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ジャクソンズ / Victory Tour In Toronto (1BRDR)
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マイケルが超キレキレ!ジャーメイン・ジャクソンもいる唯一のジャクソンズのツアー、ヴィクトリー・ツアーよりトロント公演を、最新のテープよりリマスタリングを施しブルーレイに収録!決定盤です!
ビクトリー・ツアーは、ジャクソンズが84年7月から12月にかけてアメリカとカナダで行ったコンサート・ツアーです。マネージメントに父親ジョーが復帰、ジャーメインもアリスタに移籍し、ジャクソンズに加入。途中ジャッキーが負傷して参加出来なくなりますが、ジャクソン兄弟6人全員が揃った唯一のツアーとなりました。
グループは55回のコンサートを行い、約250万人の観客を動員。55か所の公演場所のうち、53か所は大きなスタジアムで行われました。ほとんどの観客は、当時音楽界を席巻していたアルバム『Thriller』を観るために来ており、セットリストの曲のほとんどが『Thriller』と『Off Th Wall』のアルバムからの曲であったことから、マイケルのスリラー・ツアーではないか、そう思っていた人は多かったようです。
このツアーは、ドン・キングがプロモーションを担当。約7500万ドル(23年のドル換算で2億2,000万ドルの収益を上げ、最高収益ツアーの新記録を樹立したと伝えられています。しかしその裏には高額なチケット代、プロモーター側に有利な販売システムがあり、結果トラブル続出、訴訟問題となりました。それでもツアーの最中にマイケルは会見を開いて公正且つ適切なチケット販売形態にするように要請、チケット代が通常に近い値段に落ち着きます。またワールドツアーという宣伝にもかかわらず、公演はアメリカとカナダのみで行われました。
ライブ中、マイケルの片方の装飾手袋、黒いスパンコールのジャケット、そしてムーンウォークが披露されました。奥さんの車に轢かれ足を負傷してしまったジャッキー(そのため参加出来なくなりました)の当時の不倫相手だったポーラ・アブドゥルが振付を担当しています。マイケルに焦点を当てていますが、セットリストにはジャクソンズのアルバム『Destiny』と『Triumph』の曲が含まれており、ツアー名はジャクソンズのアルバム『Victory』にちなんで付けられています。カンザスシティでのツアー初公演の4日前にリリースされ、タイミングがばっちりであったにもかかわらず、ラストの「Shake Yout Body」でのマイケルのアドリブで「State Of Shock」が歌われる以外(「State Of Shock」もリハーサルされていますが、曲そのものを演奏することはありませんでした)、『Victory』の曲はツアーでは演奏されませんでした。ジャーメインも84年4月にアルバム『ダイナマイト』をリリースしてR&Bチャート1位と成功を収めていましたが、そのアルバムから「Dynamite」(「You Like Me Don't You」がプレイされたセットもあります)、そしてマイケルとのデュエット「Tell Me I'm Not Dreaming」が演奏されています。残念ながら「Thriller」の演奏の出来が良くなく、雰囲気も合わずで、マイケルによりセットリストに含まれませんでしたが、後にマイケルのソロ・ツアーで定期的に演奏されるようになります。
オープニングは、悪魔に征服されそうになっている国を、ランディ・ジャクソン扮するアーサーが、石に刺さって抜けなかった聖剣、エクスカリバーを抜くことが出来、クリーチャーを倒し、王国を建国し勝利する、そんなストーリーより始まります。とても映像の発色が良く、SFの映画を観ている錯覚に陥ります。ほんの少し映像や音が乱れますが最小限で、このクオリティは画期的と間違いなく言えます。1曲目はアルバム『Thriller』からの「Wanna Be Startin' Somethin'」。ジャクソンズのメンバーが煽り、後のマイケルのツアーとは別の迫力、疾走感があります。『Destiny』収録の「Things I Do For You」へとスリリングに流れます。踊らずにはいられない「Off The Wall」でも、演奏がスピーディーでマイクを持ってダンスをしながら歌っているマイケル、吐く息が白いです。でも息切れは全くしてません。そして好きな歌としてマイケルは「Ben」を歌おうとしますが、中断、ずっと愛されてきた曲だけど、時代は変わる、今はこの曲だと「Human Nature」をプレイします。哀愁のダンス・メロディの「Heartbreak Hotel」はティトのギターが印象的です。感情移入がものすごい「She's Out Of My Life」ではややブルージーなアレンジで、それはティトのギターだと思われます。ここでマイケルは一度ステージを後にします。そしてこれまでバンド内唯一のベースを弾きつつ踊っていたジャーメインが(アルバム『Vicotry』よりも遥かにライブの方が貢献度が高いです)、自身の曲を披露すべくフロントに立ちます。ランディもショルダー・キーボードでマルチプレイヤーぶりをアピール、ティトのギターもファンキーです。マーロンがスティービー・ワンダーが歌うパートを低い声で入れています。ジャッキーはケガでいませんが、マイケル以外の素晴らしいジャクソンズが堪能できます。