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マイケル・ジャクソン / Bad Sessions Definitive Edition Vol.10 (1CDR)
¥990
マイケルの自作曲でアルバムを埋め尽くしたいと思っていたでしょうが、ヒット性のある外部からの提供曲もクインシー・ジョーンズはアルバム候補曲としていきます。 「Song Groove (a.k.a. Abortion Papers)」はクインシー・ジョーンズとの共同プロデュースで、87年にサウンド・キャッスル・レコーダーズでマイケル自身によってレコーディングされました。マイケルが中絶について自身の考えを述べているため、リリースされていれば物議を醸すことになったかもしれません。マイケルはこの曲を正しい形でしっかり作曲しようと、多くの時間を費やしました。 「中絶を経験した女性たちを傷つけたり、罪悪感を抱かせたりしないように、慎重に作曲しなければならなかった…本当によく考えた」。マイケル・ジャクソンのメモより エンジニアのマット・フォーガーはこう記しています。「しかし、この曲を聴くと、物語を語っているように感じる。マイケルは、この曲のアプローチをどうするべきか、真剣に考え抜いたのです」。 歌詞はネイティブの人でも発音が分からない部分があるそうで、どうやら完成していたとは言えないです。「中絶許可証、命について考えて、僕は子供が必要なんだ」と中絶に反対している内容です。「Abortion Papers」が『Bad』に収録されなかったのは、マドンナが似たようなテーマを扱った「Papa Don't Preach」をリリースしたためだと推測されています。噂によると、当時アルバムの制作チームは、ライバルであるマドンナの真似をしているとは絶対思われたくなかったとのことです。しかしアルバム制作に関わった誰からもその事実は確認されていません。 オリジナルのSong Groove、インスト、アカペラ、そして確かに80年代風という感じの80's Mix。ボコーダー、ゲーム音が入ってとても面白いMetropolis Zone Remix、オリジナルのサウンドを大事にした素晴らしいSWG Extended Mixを収録。 「Cheater」はマイケルとグレッグ・フィリンゲインズの共作です。86年にヘイヴェンハーストで録音されました。結局『Bad』に収録されませんでした。00年に『Invincible』でラッパーのFatと録音したという噂があります。しかしそのラップ入りのバージョンはリークしていません。しかし『The Ultimate Collection』に収録され、プロモーション・シングルとしても「Cheater」はリリースされています。「Cheater (Demo)」と書かれており、未完成だった、と言えます。尚マイケルの11枚目のアルバムのすべきことのリスト、そこに「Cheater」が取り上げられており、Finish完成と書かれているのです。なお87年3月13日から17日にレコーディングされたというバージョンが「Cheater (Demo)」だと思われます。 今回はその「Cheater (Demo)」、そしてインスト。ベースとドラムを前に出したBass And Drums Mixはかなりデモ感があります。そしてアカペラを収録。更にExtended Mixは実は長くなっておらず短くなったエディットなのですが、ロッキッシュなギターが入ってとても『Bad』に収録すべきバージョンになっています。イントロをつけてリンドラム的リズム・トラックを加える等をして伸ばしたExtended Version、いきなりボーカルが入って始まる曲構成を変えたRecondtructed。エフェクトが極端ではなく、キーボードが溶け込んだ形で加えられているAlternate Versionを収録しました。 「Cheater」の歌詞「こんな遊びに俺が一生懸命なのは知っているだろ、CIA内の隔離施設に手紙を書いたりして。警察やお前達のことなんて知るもんか。お前は俺の物、だから金をかけろよ。誰かが言ってる、感じることを放棄しちゃえって。でも頭を吹き飛ばすような刺激こそお前が必要としているものだ。僕は要らないよ、そうお前が言うならお前ってずるい奴だな。やり返してみろ。態度を改めるべきだな」。 「We Are the World」、「Heal The World」、そして「Man In The Mirror」。 これらは、人道的なテーマを掲げ、リスナーに「世界をより良い場所にしよう」と促す名曲です。「Man In The Mirror」はサイーダ・ギャレットとグレン・バラッドとの共作です。クインシー・ジョーンズ(マイケルと共にこの曲を共同プロデュース)は、サイーダを自宅に招き、他のソングライターたちとのミーティングを開くと、次のアルバムの楽曲を一緒に考えてほしいと頼みました。サイーダはクインシーが「ヒット曲が欲しい。それだけだ」と言ったと回想しています。そしてその依頼をソングライティング・パートナーのグレンに持ち込み、サイーダはキーボード奏者として参加します。グレンは、サイーダが鏡を見る男性についての歌詞がある歌を約1年間歌い続けていて、そこから曲作りの着想を得ます。二人は1週間かけてデモを完成させ、サイーダはガイド・ボーカルを録音。その後すぐにクインシーに電話をかけ、月曜日まで待つ必要はないわ、と伝えます。その言葉でクインシーは、すぐに彼女を自宅に招きテープを手に入れます。その4時間後、クインシーはサイーダに電話をかけ、曲の採用を伝えるのです。サイーダとグレンは(サビへと繋ぐ役割の)ミドルエイトを少し長く書き足し、マイケルの要望により、歌詞の一部を修正します。クインシーがウェストレイクにアンドレ・クラウチ合唱団を呼び、ゴスペルボーカルを追加収録しました。 サイーダが歌い、バッキングもキーボード主体でシンプルですが既に名曲として完成している「Man In The Mirror」のデモ、そしてバックサウンドをシンプルに削げ落とし、マイケルがメインボーカルですが、サイーダの歌うパートを増やしたReborn Strippedのファンメイドのリミックスを収録しました。 「Man In The Mirro」歌詞。「人生は一度きり、僕は変えてみたい、そうすればとても気分が良くなるはず、今までとは異なる方に、正しい方に変えるんだ。僕のお気に入りの冬用コート、その襟を立てても、僕の心の中を風が吹く。食べるものに不十分な子供達がストリートにいる。飢餓している状況に目を背けている、僕という人間。夏、無関心。割れた瓶、その口。そして一人の男のSoul。風に任せてお互い従い合う奴ら。行くべき場所を見失っているんだ。だから僕は君達に知って欲しいんだ。僕は鏡の中の男に問うことからから始める。やり方を変えるようにと問いかけてみる。実際こんな明白なメッセージってないよね。もし世界をより良くしたいと思うなら、自分を見つめて変わるんだ」。 1.Song Groove (a.k.a. Abortion Papers) 4:26 2.Song Groove (a.k.a. Abortion Papers) (Instrumental) 4:26 3.Song Groove (a.k.a. Abortion Papers) (A Cappela) 3:48 4.Song Groove (a.k.a. Abortion Papers) (80's Mix) 4:20 5.Song Groove (a.k.a. Abortion Papers) (Metropolis Zone Remix) 3:59 6.Song Groove (a.k.a. Abortion Papers) (SWG Extended Mix) 6:43 7.Cheater (Demo) 5:08 8.Cheater (Instrumental) 5:05 9.Cheater (Bass And Drums Mix) 5:10 10.Cheater (A Cappella) 4:27 11.Cheater (Extended Mix) 4:06 12.Cheater (Extended Version) 6:47 13.Cheater (Reconstructed) 3:59 14.Cheater (Alternate Version) 4:51 15.Siedah Garrett - Man In The Mirror (Demo) 3:54 16.Man In The Mirror (Feat. Siedah Garrett) 5:30
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マイケル・ジャクソン / Bad Sessions Definitive Edition Vol.9 (1CDR)
¥990
アルバム・タイトル曲「Bad」は86年10月にレコーディングしています。しかしそれより前に曲として完成していました。作曲はマイケル、プロデュースはクインシーとマイケルです。まず最初「P」、もしくは「Who's Bad」という仮タイトルが付けられていました。Pはプリンスの頭文字、そして誰がBadだって?という意味になります。 「クインシーはマイケルを説得したんだ、もし君とプリンスが一緒に仕事をするなら、今がその時だ、「Bad」だと。君たちが団結するという気持ちならね。クインシーはマイケルとプリンスを自宅にディナーの招待をしたんだ。彼らが会う前に、電話が鳴った。ハーイ、Q、プリンスはもうそこに居る?マイケルからだった。クインシーは、まだだよ、プリンスは来てない。電話が切れて5分後、また電話が、今度はプリンスからだった。ヘイ、Q。マイケルはそこにいる?いないよ。オッケー。二人が交互に確認する、こんなのが20分続いたんだ。どちらも最初に行きたがらなかったんだよ。クインシーはマイケルに言った、もう来ちゃえ、こんなこと止めよう。彼はマイケルを分かっていたからね、ずっと一緒だったから。でもプリンスのことは知らなかった。マイケルは2秒後に現れ、その後ドアベルが鳴った。プリンスが入ってきた。皆が座ってディナーするために話をして。プリンスが、質問があるんだ、歌詞について聞きたい、って言って。クインシーがもちろん。なら...ここは誰が歌うんだい? 」。タヴィス・スマイリー 「その曲の最初の歌詞は「お前のケツは俺のものだ」(ケンカの吹っ掛け言葉)だった。だから僕は「誰が誰に歌うんだろう?君なら絶対に僕に対してそう歌わないだろうし、僕も君にそうは歌わない」って言ったんだ。つまり、問題が起きたってことさ」。プリンス、クリス・ロックに、97年 「Bad」の歌詞「お前のケツは俺のものだ、きっちりそのことを分からせてやる。表へ出てこいよ、俺がお前をどう思っているか、傷付けることになるが、撃ち殺したりするわけじゃないから。今から3つ数える、その間にお前が出来ることをやってみな、それでも口には気をつけろよ、お前のやり方はわかっている、次になにをするかって。限界はないって、皆が言っているのは俺に対してなんだ、実際そうだ。でも友よ、お前は何も見えちゃいない。俺がやり終えるまで待ってりゃいいんだ、なぜなら俺がBadだから。世界は直ぐに答えないとな、もう一度言ってみろよ、誰がBadだって?」。 「プリンスはマイケルが「俺はBad(強い、不良、すげぇ、ハゲヤバ)だ」と歌う度胸があるとは信じられなかった。マイケルには何もBadなところがない、という感じで。そしてそのことでマイケルを許すことが出来なかった。プリンスは、マイケルと一緒に歌うつもりはないと言っただけでなく、スタジオに行って、こうあるべきだと思ったものを録音し直し、マイケルに送った。「いや、そうじゃなくて、こうあるべきだ」という曲を。それで終わりだった。でも、そのやり方こそがプリンス」。スザンナ・メルヴォワン 「Wouldn't You Love To Love Me?」の歌詞「僕の大きな茶色の瞳を見つめて。何を考えているのか教えてよ。本当に僕を愛しているの?それともただ時間を作りたいだけ?それでも別に構わないよ。ただ少しだけ一緒にいてほしいだけだから。君の瞳を見ればわかるよ。本当に、本当に僕を愛しているってこと。君は僕を愛するということこそ欲しているんだろ?そうだろ?僕を愛したいと思わないの?ねえ?僕と二人きりで過ごしたいと思わない?僕を君だけの人にしたいと思わないの?僕はそんなに手に入れにくい人間じゃない。ただ君にわかってほしいだけなんだ。ベイビー、僕はまだ準備できてない。君に僕のすべてを捧げることを。君をからかいたいわけじゃないんだ。ただ君を興奮させたいだけなんだ。君を喜ばせられるって分かってるよ、君の声が擦れる程に、パーティが終わるまで」。 「Who's Bad」と題されたデモ、そしてプリンスが86年9月18日にマイケルに送った「Would't You Love To Love Me?」、そしてAIで作ったスニペットですが、マイケルが歌う「Would't You Love To Love Me?」を収録しました。 「Crack Kills」はランD.M.C.と共に制作され、86年11月4日から87年1月11日までウェストレイク・スタジオでレコーディングされました。ランD.M.C.がフィーチャリングされる予定でしたが、彼らのラップ・パートは作られず、もちろん録音もされませんでした。スタジオでマイケルと一度だけしか彼らは会ったことがありません。 「確かに存在するよ。ボーカルも入っている。思っていたよりも完成度が高い」。ジョー・ヴォーゲル それ以来、このタイトルはマイケルとの複数のコラボレーターによって何度も取り上げられ、93年のメキシコでの証言の際にも存在を確認しています。00年代に、「Crack Kills」の歌詞カードがオンラインのオークションに出品されたことがあります。ボットレルによってメモのリストが公開され、その中の1つには「Crack Kills」(リストでは単に「Rap Song」となっています)が87年1月にウェストレイクで制作されていたことが示されています。以下がその歌詞です。 Crack kills your mother, your father Your sister, your little brother Crack kills the baby, it's shady Not maybe, it's such a loser Crack kills the winners, the sinners It's such a loser, it's this to take you I'm how far, and you all know Who you are, crack kills クラック・コカインは君の母親、父親を殺す、君の仲間だって殺す、恋人も殺す。予想を超えて来る、絶対に最低なんだ。クラックは勝者も罪人も共に殺す、最低なんだ、こんな目に遭わせるのがクラックだ。僕はどこまで行くんだ、君達皆は知っているんだろう、自分が誰なのか。クラックはまた何かを殺している。 残念ながら「Crack Kills」はリークしていません。ここではAIや他の曲から作られたDJミックスを収録しています。まずComplete Version AIは最もしっかりと作られていて、かっこいいサウンドですが、音質が少し硬質でデモっぽいです。そしてそのインストも収録。ミドル・バラードに仕上げたCreated with Udio AI、変則なリズムで面白いFanmade AI Songは入れてないはずのラップが少し入ります。そして歌詞を無視して作ったDemo 1、歌詞を使って作ったDemo 2、そしてランDMCのラップ「Crack」を使って、マイケルの「Cheater」と時期は違いますが「2Bad」を混ぜ合わせてとてもスリリングに仕上げたFeat. Run DMCを収録しました。 哀愁さのあるサビメロがフックさたっぷりの「Throwin’Your Life Away」は、86年12月15日から87年1月4日までヘイヴンハーストで録音されました。ビル・ボットレルとの共同プロデュースで、アルバム『Bad』に収録される予定でしたが、未収録となりました。しかし88年のツアーで再び取り上げられています。09年にアルバムの収録曲の候補だったとされるマイケルによるメモが存在します。今回は「Throwin' Your Life Away」のスニペット、そして87年のバージョン風に作られた音源を収録。88年のバージョンはリークしていますが、後のタイトルに収録します。 「Al Capone」をお蔵入りにして「Smooth Criminal」の制作に集中させたであろう87年のレコーディング。マルチトラックを入れ替えてデモっぽく仕上げているEarly Demo、幾つかのスニペットを集めて作った1987 Alternate Demoを収録、共にファンメイドです。そして87年時期と推測しての収録、Original 2nd Demo from 1987、Demo 1986/1987、Rare Demo 1987、Demo 1987、これらは全てスニペットです。 マイケルは「Smooth Criminal」を、40年代から50年代のマフィアや犯罪映画から着想を得て作りました。そして「アニー、大丈夫?」のフレーズは、心肺蘇生法(一般にCPRとして知られています)の講習で用いられる訓練方法のことを指しています。レスキューアンという練習用マネキンがあり、受講者はCPRを行う前に、「Annie、大丈夫ですか?」と尋ねて、意識と反応を患者に確認する練習をします。『Bad』のレコーディング中、マイケルはCPR講習を受講していました。 「アルバムを作るたびに100曲近く、あるいはそれ以上の曲を書くので、それらをアルバムに収録させるのは暗号を解読するようなものだよ。「Smooth Criminal」はもしかしたら収録されていなかった、そんなギリギリの曲だ。」 –『Michael Jackson's Private Home Movies』03年 「Someone Put Your Hand Out」 は「Someone Put Your Hand Down」というタイトルだった、という説があります。87年にデモが作られており、その音源が流出しています。