
マイケル・ジャクソン / Bad Sessions Definitive Edition Vol.8 (1CDR)
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85年1月から87年1月22日まで行われた『Bad』のアルバム作り。しかしその制作を始めようとしていた頃にプロデューサーのクインシー・ジョーンズは、副腎症候群という鬱病にかかり、休息を余儀なくされていました。それでもマイケルは、史上最高の売上を記録したアルバムの続編という、途方もない挑戦に着手します。マイケルは公の場から姿を消し、カリフォルニアのヘイヴェンハーストにある自身の邸宅にこもり、クインシー不在で取り掛かったのです。それはクインシーの強い要望でもありました。マイケルにアルバムでより主導的な役割を担うよう促し、以前の『Off The Wall』や『Thriller』での他の作曲家に依頼していた曲作りを、マイケル自身が行うようにと。世間はこれらのアルバムを依然としてクインシーの作品だと見なしていることを懸念したマイケルは、自分が歌とダンスだけをこなす男ではなく、作曲とプロデュースもできることを証明するのだと心に決めたのです。
最先端のシンセサイザー、サンプラーを搭載した超高級ワークステーションである、ほとんどの楽器の音を再現できるシンクラヴィア・システムを使って、マイケルは兄弟との不和(彼らとは再びレコーディングやツアーに出ないという決断によって、兄弟の関係は悪化していました)、社会問題、疎外感、そしてメディアにおける自身の描写に対する怒りとフラストレーションを吐き出し始めました。メディアは、過去に誤った発言をされたと主張し、一切のインタビューに応じないと誓ったため、マイケルに対するメディアの描写は最低水準にまで落ち込んでいました。
85年8月に『キャプテンEO』の撮影を終え、マイケルはビル・ボットレル、ジョン・バーンズ、マット・フォージャー、クリストファー・カレルらからなる「Bチーム」と呼ばれるメンバーと共に、ヘイヴェンハーストで曲を作り上げていきます。86年8月にクインシーが戻り、アルバム制作が本格的に始まる頃には、マイケルはアルバムのために60曲以上を書き、レコーディングしていました。
86年8月4日、街の反対側にあるウェストレイク・レコーディング・スタジオで、サウンド・エンジニアのブルース・スウェディエンを含むクインシー・ジョーンズによる主力の「Aチーム」が正式に作業を開始します。クインシーは、皆が最高のパフォーマンスを発揮できるよう、友好的な競争意識を醸成していったのです。そして、マイケルは曲をほぼ1年かけて既に作り上げていて、それらの作品にある程度満足していたため、今度はアルバム楽曲のサウンドを練り始めようとします。自身のボーカルの低音域やシンクラヴィアの音色を試しながら、新たな自信をつけようとしたのです。
「Speed Demon」は86年6月18日にヘイヴェンハーストでデモとして初めて録音され、同年11月18日から12月12日にかけて、より完成度の高い別のデモが録音されました。アルバム・バージョンは87年3月から6月15日にかけて制作されています。マイケルと共にこの曲を作曲したクインシー・ジョーンズは、マイケルがスピード違反で停車させられた後にこのアイデアを思いついたと言っています。この曲には「Liberian Girl」へと続くコンセプトを持った最初の曲となりました。脈打つようなパーカッションとベースラインが特徴的な「Speed Demon」は、アルバム全体を通して用いられている「Sonic Fantasy」と呼ばれる手法の最も顕著な例の一つです。これは、リスナーに音楽を視覚化させる体験を与えるために、エンジンの吹き上がる音やバイクのスピード音といった効果音を組み込むという手法です。
ここで収録されているDemoはかなり初期だと思われ、基本のリズムは出来ていますが、どのような展開を持つのか模索している感じを与える、そのメイキングがどのようになっているのかを教えてくれる、大変興味深い音源です。そしてもう一つはファンメイドのデモ、これはベースラインが異なっていて、色々アイデアがある中の一つを提示した、という解釈のサウンドになっています。
86年7月18日に『Bad』からのファースト・シングル「i Just Can't Stop Loving You」のデモをヘイヴェンハーストで録音します。マイケルによるソロ・バージョンを含む、デモはリークしていません。それはデモ作成時点で女性とデュエットする曲として用意していたことの表れかもしれません。
「Groove Of Midnight」は86年9月にクインシーらがいるウェストレイク・スタジオでレコーディングされました。作曲はロッド・テンパートン。後にクインシーの秘蔵っ子であり「I Just Can't Stop Loving You」でデュエットするサイーダ・ギャレットの88年のアルバム『Kiss Of Life』に「Groove Of Midnight」は収録されることになります。マット・フォージャーによると、この曲のマイケルのボーカルが入ったものは曲倉庫にはなかった、としています。しかしプロデューサーと話しをしながら、ピアノをバックに歌をハミングするマイケルを捉えた音源がリークしています。それがDemoです。そしてサイーダのバージョンを収録。そしてそのサイーダのバッキングとは異なる(つまりロッド・テンパートンさがない)マイケルのDemoから類推で作ったFanmade Demo、そしてそのインスト。更にサイーダのバージョンにマイケルのハミングを合わせたApple Cider's Remix。DJミックスのEulonzo 12" Mixは「I Just Can't Stop Loving You」をサンプリングで使っています。そしてEulonzo Mixを使ってAIでマイケルのボーカルを加えたのがComplete Versionです。そして最後にAIで恐らく作った(その表記がないのですが、そもそもマイケルが歌入れした音源は存在していないはずなので)マイケルが歌うAI Versionを収録しています。尚この頃マイケルとサイーダはまだ出会っていません(サイーダが作曲の「Man In The Mirror」のレコーディングが最初)。そしてサイーダの「Groove Of Midnight」の歌入れは彼女のアルバム制作時に行われています。
