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ジャクソンズ / Victory Tour Compilation 1 (1BRDR)

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マイケルが超キレキレ!ジャーメイン・ジャクソンもいる唯一のジャクソンズのツアー、ヴィクトリー・ツアーよりテキサス公演を、最新のテープよりリマスタリングを施しブルーレイに収録!他にもヴィクトリー・ツアーが始まった84年7月、続く8月のライブ映像も1080Pのアップグレードでコンピレート収録!実は所縁のある(後述)ジェームス・ブラウンのステージにマイケル、そしてプリンスが上った、伝説の映像も収録!決定盤です!

まず本編となる84年7月13日テキサス公演です。画質は総じて楽しめるレベルに十分なクオリティですが、「Lovely One」冒頭等の映像のブレ、音がステレオからモノラルへと、不安定な箇所はあります。ツアー前半にプレイされていたジャーメイン・ジャクソンの80年『Jermaine』からのセカンド・シングル、R&B13位のヒット「You Like Me Don't You」はマービン・ゲイの「Mercy, Mercy Me」を思わせる清涼感があり素敵です。流行遅れとマイケルが強調するジャクソン5メドレーは、ジャクソンズから離れソロとなる気概が溢れ出してしまっている感じです。自身のダンスもステージが進むにつれいよいよ絶好調。蜘蛛のモンスターに攻撃される際のマイケルの迫真の演技(そして謎のダンス)はこの映像が一番よく分かります。そして「Beat It」は間違いなくマイケルの全歴史において一番の「Beat It」と言えるでしょう。なぜならオリジナルでソロを入れているエディ・ヴァン・ヘイレンが客演しているからです。冒頭PAとラインが繋がっていないと叫んでいるエディ、しかし直ぐに音が出て、ソロ前なのに曲中でガンガン弾き入れます。マイケルがエディ、エディ!と呼ぶとソロを入れますが、その迫力たるや!スタジオ曲でのそれを凌駕しています。とにかく勢いが段違い!再度エディが登場し、マイケルが煽ってエディを調子に乗らせたりとてもスリリングです。「Billie Jean」もそしてラストの「Shake Your Body」も素晴らしいですが、「Beat It」これだけはかの名ギターリスト、プリンスも観ていたら嫉妬していたことでしょう。

そして14日のダラス公演も1分24秒の繋ぎ合わせ、音声はJacksonvilleとBuffalo公演から使って(無音部分もあります)収録しています。

ここでアラン・リーズのインタビューをご紹介します。
「僕らはジャクソンズのヴィクトリー・ツアー、ダラス公演を観に行ったんだ、プリンスが行きたがっていてね。でもビッグ・チック(巨漢のプリンスのボディーガード)を連れて行けないって言ってて。チックはその時有名になっていて、チックが居れば、そこにプリンスが居る、ってわかってしまうからと。でもフードで隠して連れて行ったんだ。マイケルに連絡しないで行く、僕らを知っている人が居ない状況でそこに行きたいとプリンスはそう望んでいて。プリンスもフードを付けていたんだけど、ライブ中、プリンスは僕をズル賢い目で見たんだ、まさか、だめだよ、そんなことしては!プリンスはチックのフードを取ってしまったんだ。そして広い場所に向かった。キャープリンスよ!僕らはもみくちゃにされた。マイケルは不機嫌になっただろうね、ショウの邪魔をしてしまったから」。

ジャクソンズはスタジアムばかりでのライブを行っています。よっていくら有名なプリンス達が居たとしても驚いた人は広範囲ではあるでしょうが、彼らの周りに限られるでしょう。果たしてそれにマイケルは気が付いたかどうか。ダラス公演に相当するのは映像の、7月13日、14日、そしてあと映像が存在しない15日があります。ツアーの初期ですが、プリンスはどんなライブなのか気になって観に行ったのでしょう。二つの映像からはマイケルがプリンスに気がついたようなシーンはありませんでした。ただ14日で観客が急に立ち上がっている映像が映されています。もしかするとそれかもしれません。

そして7月21日のジャクソンビル公演はステージを正面とステージを見て左側からのショットを混ぜた良好映像でトータル10分あり、音声に少し難がある所もありますがかなり演奏自体を楽しめます。