後にテディ・ライリーと90年2月から91年10月まで『Dangerous』用に作られたバージョンとは異なる、ミディアム・スロウのとても心地よいサウンディングになっています。歌詞も異なります。以下がそのデモの歌詞です。 「毎日痛む、孤独な心が。心の奥底から泣いている。嘆き悲しんでみよう、痛みを耐えて生きれるから。涙は悪いことじゃない。ああ、感じている(感じている)、心は君のためにある(心は君のためにある)、誰か、僕の魂を救って、どんなやり方でもいいから、今すぐ、ほら。誰かが手を差し伸べてくれる。あなたの愛を乞う。僕はただ手を差し伸べるだけ、あなたの愛を必要としている僕の心。僕を夢中にさせる言葉を言ってよ、さあ。毎日、僕に希望を与えて。見えないけど、言葉なら君に言えるよ、どんな言葉でも。傷ついているし、効果もない、でも心は君のためにある、誰か、僕の命を救って、そうさ 何でもいいから、今すぐ教えて。この心の痛みから僕を救ってくれ、僕の心の痛みを聞いてくれ、僕は本当に嫌だって言えるんだ、ああ、嫌だって あとどれだけ耐えられる?ああ!」 「Someone Put Your Hand」のデモからのスニペット、そしてその流出したデモ、そのインスト、そして「Liberian Girl」等をサンプリングした80's Mixは90年のテディとのバージョンを使っていますが、ジャジーさがあるのと『Bad』に入っていたら面白いと思い、あえて収録しました。 1.Who's Bad (Demo) 2:44 2.Prince - Wouldn't You Love To Love Me #3 6:15 3.Wouldn't You Love To Love Me (AI Version Snippet) 1:00 4.Crack Kills (Complete Version AI) 3:29 5.Crack Kills (Instrumental) 3:30 6.Crack Kills (Created with Udio AI) 5:26 7.Crack Kills (Fanmade AI Song) 3:21 8.Crack Kills (Demo 1) 3:09 9.Crack Kills (Demo 2) 2:48 10.Crack Kills (Feat. Run DMC) (Fanmade) 4:38 11.Throwing Your Life Away (Snippet) 0:35 12.Throwing Your Life Away (1987 Version) 3:51 13.Smooth Criminal (Early Demo) 4:21 14.Smooth Criminal (1987 Alternate Demo) 3:09 15.Smooth Criminal (Original 2nd Demo from 1987) 0:37 16.Smooth Criminal (Demo 1986/1987) 0:14 17.Smooth Criminal (Rare Demo 1987) 0:36 18.Smooth Criminal (Demo 1987) 0:35 19.Someone Put Your Hand Out (Bad Demo Snippet) 0:15 20.Someone Put Your Hand Out (Original Demo) 6:30 21.Someone Put Your Hand Out (1987 Demo Instrumental) 6:30 22.Someone Put Your Hand Out (Fanmade Demo) 6:13 23.Someone Put Your Hand Out (80's Mix) 5:50
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マイケル・ジャクソン / Bad Sessions Definitive Edition Vol.8 (1CDR)
¥990
85年1月から87年1月22日まで行われた『Bad』のアルバム作り。しかしその制作を始めようとしていた頃にプロデューサーのクインシー・ジョーンズは、副腎症候群という鬱病にかかり、休息を余儀なくされていました。それでもマイケルは、史上最高の売上を記録したアルバムの続編という、途方もない挑戦に着手します。マイケルは公の場から姿を消し、カリフォルニアのヘイヴェンハーストにある自身の邸宅にこもり、クインシー不在で取り掛かったのです。それはクインシーの強い要望でもありました。マイケルにアルバムでより主導的な役割を担うよう促し、以前の『Off The Wall』や『Thriller』での他の作曲家に依頼していた曲作りを、マイケル自身が行うようにと。世間はこれらのアルバムを依然としてクインシーの作品だと見なしていることを懸念したマイケルは、自分が歌とダンスだけをこなす男ではなく、作曲とプロデュースもできることを証明するのだと心に決めたのです。 最先端のシンセサイザー、サンプラーを搭載した超高級ワークステーションである、ほとんどの楽器の音を再現できるシンクラヴィア・システムを使って、マイケルは兄弟との不和(彼らとは再びレコーディングやツアーに出ないという決断によって、兄弟の関係は悪化していました)、社会問題、疎外感、そしてメディアにおける自身の描写に対する怒りとフラストレーションを吐き出し始めました。メディアは、過去に誤った発言をされたと主張し、一切のインタビューに応じないと誓ったため、マイケルに対するメディアの描写は最低水準にまで落ち込んでいました。 85年8月に『キャプテンEO』の撮影を終え、マイケルはビル・ボットレル、ジョン・バーンズ、マット・フォージャー、クリストファー・カレルらからなる「Bチーム」と呼ばれるメンバーと共に、ヘイヴェンハーストで曲を作り上げていきます。86年8月にクインシーが戻り、アルバム制作が本格的に始まる頃には、マイケルはアルバムのために60曲以上を書き、レコーディングしていました。 86年8月4日、街の反対側にあるウェストレイク・レコーディング・スタジオで、サウンド・エンジニアのブルース・スウェディエンを含むクインシー・ジョーンズによる主力の「Aチーム」が正式に作業を開始します。クインシーは、皆が最高のパフォーマンスを発揮できるよう、友好的な競争意識を醸成していったのです。そして、マイケルは曲をほぼ1年かけて既に作り上げていて、それらの作品にある程度満足していたため、今度はアルバム楽曲のサウンドを練り始めようとします。自身のボーカルの低音域やシンクラヴィアの音色を試しながら、新たな自信をつけようとしたのです。 「Speed Demon」は86年6月18日にヘイヴェンハーストでデモとして初めて録音され、同年11月18日から12月12日にかけて、より完成度の高い別のデモが録音されました。アルバム・バージョンは87年3月から6月15日にかけて制作されています。マイケルと共にこの曲を作曲したクインシー・ジョーンズは、マイケルがスピード違反で停車させられた後にこのアイデアを思いついたと言っています。この曲には「Liberian Girl」へと続くコンセプトを持った最初の曲となりました。脈打つようなパーカッションとベースラインが特徴的な「Speed Demon」は、アルバム全体を通して用いられている「Sonic Fantasy」と呼ばれる手法の最も顕著な例の一つです。これは、リスナーに音楽を視覚化させる体験を与えるために、エンジンの吹き上がる音やバイクのスピード音といった効果音を組み込むという手法です。 ここで収録されているDemoはかなり初期だと思われ、基本のリズムは出来ていますが、どのような展開を持つのか模索している感じを与える、そのメイキングがどのようになっているのかを教えてくれる、大変興味深い音源です。そしてもう一つはファンメイドのデモ、これはベースラインが異なっていて、色々アイデアがある中の一つを提示した、という解釈のサウンドになっています。 86年7月18日に『Bad』からのファースト・シングル「i Just Can't Stop Loving You」のデモをヘイヴェンハーストで録音します。マイケルによるソロ・バージョンを含む、デモはリークしていません。それはデモ作成時点で女性とデュエットする曲として用意していたことの表れかもしれません。 「Groove Of Midnight」は86年9月にクインシーらがいるウェストレイク・スタジオでレコーディングされました。作曲はロッド・テンパートン。後にクインシーの秘蔵っ子であり「I Just Can't Stop Loving You」でデュエットするサイーダ・ギャレットの88年のアルバム『Kiss Of Life』に「Groove Of Midnight」は収録されることになります。マット・フォージャーによると、この曲のマイケルのボーカルが入ったものは曲倉庫にはなかった、としています。しかしプロデューサーと話しをしながら、ピアノをバックに歌をハミングするマイケルを捉えた音源がリークしています。それがDemoです。そしてサイーダのバージョンを収録。そしてそのサイーダのバッキングとは異なる(つまりロッド・テンパートンさがない)マイケルのDemoから類推で作ったFanmade Demo、そしてそのインスト。更にサイーダのバージョンにマイケルのハミングを合わせたApple Cider's Remix。DJミックスのEulonzo 12" Mixは「I Just Can't Stop Loving You」をサンプリングで使っています。そしてEulonzo Mixを使ってAIでマイケルのボーカルを加えたのがComplete Versionです。そして最後にAIで恐らく作った(その表記がないのですが、そもそもマイケルが歌入れした音源は存在していないはずなので)マイケルが歌うAI Versionを収録しています。尚この頃マイケルとサイーダはまだ出会っていません(サイーダが作曲の「Man In The Mirror」のレコーディングが最初)。そしてサイーダの「Groove Of Midnight」の歌入れは彼女のアルバム制作時に行われています。 実はサイーダの『Kiss Of Life』にはやはりロッド・テンパートン作曲の、マイケルが歌入れをして完成させたにもかかわらず、アルバム『Thriller』に未収録となり、恐らく『Bad』でも収録が考慮されていた可能性のある曲があります。サイーダでのタイトルは「Baby's Got It Bad」、そしてマイケルの際には「Got The Hots」となっていました。今回サイーダの「Baby's Got It Bad」そして「Got The Hots」があることで作ることが出来た、サイーダとマイケルのデュエット・バージョンを収録。このように『Off The Wall』、『Thriller』でのメイン・ソングライター、ロッド・テンパートンの作った曲は、マイケルがメインのソングライターとなったこともあり、『Bad』には採用されなかったのです。 マイケルは85年、ビートルズ、リトル・リチャードの著作権を含むイギリスの民放テレビ局、ATVが所有していたARVミュージック出版を4700万ドルで買収します。ジョン・レノンとポール・マッカートニーはブライアン・エプスタインが67年に他界した際に、会社の筆頭株主ディック・ジェイムズがジョンとポールに内緒で株式をATWに売却してしまったことから端を発し、結果ビートルズの曲の権利をポール・マッカートニーは所有することが出来なかったのです。確かにジョン・レノンが亡くなった際に買戻しのチャンスはありました。ポールはジョンの妻オノ・ヨーコに共同購入しようと話を持ち掛けます。しかし提示された金額2000万ドルが高すぎるとヨーコが拒否。この話はお流れとなってしまうのです。後にポールはマイケルに、著作権をしっかりと所有することの必要性を『Thriller』時期に語り、それを理解したマイケルは倍以上の値段にもかかわらず、ビートルズの著作権を購入するのです。「We Are The World」にポールが参加しなかった理由にこれがあるのかな、と思ってしまいます。 さて86年10月26日から11月17日の間に、ビル・ボトレルとマイケルの共同プロデュース名義で、ビートルズの「Come Together」のカバー曲の録音が行われています。ビートルズはジョンが作ろうがポールが作ろうが、初期の頃のように二人で作ろうが、作曲者はジョン・レノンとポール・マッカートニーとクレジットすることを二人は徹底しておりました。「Come Together」はジョンとポールのクレジットですが、作ったのはジョン・レノンです。マイケルのポールへの遠慮が伺えますね。結局『Bad』には収録されませんでしたが、88年10月29日の映画『Moonwalker』で使われ、92年1月14日のシングル「Remember The Time」に5:20のロング・バージョンが収録、そしてアルバム『HIStory』にはショート・バージョン4:02が収録されました。今回恐らくまずフルレングス・バージョンとして5:20の音源をこの頃録音したのではないかと推測、ここに収録しました。 「Streetwalker」は86年3月23日からヘイベンハーストで曲作りがスタートしています。その時の仮タイトルは「Florida Groove」でした。そして86年10月8日よりウエストレイク・スタジオで再度レコーディングが開始され、その頃のデモがリークしています。それがOctober 1986 Rough Mixです。「The Way You Make Me Feel」を思わせるバッキングとテンポです。コーラスもしっかりとした形でなく、未完成であることはわかります。そしてそのハイクオリティーの86年のデモが出回る8年前の16年に当時出回っていたデモを使って作った1986 Demo - Mixです。当時のデモは音質が悪かったのですが、ここでのは音質が素晴らしく、キーボードではなくホーンが入っており、10月のラフ・ミックスより完成している感じがあります。そしてこれはファンメイドですが、かなりデモっぽいFanmade Demo。確かに初期の感じがあります。尚「Streetwalker」は87年、そして88年のマイケルによるバージョンがあります。 「Price Of Fame」はペプシのCMに使われる予定で、87年1月11日にそのCM用のレコーディングが行われています。しかし理由は不明なのですが、中止となってしまいました。しかしその幻のCM映像があり、今回はそこから再構築して収録しています。尚下のタイトルに「Price Of Fame」の色々なバージョンを収録しています。 マイケル・ジャクソン / Bad Sessions Definitive Edition Vol.5 (1CDR) https://purpletown.buyshop.jp/items/104124377 1.Speed Demon (Demo) 3:07 2.Speed Demon (Fanmade Demo) 4:07 3.Groove Of Midnight (Demo) 1:33 4.Siedah Garrett - Groove Of Midnight 4:40 5.Groove Of Midnight (Fanmade Demo) 3:26 6.Groove Of Midnight (Fanmade Instrumental) 3:26 7.Groove Of Midnight (Apple Cider's Remix Feat. Siedah Garrett) 5:21 8.Groove Of Midnight (Eulonzo 12" Mix) 6:36 9.Groove Of Midnight (Complete Version) 4:40 10.Groove Of Midnight (AI Version) 4:39 11.Siedah Garrett - Baby's Got It Bad 4:43 12.Got The Hots (Garrett Mix) 4:23 13.Come Together (Extended Version) 5:27 14.Streetwalker (October 1986 Rough Mix) 6:20 15.Streetwalker (1986 Demo Mix) 16.Streetwalker (Fanmade Demo) 5:01 17.Price Of Fame (Pepsi Version Remaster) 3:18
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マイケル・ジャクソン / Thriller Double LPs Edition (1CDR)
¥990