84年のオープニング曲「Dynamite」はプリンスの「Sexuality」とデヴィッド・ボウイの「China Girl」がブレンドしたようなダンサンブルな曲でそのライブ・バージョンが観れるのは嬉しい限りです。そして「Tell Me I'm Not Dreaming」はジャーメインが最初歌ってから、マイケルが飛び出すようにステージに入ってきてのデュエット。ジャクソン5のメドレーでも「I'll Be There」でマイケルとジャーメインがボーカルを分け合う、それこそがオリジナルなのでウルッと来ます。その後のマイケルのスキャットがまた冴えに冴えてます。「Rock With You」、「Lovely One」とソロとグループによるナンバーを交互に演奏、「Workin' Day & Night」ではGregg Wrightのギター・ソロ、ランディのパーカッション・ソロ、とメンバーの卓越した演奏テクが惜しげもなく披露されます。そして嵐のような演出の後、マイケルはモンスターによりベッドの上に寝かされ儀式が始まり、忽然と宙に消えてしまいます。しかし別の場所から衣装を「Beat It」仕様に変えて姿を現します。ここでもグレッグのエディ・ヘイゼルを完全模倣したギター・ソロ、2回目はエディを超えるかの勢いでのプレイが素晴らしいです。群舞がないため、その分マイケルにフォーカスされ、且つボーカルとダンスも若々しくキレッキレとなっていて、ズバリの絶頂期となっています。マイケルの曲もジャクソンズ・バージョンの方がかなり迫力があるんです。「Billie Jean」もジャクソンズのコーラスがソウルフルで、マイケルも安心して、そしてノリノリで踊り歌っています。帽子を被ってここぞで魅せるムーンウォーク、シブすぎです。そこからのジャクソンズの出世曲「Shake Your Body」はこの時点が興奮の沸点で、神懸っています。「State Of Shock」、「Don't Stop 'til You Get Enough」のボーカル・ラインもマイケルから飛び出します。「Lovely One」同様ランディとマイケル作で、ジャーメインが居ない時期のジャクソンズの曲ですが、彼によるベースが凄いファンキーです。マーロンのくねくね踊りをマイケルが見て、まあいいか、みたいな顔をするのがなんか可愛いです。ジャクソンズの代表曲を一つ選べと言われてこの曲、という人は多いはずです。
そのマーロンによると、マイケルは『Victory』の曲をリハーサルしたり演奏したりすることを拒否し、ツアーに参加することにも乗り気では無かったと語っています。マイケルが最終的に同意するまでに、母親のキャサリンとファンの説得が必要でした。マーロンはまた、マイケルは収入を必要としていた兄弟たちのため渋々ツアーに参加しただけだとも語っています。ツアー中、マイケルと兄弟たちの間で緊張が高まり、12月9日のコンサートでマイケルはこれが一緒に演奏する最後の機会になると発表し、85年の春と夏のヨーロッパとオーストラリアでのツアーは中止になりました。ジャクソンズとドン・キングはツアーでまだ収益を上げたがっていました。マイケルはツアー前に約束した通り、いくつかの慈善団体に自分の分を寄付しています。彼と兄弟たちの間の溝はジャクソンズ一家に深く永続的な影響を及ぼし、晩年の大半を彼らと疎遠にさせ、マイケルを含むジャクソンズは、ライブ披露をするグループとして事実上終焉を迎えます。ジャクソンズは89年にもう1枚アルバムを制作しましたが、マイケルとマーロンは1曲しか参加せず、01年にマイケルのソロアーティストとしての30周年を祝うコンサートを除けば、マイケルの存命中に再びジャクソンズとしてのツアーを行うことはありませんでした。
記録を塗り替える程に84年最も収益があったヴィクトリー・ツアー。85年ももしコンサートを続けて来日もしていたら、プリンスのパープル・レイン・ツアー、そして最も収益のあったブルース・スプリングスティーンとEストリート・バンドのボーン・イン・ザ・U.S.A.ツアーを超えていた可能性は相当あります(共に日本に来ていませんし)。
The Sword In The Stone
Wanna Be Startin' Somethin'
Things I Do For You
Off The Wall
Ben / Human Nature
Heartbreak Hotel
She's Out Of My Life
Jermaine's Set: Let's Get Serious
Dynamite
Tell Me I'm Not Dreamin
Jackson 5's Medley: I Want You Back
The Love You Save
I'll Be There
Rock With You
Lovely One
Workin' Day & Night
Beat It
Billie Jean
Shake Your Body (Down To The Ground)
CNE Stadium, Toronto, ON, Canada
October 5, 1984
Intro
I Want You Back
Love You Save
Never Can Say Goodbye
I'll Be There
Billie Jean
Pasadena Civic Auditorium, Pasadena, CA, USA
March 25, 1983
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133min.
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