Black Albumをお蔵入りしたとしてもスケジュール変更がされていなかったら、もし時間をかけてLovesexyを作成していたとしたら、というコンセプトの元作られた別のコンフィグレーション・アルバムを収録しています。こちらも全9曲ですが、曲はちゃんと分かれています。そしてオフィシャル級の素晴らしい音質！一曲目にLovesexy、流麗なポップな名曲Pink CashmereはラブセクシーのアフターショウでもPAから流されたりしていたので、Lovesexy時期のアウトテイクスとも言えるでしょうし、実際絶妙なセグエと連結してロング・バージョンのI Wish U Heavenと繋がってとても美しい展開となっています。そしてアフターショウでも披露されたStill Would Stand All Timeの収録で美麗曲を多く配したA面、そしてシングル・バージョンのようなシンプルなB面一曲目に当たるAlphabet Streetもアルバムのフックを効果的に演出していますし、その後のBlack Albumにも収録されているWhen 2R In Love等バラードも美しいLovesexyを印象つけるものとなっています。更にElephant & Flowersも当時作られているアウトテイクス・バージョンで収録し、Positivityという強烈なメッセージ曲でありラストの大団円へと誘う最高の布石となっています。より美しい形でのLovesexyです。徹底的にLovesexyを研究したアイテム、80年代のプリンスを知るために必携としか言えません！！

Disc 1
1.Eye No 2.Alphabet St 3.Glam Slam 4.Anna Stesia 5.Dance On 6.Lovesexy 7.When 2r In Love 8.I Wish U Heaven 9.Positivity

Disc 2
1.Lovesexy 2.Pink Cashmere 3.I Wish U Heaven 4.Still Would Stand All Time 5.Alphabet St 6.When 2r In Love 7.Anna Stesia 8.Elephants & Flowers 9.Positivity