82年11月、エピックの重役達に『Thriller』完成の視聴会が行われました。そこでのクインシー・ジョーンズの見解とマイケルの見解、それぞれが微妙に異なります。クインシーの方は以下のタイトルで説明しております。 マイケル・ジャクソン / Thriller Sessions Definitive Edition Vol.4 (1CDR) https://purpletown.buyshop.jp/items/98428008 アルバムにあまりにも多くの要素を加えすぎていたから、A面、B面それぞれを19分以内にしなくては現実的ではない、とクインシーが判断し、それぞれの曲のレングスを削って編集した、としています。 一方マイケルの方は違います。優れた楽曲をいっぱい詰め込み過ぎて、収録可能な容量を超えるレングスとなり、結果音質が劣化してしまった、なのでエピックから10日間だけ猶予してもらって、毎日1曲ずつ編集して『Thriller』を完成させた、としています。 クインシーは曲それぞれが長すぎてしまったからアルバム自体のクオリティーが劣化した、マイケルはアルバム自体は素晴らしいものだったが、長すぎて音質が劣化してしまった、ということです。ただ音質の劣化なら、苦渋の決断になるとは思いますがどれか1曲をカット、全8曲にしてリリース、という案も浮上していたのではないでしょうか。正直どの曲もカット出来ませんけど、シングル・カットされておらず6分以上ある「Lady In My Life」がその候補になるのかと。こんな素敵な曲が入っていない『Thriller』はやっぱり『Thriller』ではないですけども。 急に作業をするということで非現実的ではありますが、2LPにしてリリースするというアイデアは出なかったのでしょうか?『Thriller』には沢山の候補曲があります。実際初期の『Thriller』はこのようになっていた、というタイトルが2つあります。 マイケル・ジャクソン / Thriller Original Album Draft Version 1 & 2 (2CDR) https://purpletown.buyshop.jp/items/104785655 初期の『Thriller』には「Got The Hots」、「She's Trouble」、「Carousel」、「Hot Street」そして「Niteline」の5曲の収録候補曲があったのです。入れようと思っていたわけですから、その5曲は皆完成していたということになります。これらを収録させれば十分2LP分になります。そしてそれは究極の『Thriller』となっていたと言えるのではないでしょうか。 実は『Thriller』のリリース(82年11月30日)の前に、傑作2枚組がチャートに登場していました。それはマイケルのライバル、プリンスの『1999』です(82年10月27日)。11曲なのに2枚組です。長い曲が多かったのです。『Thriller』の視聴会をする前にこのことはマイケル側はわかっていたことになります。もちろんマイケルがプリンスがしているんだから、僕も2枚組にしたいとクインシーにお願いはしていません。しても却下されるから、ではなくそもそも思いついていなかった、出すならやはりマイケルも1LP。ですがマイケルは次の『Bad』の時は3LPにしたいとクインシーに言って、断られることになります。 全14曲、収録時間68分2秒。CDの時代としても通用する究極の『Thriller』。リリースしていたらプリンスの『1999』を超えられたのか、やはり金額が高いから売れない2LPにもかかわらず、モンスター・アルバムとなっていたのでしょうか。 Side A 1. Wanna Be Startin' Somethin' (6:30) 2. Baby Be Mine (4:20) 3. Thriller (5:57) Side B 4.Beat It (4:18) 5.Hot Street (3:56) 6. Got The Hots (4:25) 7. Carousel (3:58) Side C 8. Billie Jean (6:19) 9. She's Trouble (4:13) 10. Nightline (4:32) 11. The Girl Is Mine (3:42) Side D 12. Human Nature (4:05) 13. P.Y.T. (Pretty Young Thing) (5:41) 14. The Lady In My Life (6:24) Total 68:02
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マイケル・ジャクソン / Thriller Original Album Draft Version 1 & 2 (2CDR)
¥1,490
マイケル・ジャクソンの『Thriller』の初期の草案があるとされており、それを再現したタイトルです。Version 1がそれに当たります。 Version 2、それは正確な収録曲順は知られていないのですが、アルバム制作の終盤にクインシー・ジョーンズが既にあった収録曲「Got The Hots」、「She's Trouble」、「Carousel」そして「Hot Street」を、「Beat It」、「Human Nature」、「P.Y.T.」、そして「The Lady In My Life」の4曲に差し替えたと語っているのです。またファンサイトでは「Baby Be Mine」と「The Girl Is Mine」の間に「Hot Street」が収録されていた、そんな噂があります。これらの情報を合わせてクインシーの差し替え直前の『Thriller』を再現したのがVersion 2です。「Baby Be Mine」が既に収録決定曲となり(実際この大重要曲が入っていないVersion 1の『Thriller』は『Thriller』じゃないと思ってしまいます)、「Got The Hots」が入っていて、Version 1にあった「Nightline」と「The Lady In My Life」がありませんでした。 Disc 1 Version 1 Side A 1. Wanna Be Startin' Somethin' (6:30) 2. Hot Street (3:56) 3. The Girl Is Mine (3:42) 4. Thriller (5:57) Side B 5. Billie Jean (6:19) 6. She's Trouble (4:13) 7. Nightline (4:32) 8. Carousel (3:58) 9. The Lady In My Life (6:10) total 45:13 Disc 2 Version 2 Side A 1. Wanna Be Startin' Somethin' (6:30) 2. Baby Be Mine (4:20) 3. Hot Street (3:56) 4. The Girl Is Mine (3:42) 5. Thriller (5:57) Side B 6. Billie Jean (6:19) 7. She's Trouble (4:13) 8. Got The Hots (4:25) 9. Carousel (3:58) total 43:02
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マイケル・ジャクソン / Bad Sessions Definitive Edition Vol.7 (1CDR)
¥990
86年に入り、ニューアルバム用の曲を作っていきますが、完成に至るまでの曲はなかなかできません。デモが作られているものの、全くどういう曲なのかほぼわからない曲があります。 まずは「Song For Epic」。マイケルとビル・ボットレルの共同作曲・プロデュースで、86年1月30日から2月6日にかけてヘイヴンハーストで行われた初期のBadセッション中にレコーディングされました。仮タイトルで、ボットレルのメモリストと共に発表されました。ボットレルによると、この曲はエピック・レコードのアイデアで、マイケルにティナ・ターナーとブルース・スプリングスティーンとのトリオ曲を作らせたいと考えていたとのことです。 「エピックはマイケルにティナ・ターナーとブルース・スプリングスティーンとのトリオ曲を作らせたいと考えていたんだ。かなりつまらないアイデアだったけど、マイケルは粘り強く、「何かやってみる」と言っていました。マイケルが数日間留守にしている間に、ジョン・バーンズと私は歌詞のないフックを書き、簡単なデモを作成しました。それでマイケルはエピックに「試してみたら、全てがうまくいった」と伝えられたんだ」。ビル・ボットレル そして「New Song」。この曲も仮タイトルのようです。マイケルとビル・ボットレル(プロデュース)によって書かれ、86年2月8日から10月1日まで、ヘイヴンハーストで行われた初期のBADセッション中に録音されました。これら2曲は全くリークしておらず、さすがにAIでもこれだけの情報では作れませんでした。 さて今回のタイトルは「Fly Away」のエクステンデッド・バージョンより始まります。これは前作の以下のタイトルには未収録です。 マイケル・ジャクソン / Bad Sessions Definitive Edition Vol.6 (1CDR) https://purpletown.buyshop.jp/items/104343691 恋人同士の蜜月を歌った「Free」、そして二人の別れを匂わせた「Fly Away」。上記のVol.6にこの2曲の色々なバージョンを収録してリリースしました。 これらも名曲でしたが、その後を描いた86年春レコーディングの名曲があります。「I'm So Blue」です。しかし完成には至らず、『Bad』にも収録されていません。かつての恋について語り、その関係を振り返る中で感じる感情を歌っています。その恋は、以前お付き合いしていたというテータム・オニールに対してなのかもしれません。86年にジョン・マッケンローと結婚しています。ダイアナ・ロスが85年に再婚した、こちらの方のショックも決して癒えていないでしょう。「まあ、氷のように冷たいんだ、あなたを愛してと言われたから、友達になったその後に、まあ、今となっては僕は一人で歩いてる、僕ら全てをした後にこうなるの?彼女は僕を許してくれるって言っていた、長い永遠の愛、真実、でも彼女は他の男を取って僕から去ってしまったんだ、だから僕は憂鬱な気持ちを紛らわすために歌を歌っている。お願いだ、僕を自由にして、僕はここで独りぼっちさ、悲しい、寂しい、僕は何をすればいいんだろう、わからない、とにかく一人ということ、君は僕を愛してくれていたよね、君も僕がいないから憂鬱なんじゃないか、って思っている、皆が言うんだ、君は歌を歌うべきだよ、って。今君が憂鬱だったら僕は幸せなのに、僕はずっと歌い続けるよ、まだ泣いているよ、僕にどうすべきか教えてくれないか」。 オリジナル・バージョン、AIによるリマスター・バージョン、インスト、アカペラ、アップデートさせて生き生きとしたサウンドとなったTAHMJ's Updateed Reconstruction、そして80年代中期のサウンディングでビート感を加えた80's Mixとそのインスト、更に「Set Me Free」と曲名を変えて哀愁マナーに仕上げたDJミックスを収録。 「Sunset Driver」は、マイケルによって78年11月から79年4月にかけてヘイヴェンハーストでアルバム『Off The Wall』用に初めてレコーディングされましたが、完成せずお蔵入りとなりました。82年8月にはウェストレイク・レコーディング・スタジオでアルバム『Thriller』用にオーバーダブが加えられアップデートされるも、やはりお蔵入りとなりました。『スリラー40』の公式ライナーノーツとビル・ボトレルが共有したメモによると、「Sunset Driver」は86年5月30日と31日にアルバム『Bad』への収録が再検討され、これらのセッション中に79年、82年のデモのアップデートミックスが制作されました。『The Ultimate Collection』、『スリラー40』に収録されたのがそれです。『Off The Wall』的ディスコ・サウンドですが、実はファイナルのテイクだったのです。今回その86年5月30日のバージョンにあたるその「Sunset Driver」を収録。更にそのインスト(サウンドだけ抽出するとストリングスが残っているのにディスコさが減って『Bad』期のように思えなくもないかと)、ベースをバックに歌うほぼアカペラ・バージョン、そしてファイナルというからにはもう少しアップデートするべきなのでは、と考えて、やはりベース主体ですがリズムを加えたStripped Mix、デジタル感があるRemix、2種のリミックスを収録しました。ズバリの『Bad』期的ではないですが、エフェクトを加える程度ではなくバッキングも歌い方もある種ガラッと変えないと、という気がします。それだけ「Sunset Driver」は『Off The Wall』的です。 「Do You Know Where Your Children Are」は、86年5月9日から16日にかけてヘイヴンハーストで行われた初期のBadセッション中にマイケルによって録音され、90年の『Dangerous』でさらに発展させました。残念ながら、どちらのアルバムにも収録されませんでした。94年の『HIStory』ではドラムのプログラミングに若干の修正が加えられましたが、やはり収録されませんでした。まずオリジナル・バージョンですが、『Bad』、『Dangerous』、『HIStory』いずれの時期なのか。可能性としては86年から90年にレコーディングされたとクレジットされていることから、『HIStory』時期ではないことはわかります。聴くとどちらかと言えば『Bad』時期的です。最小限のエフェクトも肌触り的に『Bad』、ギターはソロを含めてデヴィッド・ウィリアムスです。ビル・ボトレル、マットー・フォージャーのエンジニアのクレジット、でもジョン・バーンズの名は見当たりません。かなり『Bad』要素が多いですが、何よりビル・ボトレルが86年の録音だと言及しています。例え『Dangerous』で発展させたとしてもそれほど『Bad』時期とは変わらなかったのではないかと。10年のアルバム『Michael』用に作られたトリッキー・スチュワートがリミックスしたものがリークしています。それには91年のノーティ・バイ・ネーチャーの「O.P.P.」のサンプリングがあり、『Dangerous』時期を演出しているかのようです。それがオリジナル・バージョンが『Dangerous』時期なのではないか、という意見の根拠の一つと言えそうです。実際オリジナル・バージョンのリズムはボビー・ブラウンの「Every Little Step」に似てなくもないです。また『Xscape』でティンバランドとJ-Rockの斬新すぎるリミックスが収録されました。実はそこで使われているのはオリジナル・バージョンと歌詞が違うのです。「彼女はまだ12歳」という表現が異なっています。『Xscape』の方はWho's only 12 years oldと関係代名詞で前の文章中のlittle girlに修飾的に係っています。一体この『Xscape』のボーカルはいつの時代のものか、斬新なリミックス、実は『HIStory』時期のアレンジを参考にしていたのでは?わかりません。 「お子さん達がどこにいるかご存じですか?今12時ですよ、ストリートのどこかにもしいるのなら、どれほど心細いか想像してみてください」。アメリカのニュース番組で夜10時、もしくは11時に視聴者に呼び掛けて、子供夜遊びをしないように注意する映像が60年代から90年代まで流されていました。夜の12時、いい仕事を世話しようと男に騙され売春をするわずか12歳の少女。「Bad」のショートフィルムの監督マーティン・スコセッシの代表的映画『タクシードライバー』でのジョディ・フォスターが演じた娼婦アイリス、彼女もまた12歳でした。 「Do You Know Where Your Children」はオリジナル・バージョン、インスト、アカペラ、そして『Bad』時期に寄せたリミックス、更にリーク音源『Dangerous』時期的なトリッキー・スチュワートによるミックスを収録。 1.Fly Away (Extended Version) 4:21 2.I'm So Blue 4:07 3.I'm So Blue (AI Remastered) 4:05 4.I'm So Blue (Instrumental) 4:07 5.I'm So Blue (Acapella) 3:47 6.I'm So Blue (TAHMJ's Updated Reconstruction) 4:07 7.I'm So Blue (80's Mix) 4:12 8.I'm So Blue (80's Mix Instrumental) 4:12 9.Set Me Fee (I'm So Blue Remix) 4:16 10.Sunset Driver (Demo) 4:03 11.Sunset Driver (Instrumental) 4:02 12.Sunset Driver (Acapella Bass Mix) 4:04 13.Sunset Driver (Stripped Mix) 4:05 14.Sunset Driver (Remix) 3:36 15.Do You Know Where Your Children Are (Original Version) 4:39 16.Do You Know Where Your Children Are (Original Version Instrumental) 4:40 17.Do You Know Where Your Children Are (A Cappella) 4:10 18.Do You Know Where Your Children Are (80's Bad Era Remix) 4:05 19.Do You Know Where Your Children Are (Tricky Stewart Remix) 4:30
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マイケル・ジャクソン / Bad Sessions Definitive Edition Vol.6 (1CDR)
¥990