8月4日MSG公演、タイムコード等、文字がかなり入っている部分もありますが、画像は超良好です。

8月10日はニュースのナレーションが入りますが画像超良好、12日は「Human Nature」をステージ正面で映した良好ショットとなっています。

そしてジェームス・ブラウンのステージに、マイケル、そしてかのプリンスも飛び入りした時の映像です。
ジェームス・ブラウンがマイケルを呼び出すと、最初そこへは行けないよという雰囲気を出しますが、笑いつつ仕方ないなあという感じで観客と握手をしながら、マイケルはステージに向かいます。二人が軽く抱擁する際にマイケルはJBにそっと耳打ちします。ここで恐らく「プリンスが来てますよ」と告げたのではないかと。そしてJBは「There Was A Time」の演奏を静かにさせ、マイケルが歌い易い状況にさせるのです。つまりマイケルが何かパフォーマンスをする、という打ち合わせがあったということになります。マイケルはスローなバッキングの中、I love you~とスキャットを入れていますが、後ろで絶妙にギターが鳴ったり、マイケルがI love you!とシャウトするや演奏がファンクにガラッと変わって、スリリングなダンス、ムーンウォークを魅せ、バシッとパフォが終了するのです。はっきり言って即興感はありません。そして本当はプリンスがこの後登場するのですが、編集されており、プリンスは出て来ずJBが演奏を継続させています。ここまでの映像は大変素晴らしいタイムコードも出ないショットです。
そして続いてタイムコードが入るものとなります。画質も落ちますし、音落ちもあります。しかし1080Pのアップグレード版です。ここでJBはマイケルからブラザーがいると聞いたぞと、プリンスを呼び出しつつ、どこにいるんだ?と探します。そしてJBが高笑い。プリンスはボーディー・ガード、ビッグ・チックことチャック・ハンツベリーの肩の上に乗りステージに向かっていました。途中ギターを弾くため、付けていた手袋を脱ぎ捨てます。しかしその手袋を手にした観客がプリンスの方へ投げ返すのです。そう、ここはマンズ・ワールド。JBとマイケルは旧知の仲ですが(マイケルが5歳の時から)、JBはプリンスをその時知りませんでした。そして観客もプリンスを知らないのです。つまりプリンスは完全アウェイの場所に居ると言えるでしょう。何かしてもらおう、とゴッドファーザーが言って、プリンスはバンドからギターを貰い手にします。マイケルに出来なくて、プリンスに出来ること、それは楽器演奏です。プリンスはステージに上がらされるとは思っていなかったという説もありますが、マイケルが居るということで少なくとも呼ばれる覚悟はしていたと思います。しかしマイケルのように用意されていたステージではありません。マイケルを除きほぼ会場の誰も知らない、マイケルが画策してプリンスに仕組んだハプニングなのです。プリンスはピックを貰い(ギターに付いていたピックは気に入らなかったのか捨てています)メンバーと少し話をして、いざ弾き始めます。スリリングなギターが披露されます。カッコいい。JBも後ろでお、やるな、という感じ見守っています。ただ観客はそれほど興味を向けていないように感じられます。プリンスはステージの前に出て、ギターを弾かずに力を溜めるようなポーズをした後一音だけ出し、やめた、とばかりにギターを返しつつ、今度は上着を脱ぎ上半身裸になります。マイケルも好んでこういうことはしないタイプですね。プリンスってどんな奴?この脱ぎっぷりによって観客に対して相当なアピールとなったはず。ただ一方で大嫌いとなってしまうリスクもあります。実際歓声は微妙です。しかしここからは違います。御大JBの前でマイク・スタンドを巧妙に捌いてのパフォをするのです。これもマイケルがステージでしたことはないです。バッチリ決まりました。そしてプリンスは動物の鳴き声のようなシャウトを発します、上半身裸で。そして手持無沙汰感を纏いつつ、くねくねとした踊りを披露。これらは賛否両論、というよりは否の方が多かったと思われます。でもJBの真似ではなく、プリンスのオリジナルさを感じさせてはくれますね。そしてプリンスは自分のメンバーでもないのに、JBのバンドを使って、指で出す本数分だけドラムを含めたバンドがジャンと音を鳴らす、なんかJBもやってたかもしれないような芸だからきっと出来るだろうと安易に強行します。大変な無茶ぶりですが、それでもそのリアクションを楽しむ余裕などあるはずもなく、圧倒的に困るのは今ステージの主人公プリンス本人です。でも何度かやっている内に何とか出来るようになっていきます。スゲエ。これらもマイケルは一切やったことがありません、というかやろうとも思ったことないでしょう。まあこれくらいで良いだろう、とプリンスは勝手に判断、拍手を貰えるようなタイミングではないのですが、プリンスはお辞儀をして、ステージを降りようとします。そしてその際にこけないようにとポールを掴みます。するとそのポールが固定されておらず、観客の方に倒れてしまうのです。会場騒然。そんな中、JB自らがプリンスの脱いだ服を持って渡しに行くシーンが瞬間ですが入ります。後にJBはマイケルにオチオチしてられねえぞ、と忠告したとも言われています。芸人としてなのか、ミュージシャンとしてなのかは不明です。

最後にスーザン・ロジャースのインタビューをご紹介します。

「プリンスはステージでポールを転倒させてしまったの。彼はめちゃくちゃになって大混乱していた。その後彼はその時のビデオをよく見ていたわ」。

4th concert,Texas Stadium,Texas,July 13,1984
The Sword In The Stone
Wanna Be Startin' Somethin'
Things I Do For You
Off The Wall
Ben / Human Nature
Heartbreak Hotel
She's Out Of My Life
Let's Get Serious
You Like Me Don't You
Tell Me I'm Not Dreamin'
I Want You Back
The Love You Save
I'll Be There
Rock With You
Lovely One
Working Day And Night
Beat It (Feat. Eddie Van Halen)
Billie Jean
Shake Your Body (Down To The Ground)

5th concert, Reunion Arena,Texas,July 14,1984
Off The Wall
Human Nature
Heartbreak Hotel
Unknown
Lovely One

7th concert,Gator Bowl Stadium, Florida,July 21,1984
Things I Do For You
Off The Wall
Ben / Human Nature
Heartbreak Hotel
Billie Jean

13th concert,Madison Square Garden,New York,August 4,1984
Things I Do For You
Off The Wall
Ben / Human Nature

15th concert,Neyland Stadium,Tennessee,August 10,1984
Intro
Off The Wall
Human Nature
Fireworks

17th concert,Neyland Stadium,Tennessee,August 12,1984
Human Nature

The Beverly Thetre,Beverly Hills,California,August 20,1983
There Was A Time
Michael Jackson on stage
Prince on stage

Pro-shot
121min.

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