実はサイーダの『Kiss Of Life』にはやはりロッド・テンパートン作曲の、マイケルが歌入れをして完成させたにもかかわらず、アルバム『Thriller』に未収録となり、恐らく『Bad』でも収録が考慮されていた可能性のある曲があります。サイーダでのタイトルは「Baby's Got It Bad」、そしてマイケルの際には「Got The Hots」となっていました。今回サイーダの「Baby's Got It Bad」そして「Got The Hots」があることで作ることが出来た、サイーダとマイケルのデュエット・バージョンを収録。このように『Off The Wall』、『Thriller』でのメイン・ソングライター、ロッド・テンパートンの作った曲は、マイケルがメインのソングライターとなったこともあり、『Bad』には採用されなかったのです。
マイケルは85年、ビートルズ、リトル・リチャードの著作権を含むイギリスの民放テレビ局、ATVが所有していたARVミュージック出版を4700万ドルで買収します。ジョン・レノンとポール・マッカートニーはブライアン・エプスタインが67年に他界した際に、会社の筆頭株主ディック・ジェイムズがジョンとポールに内緒で株式をATWに売却してしまったことから端を発し、結果ビートルズの曲の権利をポール・マッカートニーは所有することが出来なかったのです。確かにジョン・レノンが亡くなった際に買戻しのチャンスはありました。ポールはジョンの妻オノ・ヨーコに共同購入しようと話を持ち掛けます。しかし提示された金額2000万ドルが高すぎるとヨーコが拒否。この話はお流れとなってしまうのです。後にポールはマイケルに、著作権をしっかりと所有することの必要性を『Thriller』時期に語り、それを理解したマイケルは倍以上の値段にもかかわらず、ビートルズの著作権を購入するのです。「We Are The World」にポールが参加しなかった理由にこれがあるのかな、と思ってしまいます。
さて86年10月26日から11月17日の間に、ビル・ボトレルとマイケルの共同プロデュース名義で、ビートルズの「Come Together」のカバー曲の録音が行われています。ビートルズはジョンが作ろうがポールが作ろうが、初期の頃のように二人で作ろうが、作曲者はジョン・レノンとポール・マッカートニーとクレジットすることを二人は徹底しておりました。「Come Together」はジョンとポールのクレジットですが、作ったのはジョン・レノンです。マイケルのポールへの遠慮が伺えますね。結局『Bad』には収録されませんでしたが、88年10月29日の映画『Moonwalker』で使われ、92年1月14日のシングル「Remember The Time」に5:20のロング・バージョンが収録、そしてアルバム『HIStory』にはショート・バージョン4:02が収録されました。今回恐らくまずフルレングス・バージョンとして5:20の音源をこの頃録音したのではないかと推測、ここに収録しました。
「Streetwalker」は86年3月23日からヘイベンハーストで曲作りがスタートしています。その時の仮タイトルは「Florida Groove」でした。そして86年10月8日よりウエストレイク・スタジオで再度レコーディングが開始され、その頃のデモがリークしています。それがOctober 1986 Rough Mixです。「The Way You Make Me Feel」を思わせるバッキングとテンポです。コーラスもしっかりとした形でなく、未完成であることはわかります。そしてそのハイクオリティーの86年のデモが出回る8年前の16年に当時出回っていたデモを使って作った1986 Demo - Mixです。当時のデモは音質が悪かったのですが、ここでのは音質が素晴らしく、キーボードではなくホーンが入っており、10月のラフ・ミックスより完成している感じがあります。そしてこれはファンメイドですが、かなりデモっぽいFanmade Demo。確かに初期の感じがあります。尚「Streetwalker」は87年、そして88年のマイケルによるバージョンがあります。
「Price Of Fame」はペプシのCMに使われる予定で、87年1月11日にそのCM用のレコーディングが行われています。しかし理由は不明なのですが、中止となってしまいました。しかしその幻のCM映像があり、今回はそこから再構築して収録しています。尚下のタイトルに「Price Of Fame」の色々なバージョンを収録しています。
マイケル・ジャクソン / Bad Sessions Definitive Edition Vol.5 (1CDR)
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1.Speed Demon (Demo) 3:07
2.Speed Demon (Fanmade Demo) 4:07
3.Groove Of Midnight (Demo) 1:33
4.Siedah Garrett - Groove Of Midnight 4:40
5.Groove Of Midnight (Fanmade Demo) 3:26
6.Groove Of Midnight (Fanmade Instrumental) 3:26
7.Groove Of Midnight (Apple Cider's Remix Feat. Siedah Garrett) 5:21
8.Groove Of Midnight (Eulonzo 12" Mix) 6:36
9.Groove Of Midnight (Complete Version) 4:40
10.Groove Of Midnight (AI Version) 4:39
11.Siedah Garrett - Baby's Got It Bad 4:43
12.Got The Hots (Garrett Mix) 4:23
13.Come Together (Extended Version) 5:27
14.Streetwalker (October 1986 Rough Mix) 6:20
15.Streetwalker (1986 Demo Mix)
16.Streetwalker (Fanmade Demo) 5:01
17.Price Of Fame (Pepsi Version Remaster) 3:18
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