85年1月から本格的な新しいアルバムのための曲作りを始めたマイケル。「Hot Fever」、「Al Capone」といったプロト・タイプ的楽曲のレコーディングの他、ある程度まで作られているものの完成したとは言えない曲のテープが保管倉庫に積まれていきます。どんなアルバムとなるか、誰にも分らない状況です。86年に入ってもその作業が続きます。 まずは「Don't Be Messin' 'Round」(ふざけないで、真面目にやっての意味)。マイケルはこの曲を生涯を通してを何度もレコーディングしており、大変お気に入りだったようです。最初のレコーディングは81年秋、エンジニアのブレント・アヴェリルと『Thriller』のセッション中に行われました。しかし当時は新しい素材が溢れかえっていたこともあり、次のアルバムに回すことにします。86年、長年のコラボレーターであるマット・フォージャーとビル・ボトレルと共に、改装されたばかりのヘイヴンハースト・レコーディング・スタジオの愛称であるラボラトリーで「Don't Be Messin' 'Round」に再び着手します。 「マイケルは自分がやりたい時に曲を練り上げていくんだ。準備不足だったり、アルバムやプロジェクトにフィットしないと思ったら、倉庫に入れておくんだ。そして時期が来たらもう一度取り出すんだよ」。マット・フォージャー フォージャーによると、オリジナルデモは約8分もあったため、マイケルはそれを現在の4分20秒、ほぼ半分の長さにまでカットしなければならなかったという。 「「Don't Be Messin' 'Round」のロング・バージョンはとても興味深い、なぜなら部分部分で違うことが起こっているから。長いなあと感じながら8分間座って聴いていられるようなものじゃない。クールだ、と感じさせることがそこで起こっている、リズムだけで満足するよ」。マットー・フォージャー 「マイケルは曲を長くするのが好きなんだ、グルーブ感を持続させる、そうすると踊れるから。それが大好きなんだ。曲が彼にダンスさせるのならば、それはそのグルーブを支配できているということなんだ」。マット・フォージャー マイケルは86年2月19日から10月25日まで、ヘイヴェンハーストとウェストレイク・レコーディング・スタジオの両方でこの曲の制作を続けました。 「ウェストレイクでMJがやって来て、この曲をもう一度やり直したいと言ったんだ。ピアノの前に座って、何気なく何か弾いていたけど、興味を失ってしまった様子で。結局私たちは別のことに取り掛かったよ。」 ビル・ボトレル 結局クインシー・ジョーンズには気に入られず、『Bad』でもお蔵入りとなりましたが、まずそのオリジナルの「Don't Be Messin' 'Round」を収録。ラテン、ジャズ、ボサノバ、ポップを織り合わせて、心ウキウキさせてくれるフックを持つ軽快なサウンドを生み出しています。実はマイケルがピアノを弾いています(フォージャーが、皆さんが 知っている以上に上手だよ、と語っています)。バブルス調のホホ!という声が入ったり、斬新さがある一方、明らかに歌詞が無い部分があり、ハミングして誤魔化したり、ブリッジ前にブリッジ!とマイケルが叫びますが、実際その後、そのメロディはあるものの歌詞は登場しません。未完成なわけですが、リリースされたバージョンは、86年の『Bad』セッション時の最終バージョンだ、その後新たにパートを加えられることはなかった、それは87年以降のどのレコーディングでもとフォージャー自身が言っています。一方でマット・フォージャーによる新たなミックスで、複数の異なるマルチトラックのテープに録音された要素を組み合わせ、『Bad』時代のバージョンを可能な限り再現しようと試みたその結果だ、とも言われています。『Bad』時に作られたバージョンと言うことになるわけですが、先の『Thriller』時期のスニペットと同じバッキングのような気がします。 そして実はKorg Nexがリークしたreduxという別のフェイクではないリアルなデモが存在し、それも収録しています。こちらの方が更に未完成感があるように思えます。フレーズも考え中というかアイデアが出ていないような雰囲気です。これが『Thriller』時期なのか、もしくは『Bad』の初期の時期なのか、はたまたフォージャーはこのデモを使ったのか、不明ですが、研究し甲斐がありますね。 そしてオリジナル・デモが約8分あるとフォージャーが言っていましたが、それに近づけるべく6分のExtended Long Versionのファンメイドを収録。そしてXscapeRのDJリミックス。あまり手を加えず曲の良さを生かしている良ミックスです。 「Bad Girl」は、93年11月のメキシコでの証言でマイケルが存在していると言っています。ヘイヴェンハーストでのセッション中にビル・ボットレルがプロデュース、ボットレルによると、マイケルと86年2月28日に「Bad Girl」をレコーディングしたが、これがこの曲が実際に制作された唯一の機会だったと語っています。 「日記に載っているよ。曲の展開は覚えていない。たった1、2日で、肉付けはしていなかった。もしかしたらボーカルが少し入ったかもしれないけど、よくわからない」。ビル・ボットレル 「86年2月28日は、ボーカルも含めて「Bad Girl」のレコーディングに一日中、夜遅くまで取り組んだ。どの程度完成していたかは覚えていない。その後、二度とこの曲に取り組むことはなかった」。ビル・ボットレル 「その日以降は作業していなかったので、どんな音だったか覚えていない。厳重なセキュリティを保っていたので、テープは持ち帰らなかった」。ビル・ボットレル 今回の収録はその86年2月28日の音源ではありません。09年Massariという男性ボーカリストがリリースした「Bad Girl」、それをAIでマイケルが歌っているようにしているものです。マサリの「Bad Girl」はマイケルとは全く無関係です。実際マサリのボーカルはかなりマイケルに似ているのでマイケルからの影響は多分に受けていると思われます。AIでマイケルがカバーした、という音源があり、マイケルがシークレットで曲提供した、という架空のストーリーを作って、あえて収録させました。 「Free」は作曲がマイケル自身、ビル・ボットレルと共同プロデュースし、86年3月19日にヘイヴンハーストでレコーディングしました。この日だけで作られ、(ほぼ)完成させていると思われます。しかし『Bad』には未収録となりました。93年にメキシコで行われた証言の中でも「Free」の存在を言及しています。 まず完璧を超えた美しく優雅なメロディ。「君が僕が愛して止まない正にその女性、僕の気持ちは誰もわからない、君は僕にとってどんな人なのか言っておくれよ、僕は今言ったその通りさ、君が得る全ての愛を僕が与えるから、君は僕を救ってくれたんだ」。サビの韻の踏み方も最高です。「自由、風のように、スズメのように飛ぶために、僕の髪が風にになびく、僕のタイム感でどこへでも行ける、僕は僕のものだから」。最後にマイケルが笑い転げた後、「ランディ、君ってお馬鹿さんだね」と言います。この時にたまたまランディ・ジャクソンが遊びに来ていたのでしょうか。 「Free」のオリジナル・バージョン、そして曲から抜き出したインスト、そしてアカペラ、更に80年代風の素敵なリミックスを収録。 「Fly Away」は、86年4月20日から7月14日まで、ヘイヴェンハーストで行われた『Bad』セッション中に録音され、ビル・ボトレルがプロデュースを手掛けました。しかしお蔵入りとなります。10年以上経った後、この曲は姉のレビーに渡され、彼女のアルバム『Yours Faithfully』に収録されることになります。レビーのバージョンでは、マイケルはバックコーラスで参加しており、その一部はマイケルのオリジナルのバージョンには含まれていません。とても素敵なメロディを持つ「Fly Away」は作曲家マイケルの真骨頂といえるナンバーでしょう。「僕らの愛は進行中だよ、知っているよね、僕は決して離れないって、だから教えて、僕らの愛にさよならって。正に今が旬だから、一緒に僕らで飛び立とう、僕の心を捧げるよ、だって僕らはこんなに近いんだ、だからそんな事必要としないんだよ。僕だけを行かせないで、ここに居させて、今を愛して、愛はここにあるんだ」。ダイアナ・ロスへの恋慕でしょうか。それかテイタム・オニール?僕ら二人で飛び立とうよ、他の誰かとではなく、ということですね。 今回オリジナル・バージョン、インスト、アカペラ・バージョン、そして80年代風にアレンジしたリミックス、再構築したReworked Version、そしてExtended Versionを3種、その中でもJuiceppe's Remixはミドル・ダンス・チューンになっていて面白いです 1.Don't Be Messin' 'Round (Snippet) 0:07 2.Don't Be Messin' 'Round 4:19 3.Don't Be Messin' 'Round (Instrumental) 4:18 4.Don't Be Messin' 'Round (Korg Redux) 4:23 5.Don't Be Messin' 'Round (Extended Long Version) 6:06 6.Don't Be Messin' 'Round (XscapeR Mix) 4:16 7.Massari - Bad Girl (AI Cover Version) 3:09 8.Free 4:25 9.Free (Instrumental) 4:28 10.Free (Acapella) 4:17 11.Free (80's Mix) 4:42 12.Fly Away 3:27 13.Fly (Instrumental) 3:30 14.Fly Away (Acapella) 3:23 15.Fly Away (80's Mix) 3:36 16.Fly Away (Reworked Edition) 4:50 17.Fly Away (Extended Version By The Shields Biggest Fan King) 4:08 18.Fly Away (Extended 8D Mix) 5:44 19.Fly Away (Juiceppe's Remix) 6:10
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マイケル・ジャクソン / Mind Your Business (1CDR)
¥990
マイケル・ジャクソンの『Thriller』時期の雰囲気を持つ曲というコンセプトでAIによって作られたアルバムです。曲間を繋げており流れるように聴ける27分49秒の世界。『Thriller』に収録させる予定だった、と言われて信じてしまう人がいるかもですが、あくまでAIで作った曲です。「Lady's Eyes」、「Sugar Rush」はかなり素敵な出来です。唯一つカバー(?)があります。ロッド・テンパートン作のハービー・ハンコック「The Bomb」です。完璧ではないですが、とても楽しめるのではないかと。 1.Lady's Eyes 2.Mind Your Business 3.Sugar Rush 4.Where Did You Go 5.Desert Rose of Riyadh 6.The Bomb (Herbie Hancock & Rod Temperton)
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マイケル・ジャクソン / Bad Sessions Definitive Edition Vol.5 (1CDR)
¥990
Vol.4では85年のレコーディングを中心としたコンパイルでしたが、その中で「Al Capone」という「Smooth Criminal」の原型と思われている曲を取り上げました。 「Smooth Criminal」は85年10月1日から86年7月15日までヘイヴェンハーストでデモが録音されています。この曲は、マイケルのマフィア、クライムをテーマにした別の曲「Al Capone」から派生したもので、「Smooth Criminal」の方が後に形作られていることは確かですが、「Al Capone」もまたある程度まで完成させており、事実上この二つの類似する曲はパラレルに作られていたと思われます。86年7月10日からのクインシー・ジョーンズらが参加したAチームのレコーディングで「Smooth Criminal」は完成するのですが、それまでだと思われそうなデモをまとめて収録しました。 まずは1984 Demo Mix、ファンメイドでドラムに「State Of Shock」を使い確かに『Victory』のセッションで作っていた感を出しています。音が足らない感じや別のボーカルを使ったりして未完成さがあります。実際マイケルは84年に「Smooth Criminal」の曲のアイデアが浮かんだとされています。 そしてFANMADE Demo、これはかなり音が簡素になっていてデモらしく仕上がっています。これが85年位に作られていた、と言われたら信用できそうです。 Early Mixはファンメイドではなくリーク音源だとされています。しゃくるような声やシャウトが入っています。バッキングも異なる箇所があり未完成感もあります。本物と言えそうです。 Rare Demo Mix、これもファンメイドではないです。声がとても生々しく明らかにスタジオ・バージョンとは異なります。デモさがとても感じられます。バッキングも異なる箇所があり、最後にマイケルによる足音があり、なんか曲に乗ってダンスしている感じがあります。かなり本物と言えそうです。 1985/1986 Demo、これはBluefire Sorcererという人のファンメイドです。セミナーからの隠し撮り音源等を使っており、スニペット感をなくしてはいますが、音は悪く繋がりもスムーズではありません。 6曲目以降は全てスニペットです。唯一6曲目(Demo)だけは本物リーク音源だと確定しています。少しテンポが遅いのは、『Bad』は曲のピッチを上げて迫力を出しているというのがあるので、その前の音源であるということ、その裏付けとなります。 Are you okay, Annie?の声が変えられているのが面白いです。音が悪いですが聴いたことのない音があるDemo Snippet、聴いたことのない音がありますが本当にマイケルなのか不明の音の悪いOriginal Seminar Demo、音が荒いですがスタジオとライブの中間のようなサウンドのRare Demo Snippet、インストで曲の内部を知れるDemo 3、Demo 4、Demo。ナレーターのような人の声でマイケル・ジャクソンと唱えるのが何度も入る不明のRare Demo、音質が良いリズム中心のインストStudio Number 3、音質が悪くかなり昔からあるMoonwalkerバージョン等を使ったフェイク扱いされているUnreleased Rare Demo、リード・ボーカルが異なるDemo Snippetを収録。 「Make Or Break」は93年11月にマイケルのメキシコでの証言でその存在を明かしています。ジョン・バーンズによると、この曲は別の未発表曲「Alright Now」よりも前に作られたもの、一方ビル・ボトレルによると85年12月に作られたと述べています。 「マイケルは参考程度のボーカルとブリッジ、バック・ボーカルを作っていました。革新的な曲にする機会はありましたが、他の曲を優先したため、あまり力を入れませんでした」ジョン・バーンズ 「とても力強く、素晴らしいフックがありましたが、結局完成しませんでした」。マット・フォーガー 「ヘイヴンハーストで「Make Or Break」をやったのを覚えています。たぶん85年12月です」。ビル・ボトレル 「「Make or Break」はマイケルと私が書いた曲です。結局完成しませんでした。未完成のボーカルのデモがあります。歌詞も少しあります。これは私がシンクラヴィアで作った3番目の曲です。曲として可能性を秘めていると思います。彼は『Bad』には入りませんでした」。 ジョン・バーンズ しかし、バーンズの発言とは裏腹に、ジョー・ヴォーゲルは24年2月6日、マイケルが実際に「Make Or Break」のボーカルを完成したと主張しています。ボットレルも、この曲はレコード・ワンでの『Dangerou』セッション中に制作されていたと述べている。 「ちょっといじっていただけだ。あまり良くなかったよ」。ビル・ボットレル 今回は「Make Or Break」の未完成のデモ、これは『Bad』時期だと思われますが、インストのため真偽は不明です。そしてもう一つは25年最近リークした「Make Or Break」のマイケルのボーカル入りのものです。AIで作られたとはされておらず、どこか「Another Part Of Me」の雰囲気を持っており、楽曲もかなり完成されていて素晴らしいです。『Dangerous』時期とはあまり思えないためここに収録させました。 「Liberian Girl」は、ジャクソンズとのアルバム『Victory』セッション中、83年12月21日にCan-Am Recordersで初めてレコーディングされています。その後86年1月28日にヘイヴェンハーストで行われた初期の『Bad』セッションで再レコーディングされ、8月にウェストレイク・レコーディング・スタジオで行われたメイン・セッションでも再レコーディングされました。この曲は、マイケルの亡き長年の友人、エリザベス・テイラーに捧げられています。 「この曲は自宅のゲームルームで書いたんだ。ピンボールか何かをやっていたら、ふと頭に浮かんだ。それで2階に駆け上がってテープに録音したら「Liberian Girl」になったんだ。何も考えずに、自然と浮かんできたんだ」。マイケル・ジャクソン 今回はとても荒い短いデモ、そしてバック・ボーカルを高い所から低い所をマイケルが歌い、それらを重ねているレコーディングのデモを収録しました。これらが83年の時のものかもしれませんが、一応86年の方としました。 「Price Of Fame」は、86年1月20日から87年1月3日にかけてヘイヴンハーストで録音、ビル・ボトレルとマイケルのプロデュース。アルバム『Bad』に収録される予定でしたが、採用されませんでした。マイケルによるこの曲についてのメモがあります。 「僕に夢中になりすぎて、僕を追いかけてきて、僕の車で僕が僕を殺したくなる気持ちにさせる女の子たち。僕と何かをするために、僕に会うためなら命を捧げる女の子たち。彼女たちは何でもする。僕の心は張り裂けそうだ。気が狂いそうだ。彼女との関係、家族との関係を壊してしまう。それが名声の代償だ」。マイケル・ジャクソンのメモより オリジナル・バージョン、インスト、AIで楽器とボーカルを分離しバランス調整したリマスター・バージョンを収録。更に「Billie Jean」を巧妙に織り交ぜたリミックス2種、そして「Billie Jean」をやはり使ったClassic MJ Remix、バウンシーになったRemixを収録。 「Turnin' Me Off」は、マイケルが86年1月29日から3月9日にかけて作曲、録音し、ジョン・バーンズとビル・ボトレルがプロデュースした曲です。アルバム『Bad』には収録されませんでした。