93年6月14日のペイズリーパークでのセッション、通称The Undertakerを音と映像、両方から極めたベスト・タイトルの登場です。
プリンス、マイケルB、ソニーTの3人のニューパワートリオによるセッション、実は94年のギタープレイヤーというアメリカの雑誌に1000枚限定でつけられる予定のCDがありました。しかし結局見送られCDは破棄、しかし一部残されていたものから作られたのが今回のリリースです。廃盤のThe Undertakerの映像、通称プリンス・バージョンとは異なり、Dolphinはそのセッションからのものを使っており、映像のための編集が行われていないのが特徴で、とても生々しいニューパワートリオの演奏が楽しめます。
実はThe Undertakerには二つの映像バージョンが存在しているのです。冒頭にプリンスのシンボルマークで紹介されるバージョンとプリンス名義のバージョン(レーザーディスクより)、二つを同時収録。共に最高のマスターから作られた画期的なもの。巷に出回っているThe Undertaker DeluxeというDVDより画質はアップしています。まずプリンスのパワートリオによる生々しい演奏、しかしオリジナルのラブシンボルマークの方は下手なエフェクトがなく正に生々しい映像サウンドとなっています。イメージ映像の部分も音圧が違います。他にもエンドロールでは曲のクレジットが無かったり、冒頭のタイトルなどの色合いが異なっていたり、Dolphinはシンボルマークのバージョンではセッションでの生の音を使っています。若干プリンス名義の方より長く、少数生存したCDのバージョンに近いです。そしてビバリーヒルズ青春白書のジーン・キンケード役などテレビドラマで活躍する女優ヴァネッサ・マーシルも綺麗ですが、どこかD&Pの2人の女性を足したような容姿で、この頃のプリンスの趣味も垣間見えます。
このアイテムから、契約満了するためにプリンス名義でリリースしなくてはならなかった、当時の環境が伺えます。オフィシャルでリリースされていても廃盤、というだけでなく、バージョンが異なるものが存在するのがプリンスのプロジェクトの特徴。当時のレコード会社との確執もあったためこのように複雑になってしまっていますが、意外にもリリースされているものよりオリジナルのラブシンボルマークバージョンの方がラフでかっこ良く感じられるはずです。
収録曲
The Ride
Poorgoo
Honky Tonk Woman
Bambi
Zannalee (Prelude)
The Undertaker
Dolphin