またマイケルが93年のメキシコでこの曲の存在を認めています。 「クレイジーなサウンドの組み合わせが特徴で、エレクトロニカ的なサウンドでした。3種類のシンセサイザーを使っていました。シンセサイザーのパンチが十分だったので、ベースは省きました」。ジョン・バーンズ。 マット・フォーガーも、この曲を「マイケルのエッジの効いた実験曲の一つ」と評しています。そして「とてもグルーヴ感があって、なかなか面白い曲だった」と述べています。一方、ボットレルは「Turnin' Me Off」を「ちょっと変な曲。すごく嫌い」としています。 「「Turning Me Off」は、86年1月29日にトラッキングを始めた。僕はリードボーカルを録音していないよ。バッキング、トラッキングまで作れなかった。あの曲に飽きてしまったんだ。(エンジニアの)ブラッド・サンドバーグが(ボーカル入りの)DATを持っているとしたら、それはおそらくウェストレイクのものだろう。私がハーストで働いていた最後の日まで、彼はそこに入ることができなかったから。彼は夜遅くに現れ、すべてのテープを持ち去った。ウェストレイクに持って行くために。だから『Dangerous』の時に南京錠付きのロッカーを買ったんだ」。ビル・ボットレル 今回はマイケルの声なのか不明なスニペット、そして恐らくAIでつくっただろうバージョン、『Xscape』風だとするインストの3種類を収録しました。 1.Smooth Criminal (1984 Demo Mix Fan Made) 3:14 2.Smooth Criminal (FANMADE Demo) 3:57 3.Smooth Criminal (Early Mix) 4:28 4.Smooth Criminal (Rare Demo Mix) 4:14 5.Smooth Criminal (Rare Demo 1986) 3:54 6.Smooth Criminal (Demo) 1:27 7.Smooth Criminal (Demo Snippet) 0:30 8.Smooth Criminal (Original Seminar Demo) 0:17 9.Smooth Criminal (Rare Demo Snippet) 0:38 10.Smooth Criminal (Demo 3) 0:45 11.Smooth Criminal (Demo 4) 0:46 12.Smooth Criminal (Demo) 1:07 13.Smooth Criminal (Rare Demo) 0:23 14.Smooth Criminal (Number 3) 0:46 15.Smooth Criminal (Unreleased Rare Demo (Snippet)) 0:36 16.Smooth Criminal (Demo Snippet) 0:48 17.Make Or Break (Unfinished Demo) 2:26 18.Make Or Break (2025 New Leak) 3:22 19.Liberian Girl (Demo) 0:13 20.Liberian Girl (Recording Background Vocals) 1:15 21.Price Of Fame (Original Version) 4:33 22.Price Of Fame (Instrumental) 4:40 23.Price Of Fame (Remastered) 4:31 24.Price Of Fame (Back To Billie Jean Mix) 4:33 25.Price Of Fame (Back To Billie Jean Alternate Mix) 4:33 26.Price Of Fame (Classic MJ Remix) 4:32 27.Price Of Fame (Remix) 4:42 28.Turnin' Me Off (Rough Demo Filtered) 0:24 29.Turnin' Me Off (AI Version?) 3:04 30.Turnin' Me Off (Xscape Instrumental-Style Beat) 3:42
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マイケル・ジャクソン / Bad Sessions Definitive Edition Vol.4 (1CDR)
¥990
85年1月よりニューアルバムのための曲制作が本格(プリンスに比べれば断定的に)開始されます。そしてその最中にSF短編映画『キャプテンEO』の制作も行われています。そこで使われた「We Are Here To Change The World」のリミックスからこのタイトルは始まります。エクステンデッド・バージョンは、『Ultimate Collection』に収録されたオリジナル・バージョンをシンプルに長くし、その後に映画のバージョンを加える面白い展開が味わえるリミックスとなっています。そして今度は逆に映画の雰囲気をしっかりと入れたリミックスで、こちらの方は凝った作り。そしてその映画の雰囲気の別のバージョンのインストも適度なデジタル感がグー。そして最後はセガが発売した88年のゲーム機ジェネシス(日本ではメガドライブと呼ばれていました)風にアレンジしたファンメイドのゲーム・リミックスです。実際このサウンディングがここに収録されている「Starlight Sun」と雰囲気がよく似ています。50秒のスニペット、そしてそこから独自に2分ほどに長く音質も良くしたバージョンの2種類を収録しました。「Starlight Sun」はマイケルが『キャプテンEO』のために書いたもののボツとなった音源。というのもインストゥルメンタルで、マイケルはボーカルを少しいれていますが、リード・ボーカルがありません。ブラッド・サンドバーグとジョン・バーンズは、録音はグルーヴのみでそれ以上は進行しなかったと語っています。そしてマイケルは86年7月より始まった『キャプテンEO』の撮影を終え8月にスタジオに戻ります。 「Changes」はマイケル、ジョン・バーンズ、ビル・ボットレル(後者はプロデュースも担当)によって書かれ、85年春から86年12月22日までのヘイヴェンハーストでのセッション中に録音されましたが、お蔵入りとなっています。その後94年夏から95年9月までの『HIStory』セッション中にマイケルによって収録が再検討されましたが、再びボツとなっています。10年にはアメリカ著作権局に登録されています。つまり11枚目のマイケルのスタジオ・アルバムセッション中に作り直されたということを意味しています。そのバージョンでは、ブラッド・バクサーが作詞とプロデューサーの両方を務めたとクレジットされています。 「ジョン・バーンズは、この曲がヘイヴェンハーストのセッションから生まれたものだと言っている。私が彼にそれについて尋ねると、彼はフックを歌ってくれて、私たちが同じ曲について話していたことが確認できたよ。『HIStory』のセッション中にこの曲が復活したが、完成することはなかった。「Changes」は教会で歌うような感じだ。ピアノとゴスペルの合唱、つぶやきのようなあまり力を込めないボーカル・スタイルだった」。ダミアン・シールズ その後あるコレクターによるマイケルが「that's what they told me, changes、彼らが僕に言うこと、それは変化だ」と歌っている2秒間の断片がリーク。その2日後にダミアン・シールズによって、この曲が「Changes」だと確認が取れました。また「Changes」は主につぶやきで構成されており、リークされたのは、デモ全体の中で最も明確で最も力強いライン、であり、録音全体が7分以上続くと述べています。シールズがアメリカ著作権局で聞いたミックスのメタデータによると、ボーカルテイクは『HIStory』がリリースされてから数か月後の95年9月に作られたものでした。後に同じ曲の同じセクションが再びリークされ、音楽とボーカルが追加、約7秒間続いていました。24年5月4日、Korg Nexは同じスニペットのより長いバージョンをリークしています。パーカッションが入り、編集されているようです。ここではそのスニペット50秒を収録しました。更にそこからより長い曲にしたファンメイドのバージョンも収録。24年12月5日、ボットレルが『Bad』セッション中に録音された曲のメモのリストをシェアしていますが、その中に「Changes」が含まれていました。そのメモでは「The Choir Song」という仮題となっています。 85年の秋には「Leave Me Alone」のデモが作られました。そのスニペット、更にデモ風ですがホーンも入るファンメイドのミックスを収録。 そして85年10月2日に「Hot Fever」という仮のタイトルのデモが作られています。これは86年8月からのウエストレイク・スタジオでのレコーディングより「The Way You Make Me Feel」という曲に成長します。ここでは「The Way You Make Me Feel」とはあまり似ていないが雰囲気はあるのかな的「Hot Fever」のデモを収録。フェイクの疑いも感じられてしまいますが、そのような話がなく、真偽は不明です。 「What You Do to Me」は、ビル・ボットレルとマイケルのプロデュースで、85年秋に録音されましたが、最終リリースには含まれていませんでした。この曲は、ダミアン・シールズ曰く、リリースできるほどの完成度だったことが知られています。 「「What You Do To Me」には歌詞付きボーカルが入っています。ミッドテンポのラブソング。「Free」や「I'm So Blue」に似たさわやかな雰囲気。コーラスの歌詞は「You just don't know, you just don't know, what you do to me, do to me, do to me, do-do-do, do to me」」。ダミアン・シールズ Xでのコメントでしたが、そのトラックがマイケルによってなのか、それともジョン・バーンズもいたのかと尋ねられたとき、ボットレルも「Bad Girl」と並んでこの曲について以下のように言及しています。 「両方とも私の日記に載っています。曲がどうなっているかは覚えていません。1、2日だけでした。肉付けはされていません。ボーカルが少しあったかもしれませんが、わかりません」。 今回「What You Do To Me」のスニペットを収録していますが、明らかに上記のコメントとは類せないもので、ほぼフェイクだと思われます。そして上記の情報で作られたAIバージョン、しかし歌っているのはAIマイケルではなく、Gangster BTSという名の(女性?)ミュージシャンによるものです。プリンスの『3121』辺りのサウンドを彷彿とさせていて、上記の歌詞が含まれており、時期的におかしくはありますが、出来は相当良いです。 「Tomboy」は、マイケル・ジャクソン、ジョン・バーンズ、ビル・ボットレルの共作、マイケルがプロデュースした未発表曲で、85年10月22日から86年1月22日までヘイヴェンハーストでアルバム『Bad』のために録音されました。しかし残念ながら、この曲は最終的に採用されませんでした。 「マイケルは85年秋にビル・ボットレルとジョン・バーンズと「Tomboy」に取り組んだ。バーンズは好きではなかったと語っているけど、マイケルは気に入っていた。彼は革新的なバンド、ザップのロジャー・トラウトマンに連絡を取り、この曲を制作したんだ。ファンキーなギターリフと明るいプロダクションが特徴だったけど、85年以降はあまり発展させようとしていなかった」。ジョー・ヴォーゲル著『Man in the Music: The Creative Life and Work of Michael Jackson』 「Tomboy」は、シンセサイザードラム、美しいストリングス、素敵なギターリフ、『キャプテンEO』のサウンドトラックを彷彿とさせるスラップベースを備えた、80年代半ばのクラシックなトラックと評されています。 「「Tomboy」、わからない。アメリカ著作権局で私が聴いたバージョンはインストゥルメンタルだった。とても『キャプテンEO』の雰囲気があって、音楽のメロディーラインは「Remember The Time」のボーカルの「I bet you remember」のラインと驚くほど似ていた(基本的に同じと言っていい)」。ダミアン・シールズ 「ロジャーは「Tomboy」で上手に演奏していたけど、曲はまあまあだった、というのが私の意見だ。マイケルは気に入ってだけど、『Bad』で聴ける他の音楽と比べると見劣りしていた。」ジョン・バーンズ 「ジョン・バーンズとマット・フォーガーと私はヘイヴェンハーストでその作業に取り組んだ。85年11月8日、12月2日から5日の間。この曲はマットとジョンによってすでに始められていた。おそらく『EO』セッションだったよ」。ビル・ボットレル マイケルは「Tomboy」の作業を中止した後、この曲をロジャー・トラウトマンにマルチトラックを渡しました。マット・フォージャーによると、ロジャーは後にこのインストゥルメンタルを別の曲に使用したとのことで、それは89年『Zapp Vibe』に収録の「Stop That」だと思われます。曲で「ヒーヒー」という声が聞こえますが、マイケルにとてもよく似ています。「I bet your remember」に似たボーカル・メロディーがこの曲に含まれています。今回最初にリークしたスニペット(フェイクでしょう)、そしてジョン・バーンズによるものか不明ですが、作った人とされるデモ、そして「Stop That」を使って作ったInstrumental、そしてこれらの情報を合わせてAIで作ったマイケルのボーカルのバージョン。そして全くこれらの情報は無視、イメージで作ったミドル・バラードのファンメイドの「Tomboy」(これが結構悪くないんです)を収録しました。 「Al Capone」は、『Victory』セッション中に作られ、85年10月 1日にヘイヴェンハーストで行われていた『Bad』の初期セッション中に録音されました。ビル・ボットレルがプロダクションを担当。86年2月17日まで制作が続けられています。「Al Capone」から発展して「Smooth Criminal」となった、と思っている人は多いと思いますが、実はほぼ同時期に作られていました。今回はそのオリジナルのデモ、インスト、更にDJによるとてもカッコいいエクステンデッド・バージョンを2種、そして「Al Capone」と「Smooth Criminal」をマッシュアップしたリミックスを収録しています。正直「Al Capone」の方が『Bad』に収録されている世界も見てみたい気がします。それだけスリリングでカッコいい曲なのです。 1.We Are Here To Change The World (Extended Version) 5:45 2.We Are Here To Change The World (Captain EO Witaz Movie Mix) 6:35 3.We Are Here To Change The World (Captain EO Eulonzo Instrumental Mix) 4:41 4.We Are Here To Change The World (Sega Genesis Remix) 5:41 5.Starlight Sun (Snippet) 0:50 6.Starlight Sun (TAHMJ's Extended Reconstruction) 2:05 7.Changes (Snippet) 0:50 8.Changes (Fanmade Full Version) 2:41 9.Leave Me Alone (1985 Early Demo) 1:05 10.Leave Me Alone (Funmade Demo) 4:56 11.Hot Fever (Demo) 3:12 12.What You Do To Me (1986 Demo) 0:07 13.What You Do To Me (AI Version) 4:21 14.Tomboy (Demo Snippet) 0:44 15.Tomboy (Writer's Demo Snippet) 0:43 16.Tomboy (Instrumental) 4:02 17.Tomboy (AI Song) 3:03 18.Tomboy (Alteranate AI Song) 3:38 19.Al Capone 3:35 20.Al Capone (Instrumental) 3:33 21.Al Capone (SWG Extended Mix) 5:00 22.Al Capone (Zone Tripper Extended Mix) 7:10 23.Al Capone + Smooth Criminal (Mashup) 4:34
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マイケル・ジャクソン / Bad Sessions Definitive Edition Vol.3 (1CDR)
¥990
『Thriller』の大成功に甘んじることなく、マイケルはそこで打ち立てたすべての記録を破るべく次のアルバムを作ると決めていました。83年11月から84年前半、ヘイヴェンハーストでの『Victory』セッション中に、最初のデモが作られていたとされています。それらには「Liberian Girl」、「Dirty Diana」が含まれていました。『Victory』にあえて収録させなかった、次のマイケルのためのアルバム用に取って置いた、という見方も出来ます。未完成のためアルバムに入れられなかったけれど、これらが真の完成となれば至高の素晴らしい曲となる、そうともマイケルは思っていたはず。「Liberian Girl」のその時期のデモはリークしていません。しかし「Dirty Diana」はスニペットとレコーディングをしていた人間のセミナーの隠し撮りとされる音源があります。「Dirty Diana」は84年のデモの後85年の秋に一度レコーディングされているので、今回のタイトルの10曲目、11曲目にそれらを入れました。 オープニング「You Are The One」は、ミュージカル『ドリーム・ガールズ』内で歌ったR&Bチャート1位の「And I'm Telling You I'm Not Going」を持つジェニファー・ホリデーの曲で、85年のアルバム『Say You Love Me』の1曲目に収録されています。マイケルはバズ・コーハンと共同制作、プロデュースもし、当初は自身のバージョンも録音したとされています。それはこの曲のBMI登録にマイケルが演奏者としてクレジットされており、マイケルはバッキングはもちろん、コーラスも曲には入っていないので、そのレコーディング前にマイケルが録音した音源があるのではないか、と思えるからです。ただひそひそした声でyou're the oneと言っているのがマイケルで、それをコーラス扱いとしている、という可能性もあります。しかし例えあってもマイケルのバージョンはホリデーの歌のガイドのデモだと思われ、ホリデーはそこから自身の素晴らしい歌唱へと発展させて歌って完成させたのは明白です。素敵なメロディを持つとても美しい曲ですが、当時彼が取り組み始めていたアルバム『Bad』用ではないと言われています。「いつか王子様があなたの所にやってくる。そしてあなたに微笑みかけて言うの、君のような人をずっと待っていたんだ、君は運命の人だって」。男性用、女性用、どちらでも歌えます。そしてプリンスという言葉が出てくるので、あのMJのライバルの?とドキッとします。またアコースティック・ギターはアール・クルーですが、キーボードがジョン・バーンズ、シンクラヴィアがCraig Huxleyとマイケルを支えるミュージシャンがおり、『Victory』セッション時期の作品のように思えます。尚ここにはAIによるマイケルのバージョンも収録されていますが、それ程出来は良くありません。確かに本気度が無いのが如何にもガイドのデモという感じはしますが。 ダイアナ・ロスが当時10歳のマイケルを含むジャクソン5を見出したとプロモートしていたモータウン。実際ダイアナはマイケルの才能を早速見抜き、それを伸ばそうとあらゆる尽力を尽く切ります。一方マイケルもそんな愛情たっぷりのダイアナに対して、どんな恩返しをしてもし尽くせない、と大感謝です。ダイアナとマイケルはモータウンが制作した映画『The Wizz』からのクインシー・ジョーンズがプロデュースの「Ease On Down The Road」で共演し、マイケルが曲提供した「Muscles」もあります。そして85年「We Are The World」のプロジェクトでは二人は数多の綺羅星スーパースターと共に(実際二人こそベストなのですが)ボーカルを披露。その前後にマイケルは70年代、ディスコを席巻したビージーズのバリー・ギブと曲を書き、ダイアナに提供しています。それが彼女のアルバム・タイトル曲「Eaten Alive」です(先行シングルで85年9月1日リリースされました)。マイケルが鋭いボーカルでダイアナ・ロスに愛のつぶてをぶつけています。今回その全リミックス、更に複数のミックスを巧妙にブレンドしたRaw Mix、そしてマイケルのボーカルのみのバージョンが存在するそうですが、それとは異なるAIによってのマイケル・バージョンを再現。しかしこれがとても超良い出来で、本当にマイケルのみのバージョンがリークしたと思わせるものです。ジャクソンズの「State Of Shock」とは異なりプロモーション・ビデオもあり大ヒット間違いなしだったはずですが、ポップで77位、R&Bでも10位とがっかり。マイケル好みのホラー、「生きたまま食べられる」、というおどろおどろしいタイトル、ただもしマイケルがビデオに出演していたらヒットしていたかもしれませんね。やはりホラー風味なのにマイケルが出演せず結果あまりヒットしなかったジャクソンズの「Torture」を思わせます。 またアルバム『Eaten Alive』に、「偉大なあなたとまた共演出来て嬉しいです。愛してます」と直筆のメッセージを寄せたマイケル。 しかし85年にダイアナ・ロスはノルウェーの船舶王アルネ・ネスと電撃再婚します(マイケルにはもう結婚はしないと言っていたそうです)。前述したように「Dirty Diana」は85年秋に録音。マイケルがダイアナ・ロスやダイアナ妃ではなく、グルーピーのことを歌っている、と述べていますが、果たしてそうなのでしょうか。「すべてを捧げるわ、スターにしてくれるなら」という歌詞。お金持ちにしてくれる富豪との結婚、妻子もいるベリー・ゴーディの愛人だったダイアナ・ロス。彼女のダーティーな側面を歌っているとどうしても勘ぐりたくなります。84年の最初のデモは純粋に「Billie Jean」の歌詞の続編のようなものだった、でもダイアナの青天の霹靂再婚で裏切られた感を持ったマイケルが歌詞を変更したということではないのかと。 「Loving You」は、85年7月にサンフェルナンドのレッドウィングスタジオで、初期の『BAD』セッション中に録音されました。マイケルが作曲、プロデュースで、ボーカルは完成していたにもかかわらず、お蔵入りとなりました。マイケル死後2枚目となる最後のアルバム『Xscape』の3曲目に大胆に手を加えて収録されています。 「良い曲だったが、BADアルバムに真剣に考慮されることはなかったんだ。録音されてお蔵入りした多くの曲のうちの1つだよ。」マット・フォーガー。 今回は『Xscape』とは歌詞が異なるオリジナル・バージョン、そして80年代にリリースしていたらというコンセプトのファンメイドのリミックスを収録しました。 「Another Part Of Me」は、84年『Victory』セッションの際に録音、兄弟達は収録を強く願ったそうですが、まだ完成となっていなかったのか、お蔵入りとなりました。しかし85年7月にマイケルがSF短編映画『キャプテンEO』の制作を開始した際に「Another Part Of Me」を使用することを決めました。ジョン・バーンズがキーボードを担当していますが作曲はマイケル・ジャクソン単独です。その映画でのバージョンは後に『Bad』に収録されるものと異なります。今回はその映画で使われた音源等から作られた素晴らしい再構築デモ、そして映画の音源を巧妙にDJリミックスしたもの、2種を収録しています。 そして映画『キャプテンEO』に使われたもう一つの曲「We Are Here To Change The World」。こちらはジョン・バーンズとの共作、マイケル・ジャクソンがプロデュース。85年に録音されて完成させています。まずデモのスニペット、そしてデモの長いバージョン、更にセミナーで隠し撮りされたフルレングス・バージョンの3つ。これらは全てリークした本物の音源です。そしてスタジオ・バージョン、そのインスト。最後に映画の音源を使ってファンが作ったロング・バージョンを収録しています。 1.Jennifer Holiday - You're The One 4:41 2.You're The One (AI Test Version) 4:41 3.Diana Ross - Eaten Alive 3:55 4.Diana Ross - Eaten Alive (Extended Version) 5:52 5.Diana Ross - Eaten Alive (7" Remix) 3:54 6.Diana Ross - Eaten Alive (Insturmental) 5:52 7.Diana Ross - Eaten Alive (Unreleased 7" Instrumental) 4:03 8.Diana Ross - Eaten Alive (Raw Mix) 9.Eaten Alive (Jike's Mix AI Version) 3:54 10.Dirty Diana (Demo Snippet) 0:11 11.Dirty Diana (Demo Seminar Recording) 0:53 12.Loving You (Original Version) 3:02 13.Loving You (80's Remix) 3:29 14.Another Part Of Me (Captain EO 1986 Version) 2:59 15.Another Part Of Me (Captain EO Remix) 4:16 16.We Are Here To Change The World (Demo Snippet) 0:44 17.We Are Here To Change The World (1985 Demo) 5:02 18.We Are Here To Change The World (Full 1985 Session) 4:56 19.We Are Here To Change The World 2:53 20.We Are Here To Change The World (Instrumental) 2:51 21.We Are Here To Change The World (Long Version) 4:12
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マイケル・ジャクソン / Bad Sessions Definitive Edition Vol.2 (1CDR)
¥990
『Thriller』の大ヒット、ジャクソンズの『Victory』のリリースとそのツアー、一方でマイケルは姉妹のプロジェクトにも参加しています。 まずThe Jacksons World Clubというアメリカ人向けのファンクラブがあり、83年に配られたデラックス・キットがありました。そのパンフレットの表紙にはジャーメインを除くジャクソンズ5人の写真、マイケルはジャッキー、マーロン、ティト、ランディと一緒に「Beat It」ジャケットを着て写されています。裏面は兄弟の別々に映されている写真、マイケルは「Human Nature」のシングルにあった黄色いベストを着ています。そこに入っていた7インチ・アナログに収録の音源が一曲目と2曲目です。それには、ジャクソンズのピアノをバックにした「Surprise Song」、そして兄弟たちの今後のスケジュールを含むパーソナル・メッセージが入っています。僕らはファンを世界で一番愛する、そう歌われている「Surprise Song」、録音は多少の練習だけでちゃっちゃっと簡単に作った感はあるのですが、皆がとても仲がよさそうで、この後ジャーメインが入り、『Victory』が出て、ツアーをし84年末にマイケルは脱退する、そういう流れになります。 「Peter Pan」(別名「I'm Peter Pan」)は、バズ・コーハンとマイケル・ジャクソンがピーターパンのミュージカルのために書いた83年4月に作られた未発表曲です。マイケルは83年のインタビューでこの曲の一部を歌っています。ジョー・ヴォーゲルは、彼の著書『Man in the Music: The Creative Life and Work of Michael Jackson』等で実際にこの曲を「Happy Song」という未発表曲とともに録音したと書いています。ここではマイケルのアカペラとなる「Peter Pan」、そしてそこからAIで作成したバージョンを一部リマスタリングを施し収録。歌詞は「雲の上で踊るれる、とても高く舞い上がれる、今の僕を見て、今の僕を見て、 僕はピーターパン、僕は何でもできる、とても高く舞い上がることだって」となっています。 尚ピーターパン用の曲について、バズ・コーエンが「マイケルは「Make A Wish」というのフルオーケストラによるデモを作成し、そこに歌入れをして、スティーブン・スピルバーグに送りました」と語っています。しかし93年メキシコでマイケルの未発表曲の存在証言の際には「Make A Wish」という曲を覚えていませんでした。 そしてバズは「また、私たちは「Neverland Landing」という曲も書きました。これは完成していて、私が家で弾いたピアノのデモもあります。どこかにあるはずなのですが、探さないとです」。そのデモはリークしてしませんが、09年にマイケルがブラッド・バクサーと再録音しています。今回は時期が異なると判断して未収録としました。 ジャクソンズの『Victory』の録音が行われる中、84年に二人のジャクソン家の姉妹の録音にマイケルは参加しています。その一つは妹ジャネット・ジャクソンの「Don't Stand Another Chance」です。作曲はマーロン・ジャクソンとジョン・バーンズです。マイケルはジャッキー、ジャーメイン、ティトと共にバック・ボーカルを担当。今回はアルバム・バージョン、それよりやや長い7インチ・バージョン、そして12インチのリミックスとダブ・バージョン、計4種を収録。 そしてもう一つはマイケルの姉リビー・ジャクソンの「Centipede」です。セルフ・タイトルのアルバムから84年9月10日にシングル・リリースされています。マイケル・ジャクソンが作曲、そしてザ・ウェザー・ガールズと共にバッキング・ボーカルも担当しています。ここでは12インチ・バージョンやインストを含む現存する全4種収録しました。 そして時は移り、85年1月22日。「We Are The World」レコーディング初日の夜、ライオネル・リッチー、マイケル・ジャクソン、スティービー・ワンダー、クインシー・ジョーンズはケニー・ロジャースのライオン・シェア・スタジオで「We Are the World」のレコーディングを開始しました。厳重な警備が敷かれ、ロサンゼルスのビバリー・ブールバードにあるスタジオは、セレブリティ・ミュージシャンが入ると、セッション・ミュージシャン、技術者、ビデオ・クルー、随行員、アシスタント、オーガナイザーでいっぱいいになりました。バックトラックはドラムにジョン・JR・ロビンソン、ベースにルイス・ジョンソン、ピアノにグレッグ・フィリンゲインズによって録音されました。 リッチーがピアノの前に座り、全員に曲を教えています。次にリッチーとマイケルが「We Are the World」のボーカルガイドを録音(6回目のテイクが採用)、バッキングと合わせ、各出演者用のテープを作りました。その際にクインシーは「There's a chance we're taking, we're taking our own lives」という歌詞が自殺と解釈されると懸念、リッチーは「We're saving our own lives我々が我々の生命を救う」にするのはどうかと提案します。そしてクインシーも、このグループが、自分たち自身を褒めるような言葉は入れたくない、「There's a choice we're making 我々には選択する自由がある」にしよう、となり変更されました。午前1時30分頃、コーラスのレコーディングでその夜を終えました。クインシーは「出来が良すぎるとラジオで誰かが流してしまうかもしれない」と言ったそうです。 85年1月24日ボーカル・ガイドのテープを、レコーディングに参加するすべてのアーティストに発送、テープを共有したりコピーしたりしないようにとクインシーの手紙が同封されていました。更にその手紙には「いつか子どもたちが、ママやパパは世界飢餓との戦いで何をしたの?と尋ねられた際に、誇らしげにあなたのこの貢献を話すことが出来るはず」と書かれていました。 25日の制作会議、クインシーはソロを歌うパフォーマーの割り当てについて心配しており、才能豊かな人材が大勢いるので、その作業は「スイカをコーラの瓶に入れる」ようなものだと言っていました。26日の夜、リッチーは自宅で全体の流れ、誰がどこに立つかを決めました。 85年1月28日、ハリウッドのA&Mレコーディングスタジオ。マイケルは他のメンバーより早い午後8時に到着、自分のボーカル・パートを録音します。今回その時のボーカル入れの模様を収録しました。 レイ・チャールズ、ビリー・ジョエル、ダイアナ・ロス、シンディ・ローパー、ブルース・スプリングスティーン、ティナ・ターナーを含む残りのUSA for Africaアーティスト、更にマイケルの兄弟姉妹であるジャッキー、ラトーヤ、マーロン、ランディ、ティトも加わりました。参加者の多くは、その夜に開催されたアメリカン・ミュージック・アワードの授賞式から直接スタジオへ向かっています。 マイケル・ジャクソンとお互い歌い合うパートの予定があったプリンスは出席しませんでした(しかしシーラ・Eは参加、それでもソロのパートはもらえませんでした)。プリンスは他のアーティストと一緒にレコーディングしたくなかった、とか、主催者のボブ・ゲルドフがプリンスを変態呼ばわりしたため、と新聞では報じられています。セッション中、リッチーはシーラを媒介役にして、プリンスと電話で話し合いをします。尚シーラはプリンスとのアルバム制作前にリッチーのツアーに参加していました。別の部屋でギターソロを弾くのならとプリンスは提案しますが、その申し出をリッチーは断っています。実際後にレイ・チャールズ等がソロパートを録音していますし、プリンスも別録音でギター参加させることも考慮されても良かったとは思います。ただレコーディングには少なくとも参加した、その事実がないといけない、確かにリッチーの気持ちもわかります。結果、プリンスはアルバム『We Are the World』に「4 the Tears in Your Eyes」を提供しています。 スティビー・ワンダーはエディ・マーフィーに参加を依頼しましたが、マーフィーはシングル「Party All the Time」のレコーディングで忙しいと断っています。マーフィーは「そんな凄いことがあっただなんて後でわかって、自分は本当バカだ、と思ったよ」と語っています。アメリカのトップミュージシャン45人以上が参加しましたが、50人は参加を拒否されています。ジョン・デンバーもその一人です。以前ハンガー・プロジェクトの一員として慈善活動に尽力していたのですが、ティッパー・ゴアの表現規制運動に反対していたことが原因のようです。デンバーは94年の自伝『Take Me Home』で「参加できないのは心が痛みました」と述べています。 スタジオのドアには「ドアを開ける前に自分のエゴをチェックしてください」と書かれていました。スティービーは入ってきたミュージシャンたちを迎え、もし録音が1テイクで終わらなければ、自分とレイ・チャールズが皆を家まで車で送るからねと冗談を言っていました。45人のスター達は午後10時30分頃にそれぞれの位置に着き、歌い始めました。数時間後、スティービーは特に意味を持たないマイケルが作った「sha-lum sha-lin-gay」というコーラスの代わりにスワヒリ語の歌詞を入れたいと提案します。朝の3時と時間も押しており、レイ・チャールズもこれ以上は英語だって歌えない、と怒り始め、ウェイロン・ジェニングスもスワヒリ語は嫌だと退場します(その後結局戻ってきます)。実はアフリカ、エチオピア人はスワヒリ語を喋らないということがわかり、「sha-lum sha-lin-gay」もカットされ、アル・ジャロウ提案の「One world, our world」という言葉から「One world, our children」とそのコーラスが変更されました。早朝、スティービーがエチオピア人女性2人を紹介、彼女たちは国を代表して歌手たちに感謝の意を表し、数人のアーティストが涙を流していました。午前8時に一応完成しましたが、前述したように後にレイ・チャールズらが追加でレコーディングをしています。 「Another Part Of Me」は84年に曲のデモが作られていた、という説が有力です。恐らくディズニー・ランドで放映された3D映画『キャプテンEO』に使われていることから、やはり「We Are Here To Change The World」のレコーディングがあった85年に一度「Another Part Of Me」も完成させていたと推測できます。今回は最初期85年作成とされるデモ、そしてファンメイドのデモ風のバージョンの2種類を収録しています。 1.The Jacksons - Surprise Song 2:59 2.The Jacksons Personal Message 4:25 3.Peter Pan (Acapella Snippet) 0:30 4.Peter Pan (AI) 4:45 5.Janet Jackson - Don't Stand Another Chance (Remastered) 4:17 6.Janet Jackson - Don't Stand Another Chance (7" Version) 4:22 7.Janet Jackson - Don't Stand Another Chance (Specially Remixed Version) 6:58 8.Janet Jackson - Don't Stand Another Chance (Dub Version) 6:55 9.Rebbie Jackson - Centipede 4:31 10.Rebbie Jackson - Centipede (Instrumental) 4:26 11.Rebbie Jackson - Centipede (Extended Version) 5:57 12.Rebbie Jackson - Centipede (12" Instrumental) 5:57 13.Michael Jackson Recording for We Are The World 10:11 14.W A T W (Single Version) 6:26 15.Another Part Of Me (1985 Early Demo) 1:26 16.Another Part Of Me (Fanmade Demo) 3:37
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マイケル・ジャクソン / Bad Sessions Definitive Edition Vol.1 (1CDR)
¥990
今回のリリースは、この2タイトルの続編となります。 マイケル・ジャクソン / Thriller Sessions Definitive Edition Vol.5 (1CDR) https://purpletown.buyshop.jp/items/98428095 ジャクソンズ / Alternate Victory (2CDR) https://purpletown.buyshop.jp/items/99213339 『Thriller』以降、ジャクソンズの『Victory』の制作の一方でマイケル自身のプロジェクトも進行させていきます。まず上記のタイトルに収録されていた「Someone In The Dark」。『Thriller』セッション中の82年夏に作られました(Alan Bergman、Marilyn BergmanそしてRod Tempertonの作曲)ETのオーディオ・ブックのプロモからのOpening Version(Single Version, Album Versionも名前が違うだけで同じバージョンです)とClosing Versionの2種類が存在します。しかし今回その2種類を合わせエクステンデッド・バージョンにしたのが1曲目です。そしてインスト・バージョンも収録。尚「Someone In The Dark」はリリースされる予定でしたがお蔵入りとなったベスト盤『Decade』にクレジットされていますが、それはOpening Versionだったようです。 そしてジャーメイン・ジャクソンの「Tell Me I'm Not Dreamin' (Too Good To Be True)」。84年のセルフタイトル・アルバム(日本盤等では『Dynamite』とも呼ばれてます)の3曲目に収録された曲です。マイケル・ジャクソンがジャーメインと共にリードボーカルを務めています。法的な問題によりシングルとして正式にリリース出来ず、「Do What You Do」のB面として、インストゥルメンタルは「Dynamite」のB面としてリリースされました。今回は曲とインストの2種を収録。尚85年のグラミー賞で、デュオまたはグループの最優秀R&Bパフォーマンス賞にノミネートされました。作曲はBruce Sudano, Jay Gruska, Michael Omartianです。 「Buffalo Bill」は、マイケルがジョン・バーンズと初めてコラボレーションした曲です。83年にサウンドキャッスル・スタジオで 『Victory』用に録音されましたが採用されず、『Bad』用に再検討されましたが、最終選考には残りませんでした。ビル・ボットレルは、『Bad』 制作のために着任した際にエンジニアのマット・フォージャーによるベーシック・トラックの作業をしたと語っています。ジョン・バーンズはそれをミッドテンポのダンストラックだったと言及し、ブルース・スウェディエンは「壮大なシンフォニックなオープニングと魅力的なメロディー」があると言っていました。 83年の非公開のインタビューで、マイケルはこのトラックに興奮し、ヒットするだろうと主張しています。 「これはウィル・コーディ(カウボーイ)と彼の死について歌った曲なんだ。凄いエキサイティングさせるよ。こんなこと言うのは好きじゃないんだけど、ヒット間違いなしさ。本当に強い気持ちでそう思うよ」。 「「Buffalo Bill」は素晴らしいのですが、まだ完全には完成していません。私はこの曲が大好きなので、ぜひ完成を手伝いたいと思っています。私がマイケルのために、そしてマイケルと一緒に作曲した最初のフルソングの1つです」。ジョン・バーンズ、16年 「『Dangerous』には「Buffalo Bill」は入っていません。ヘイヴェンハーストのセッションのかなり早い段階で取り組んだものです。もしかしたらもっと早いかも。『Victory』の時かもしれません。ヘイヴェンハーストの初期に「Buffalo Bill」に取り組んだことは覚えています。それはマット・フォージャーのベーシック・トラックでした。エステートは古いトラックシートやテープボックスから情報を得るだけで、実際にそこにいた人々には決して相談しないのです。「Buffalo Bill」は以下の歌詞が含まれています。 Who shot Buffalo Bill? They said he shot a lot Did he ever get killed? 」。ビル・ボットレル、24年 ここに収録の「Buffalo Bill」はこれらの情報をもとにAIによって作られたものです。しかし本物の音源がリークしたのではないか、と思わせる程の完成度です。 「All Right Now」はニューエディションのメンバー、ラルフ・トレスヴァントが90年に発表したセルフタイトルアルバムに収録された曲です。マイケルはジョン・バーンズと一緒にこの曲を書きました。バーンズによると、マイケルは83年、初期の『Victory』セッション中に自分のバージョンを録音したそうです。アルバムには収録されず、後にラルフに渡されました。マイケルのバージョンはラルフのバージョンとほぼ同じだと言われています。そして(やはりマイケル、バーンズによる)「Make Or Break」より前に作られた、ともバーンズは16年に言及しています。ここではラルフのバージョン、そしてこれらの情報からAIによって作られたマイケル・ジャクソンのボーカル・バージョンの2種類を収録しました。 そしてやはり『Victory』用に83年11月にレコーディングされたスティーブ・ポーカロ作の「Dream Away」。彼のセミナーで流されたものを隠し採りした音源のリマスター、そしてそれとは異なる「Human Nature」風のキーボードが入るデモ、そしてそのデモを参照にしているはずのReborn Mixの3種を収録しました。 83年にシングル「Thriller」がリリースされてから1週間後に録音された「Chicago 1945」は、これも『Victory』用でしたが、スティーブ・ポーカロがマイケルが録音したボーカルテイクを使用し、自らの手でトラックを完成させていたのです(86年に生ドラムを入れ、14年にホーンを入れました)。今回はその完成させたオリジナルの音源と、ベース・ラインを変え個々の楽器の分離をより際立たせたFunk Mix、そしてリンドラム風のリズムの80's Mixの3種類を収録しました。 マイケルとBuz Kohanが作った「Scared Of The Moon」は84年にジャクソンズのアルバム「Victory」用に最初に作曲、録音されましたが、採用されませんでした。この曲は85年秋に「Bad」のために再録音されていますが、再びボツになります。マイケルはこの曲の制作を続ける予定にしており、『The Ultimate Collection』に収録されているのにもかかわらず、未完成となってしまった11枚目のスタジオアルバムの候補に挙げられていました。 「We Are The World」はマイケル・ジャクソンとライオネル・リッチーの共作、プロデュースはクインシー・ジョーンズとマイケル・オマーティアンです。85年1月21日から28日にLAのA&Mスタジオでレコーディングされました。 イギリスのバンドエイドの「Do They Know It's Christmas?」に触発されたアメリカのエンターテイナーで活動家のハリー・ベラフォンテが、エンターテイメント系のマネージャーで資金調達者のケン・クレイゲンに連絡を取り、クレイゲンがクライアントであるライオネル・リッチーとケニー・ロジャースをまず起用、そこにスティーヴィー・ワンダーが加わり、映画『カラーパープル』の仕事がありましたがクインシー・ジョーンズを共同プロデューサーに迎えます。クインシーが、ジャクソンズのツアーを終えたばかりのマイケルに電話し仲介、マイケルはリッチーに、曲作りを手伝いたいと伝えます。当初作詞作曲チームにスティービーも含まれていましたが、映画『ウーマン・イン・レッド』のため時間が限られていたため実現しませんでした。マイケルとリッチーは、カリフォルニア州エンシーノにあるジャクソン家のヘイヴェンハーストで「We Are the World」を作曲しました。彼らは歌いやすく、記憶に残り、アンセム的曲を書こうとしていました。1週間、二人は毎晩マイケルの寝室で歌詞とメロディーを模索したのです。ラトーヤ・ジャクソンは、その過程を次のように回想しています。 「彼らが曲を書いている間に、私が部屋に入るととても静かでした。マイケルは普段は仕事をしているときはとても陽気だったので、不思議に思ったの。(出来た曲は)とても感動的だった」。彼女は後に、歌詞のほとんどはマイケルが書いたとも語っています。リッチーは「We Are The World」のメロディーを2曲録音し、マイケルが同じ日にそれに歌詞を付けました。 マイケルは「僕は素早く作業するのが好きなんだ。ライオネルにも知らせずに先に進めていた。待ちきれなかったんだ。その日の夜にはドラム、ピアノ、弦楽器、コーラスの歌詞が完成していたよ」と語っています。 マイケルはリッチーとクインシーにデモを見せましたが、2人ともマイケルがこんなに早く曲の構成を完成させるなんてと驚いたそうです。その後の打ち合わせでは実りがなく、追加のボーカルも生まれず、作業も進みませんでしたが、85年1月21日の夜、リッチーとマイケルはやっと完成させます。 ここに収録されているのはマイケルだけのボーカルという点から二人に聴かせたデモ音源だと思われます。 1.Someone In The Dark (Extended Version) 7:40 2.Someone In The Dark (Instrumental) 4:54 3.Tell Me I'm Not Dreaming (Too Good To Be True) 4:27 4.Tell Me I'm Not Dreaming (Too Good To Be True) (Instrumental) 4:11 5.Buffalo Bill (AI Version) 4:54 6.Alright Now (Ralph Tresvant Version) 4:19 7.Alright Now (Michael Jackson AI Version) 4:18 8.Dream Away (Remaster) 4:51 9.Dream Away (Demo) 4:37 10.Dream Away (Reborn Mix) 4:33 11.Chicago 1945 (Original Version) 5:08 12.Chicago 1945 (Funk Mix) 5:11 13.Chicago 1945 (80's Mix) 4:43 14.Scared Of The Moon 4:41 15.We Are The World (Original Solo Demo) 5:23
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アル・ジャロウ / Live Compilation 1981 1983 (1DVDR+1CDR)
¥1,490
アル・ジャロウの最も成功したアルバム『Breakin' Away』81年、そのモントルー・ジャズ・フェスのサウンドチェック音源をCDR化。そしてDVDRに、やはり81年のノース・シー・ジャズ・フェスのプロショット映像、名曲「Spain」を歌う前のバンドによるイントロが長い!アル自身のボーカルも楽器の一つという価値観で、ポップスではなくジャズ化したライブです。そしてランディ・クロフォードとのライブ、バックは超豪華、ラリー・カールトン、デヴィッド・サンボーン、マーカス・ミラー、ニール・ラーセン...。そして83年の名曲「Easy」のライブ演奏も素晴らしい! Al Jarreau : vocal Tom Canning: piano Peter Robinson: keyboards Ralph Humphrey: percussion Darek Johnson: bass guitar Malando Gassama: percussion CDR Montreux Jazz Festival, July 14, 1981 01 Comments 01:04 02 Easy 00:47 03 Comments 00:31 04 Intro to Raggedy Ann 04:01 05 Raggedy Ann 06:25 06 Comments 01:01 07 Better Than Anything 09:09 08 Drumset Solo w/comments 04:50 09 Keyboards Impro 02:35 10 Impro Cont'd w/AlJarreau 01:26 11 Spain intro (Aranjuez) 01:59 12 Spain 11:43 13 More Comments 01:18 14 Roof Garden (cut) 01:54 Millan June 1, 1983 15 Easy DVDR North Sea Jazz Festival July 11, 1981 Your Song Your Sweet Love Agua De Beber Raggedy Ann Better Than Anything Piano Impro. / Spain intro Spain (I Can Recall) Roof Garden Al Jarreau & Randy Crawford : vocal Larry Carlton : guitar David Sanborn v alto saxophone Marcus Miller v base guitar Ricky Lawson v drums Neil Larsen : keyboards Lenny Castro : percussion Montreux Jazz Festival July 14, 1981 Your Precious Love Who's Right, Who's Wrong Sure Enough Sure Enough Milan June 1, 1983 Easy Pro-shot 89min.
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アル・ジャロウ/Greek Theatre 1981 (2CDR)
¥1,490
17年2月12日に惜しくもこの世を去ったアル・ジャロウ。これほど伸びやかで、これほどソウルフルで、テクニカルで優しい、広い声域の個性的ボーカリストはいないでしょう。AOR、ブラコンの枠では収まり切れない彼の才能、しかしその一方で全盛期と言えるのはこの81年だという人は少なくないです。This Time、Breakin Awayの2枚のアルバム、その時期の上質に録音されたオーディエンス収録のタイトルです。どの曲も素晴らしいですが、一つ選ぶとしたらEasyです。別に一つ選ばなければならないわけではないとしても、この曲のライブ・バージョンが当時のアル・ジャロウのバンドで聴けるのは、感涙の一言。アル・ジャロウの魅力がこの曲に全て内包されている、なんて言ってしまいたくなるほど素敵なのです。他の曲も、その良さは間違いなく聴いてもらえればわかります。全ブラコン・ファン必携です。 August 20, 1981 Greek Theatre, Los Angeles, CA Musicians: Al Jarreau Vocals Tom Canning Keyboards Mike Garson Keyboards Derek Jackson Bass Guitar Ralph Humphrey Drums Malando Gassama Percussion Larry Williams Woodwinds Jerry Hey Trumpet Bill Reichenback Trombone Steve ? Background Vocals Vanetta ? Background Vocals Richard ? Background Vocals Disc-1: 1.01 Your Song 1.02 Loving You 1.03 Fly 1.04 Agua De Beber 1.05 We're In This Love Together 1.06 Band Introductions 1.07 Easy 1.08 Fire and Rain Disc-2: 2.01 Distracted 2.02 We Got By 2.03 Spain 2.04 Roof Garden
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プリンス / Push It Up (1CDR)
¥990
プリンスの曲を大事にしたカッコいいリミックスがノンストップで展開するリミックス・アルバムの登場! 「Slave」と「Emancipation」のプログレッシブなマッシュアップ、が1曲目。ジャム・オブ・ザ・イヤー・ツアーで、ゲストが豪華に参加していたらこんな展開になったのでは、そう喚起させる「Push It Up」、オリジナルのスタジオ・バージョンよりもカッコいい、ヒップ・ホップ・マナーも加味された超ファンキーな「Days Of Wild」、「Wasted Kisses」のシンプルな施し「Kissess」、そこから「U Got The Look」のギター・カッティングへと巧妙に流れます。「Sticky Like Glue」は曲そのものの良さを大事にした最低限の施しですがクール、そこへ「Nasty Girl」のフレーズを軽くまぶした「Sex」のリミックスに。クールさ重視の「Face Down」、「Props 'N' Pounds」、ロングバージョンにした「Loose」、プリンスの名曲をエッセンス使いした「I Wanna Be Your Lover」と題されたメドレー、ラストは「Come On」に「Hide The Bone」のボーカル・フレーズを合わせたリミックスで面白いです。 01) Slave 'Emancipation' 7:07 02) Push It Up 5:43 03) Days Of Wild 10:54 04) Kissess 3:12 05) U Got The Look 5:27 06) Sticky Like Glue 5:07 07) Sex 5:18 08) Face Down 5:06 09) Props 'N' Pounds 3:56 10) Loose 5:49 11) I Wanna B Your Lover "V2" 5:51 12) Come On 'Bone' 5:17
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ザ・タイム / First Avenue 1996 (1CDR)
¥990
オリジナル・メンバーで90年に『Pandemonium』をリリースするも直ぐに解散状態、残ったモーリス・デイ、ジェローム・ベントン、そしてドラムのジェリービーン・ジョンソン、キーボードのモンテ・モアは95年、トーレル・"トーリ"・ラフィン(ギター)、チャンス・ハワード(キーボード)、ロバート・グリセット・ジュニア(キーボード)、リッキー・"フリーズ"・スミス(ベース)を加入させ、モーリス・デイ&ザ・タイム名義で再々結成しました。これが事実上現在までに至るモーリス・デイ率いるバンドの基本となります。そんな彼らの初期のライブとなる、96年2月2日、なんとミネアポリス、ファースト・アヴェニューでのライブを、冒頭の時計の音のイントロで少し音切れがあるものの(演奏自体には関係ありません)、他は素晴らしい超高音質オーディエンス録音で収録。 「The Bird」がライブ中盤でプレイ、この演奏がとても素晴らしく、それで終わるのか、と思わせて全然終わらない展開がプリンスに対する挑戦のように思えてなりません。「Pandemonium」のしっかりとした演奏は、プリンスが作曲に絡んでいないからでしょうか。凄いカッコよく堂々と演奏、「Murph Drag」をモーリスは歌っているのも最高です。MPLSジャムは「Jerk Out」のイントロなのですが凄いファンクネスで、そこからヤバいファンクの「Jerk Out」に雪崩れ込むので、ハゲヤバ中のハゲヤバです。こんなライブ・バージョンを初期にプレイしていたとは、というかミネアポリス効果ですね。最後まさかのアンコール。しかもまだ完成していない形のファンク・ジャムを披露。これこそ初演奏ではないでしょうか。プリンスは絡んではいないでしょうが、モーリス・デイ印のキーボードが浮遊するスリリングなジャムで、これを聴けるだけで大喜び。ジェロームが興奮しているのか吼えてます。 90年代終わりには『Old Dogs, New Tricks』というアルバムも制作されていたそうですが、プリンスとの折り合いが付かず頓挫。モーリスは自身の力でザ・タイム名義で出したかったのでしょうが、その音楽性の片鱗をこの96年のファースト・アヴェニューでのライブに感じられることでしょう。 1.Concert Intro 2.Get It Up 3.777-9311 4.Cool 5.Gigolos Get Loney too 6.Talkin' Shit 7.The Walk 8.The Bird 9.Girl 10.My Drawers 11.Jungle Love 12.Pandemonium 13.Crowd 14.MPLS Jam 15.Jerk Out 16.Crowd 17.Encore Jam First Avenue, Minneapolis, MN, February 1996
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アンジー・ストーン / I Ain't Hearin' U (2CDR)
¥1,490
スタックスからアンジーの5枚目となる09年のアルバム『Unexpected』のツアーから10年2月24日のスウェーデン、Lund公演をサウンドボード級の超高音質オーディエンス録音で完全収録。2時間弱のライブですが、ヒット曲「Wish I Didn't Miss You」、代表曲「No More Rain」等をしっかり網羅しつつ、『Unepected』から清涼感のある「Maybe」、優雅な「Free」、カッティングが心地良い「I Ain't Hearin' U」、新たな名曲「Why Is It」のプレイ、『Stone Love』からレアな「Stay For A While」の披露も嬉しいです。 Live at Kulturmejeriet, Lund, Sweden February 24th 2010 Disc 1 1. intro 2. Play Wit It 3. I Wanna Thank Ya 4. Everyday 5. Easier Said Than Done 6. Pissed Off 7. Makings Of You 8. Green Grass Vapours 9. Bone 2 Pic (wit U) 10. Come Home (With Me) 11. Lovers' Ghetto Disc 2 1. Stay For A While 2. Baby 3. Sometimes 4. Maybe 5. I Ain't Hearin' U 6. Brotha 7. Free 8. No More Rain (In This Cloud) 9. Wish I Did'nt Miss You 10. Why Is It
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アンジー・ストーン / Lovers' Ghetto 2008 (2CDR)
¥1,490
04年のサード・アルバム『Stone Love』の充実ぶり、05年のベスト盤『Stone Hits』で一度自身のキャリアを総括しての06年、体重を落としてスタックス・レコードと契約、リリースした『The Art Of Love & War』のツアーからスウェーデン、マルモ公演を臨場感のある超高音質オーディエンス録音にて収録。この時期のフェス映像がありリリースされています。 アンジー・ストーン / More Than A Man (1BRDR) https://purpletown.buyshop.jp/items/101800019 素晴らしいのですが、時間制限があるのでどうしてもヒット曲中心となります。しかしこのマルモ公演は更に演奏曲が増え、トータル2時間、『The Art Of Love & War』から「Here We Go Again」、「Pop Pop」、『Stone Hits』からシングルの「I Wasn't Kidding」, 『Stone Love』から「Come Home (Live with Me)」、「Cinderella Ballin'」、「Wish I Didn't Miss You」のヒット曲でライブが終わっている感じになるのに、更に「U-Haul」、「Lovers' Ghetto」と アンジーの更なる名曲がプレイされていることで、絶対必携のタイトルとなっています。 Live at Kulturbolaget, Malmo, Sweden April 24th 2008. Disc 1 1. intro 2. Play Wit It 3. I Wanna Thank Ya 4. Life Story 5. Bottles & Cans 6. Everyday 7. Easier Said Than Done 8. Pissed Off 9. Come Home (Live With Me) 10. Cinderella Ballin' 11. Here We Go Again 12. Pop Pop 13. I Wasn't Kidding Disc 2 1. Baby 2. Sometimes 3. More Than A Woman 4. No More Rain (In This Cloud) 5. Brotha 6. Wish I Didn't Miss You 7. U-Haul 8. Lovers' Ghetto
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アンジー・ストーン/Stockholm Jazz Festival July 20, 2002(1CDR)
¥990
アンジーストーン。プリンスの00年のシングルU Make My Sunshineでソウルフルな喉を披露、このディープなバラードの名曲は後のHit N Runツアーでもプリンスのステージで披露されました。プリンスに認められた彼女、その経歴は93年にソロでシングルをリリース、99年のアルバムBlack DiamondのNo More Rainのヒットでネオソウルのディーバとして一躍世に認められる存在となりました。あのディアンジェロのガールフレンドであったこともあってその時のネオソウルシーンを彼と二人で席巻した感がありました。プリンスはこのアンジーストーンを経由してディアンジェロやクエストラブらとも知り合い、特にディアンジェロはUntitledというプリンスのAdoreのような名曲を作り得たのも、アンジーとやはりプリンスのお陰、と言えるのかもしれません。そんなファクターであったアンジーストーンの未発表ライブを高音質サウンドボードで収録。これだけの才能がある人ですからステージも素晴らしい!彼女は元々キーボーディストなのですが、どこかロージー・ゲインズを思わせ、プリンスが気に入る女性ボーカル的です)結構キーボードを弾けるかがネックなのかもしれませんが)。そんな彼女の熟達したプレイもこのライブで聴く事が出来ます。NPG Music Club発足時期のあのネオR&Bタイプのプリンスの楽曲の放出の背景にアンジーストーンの影響あり!このライブでそれを確認してください!! 1.Wish I Didn`t Miss You - 2.Pissed Off - 3.Snowflakes - 4.20 Dollars - 5.Easier Said Than Done - 6.Mad Issues - 7.Sweetest Taboo - 8.The Ingredients Of Love - 9.Brotha - 10.Family Affair - 11.Life Story - 12.No More Rain(In The Croud) - 13.Wish I Didn`t Miss You Live in Stockholm Jazz Festival July 20, 2002
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アンジー・ストーン / More Than A Man (1BRDR)
¥990
ネオソウルの歌姫アンジー・ストーンがより高みへ。NSJの02年、08年二つの語り継いでいくべきプロショット・ライブを1080PのHDクオリティ、ブルーレイRにて収録! 97年アリスタと契約、デビュー・アルバム『Black Diamond』の制作を開始、99年9月にリリースされました。このアルバムにより、アンジーは90年代後半から00年代前半のネオソウルの最前線に躍り出ることになります。R&Bトップ10ヒットの「No More Rain (In This Cloud)」はR&B史に残る名曲です。01年アリスタの代表だったクライヴ・デイヴィスが新レーベルJレコードを立ち上げそこに移籍、01年にリリースしたセカンド・アルバム『Mahogany Soul』。よりアーティスティックになった内容で、ラファエル・サディーク、ワリン・キャンベル、アリ・シャヒード・ムハンマド、チャッキー・トンプソン、スウィズ・ビーツなどが豪華に参加、アンジーのソングライトも素晴らしく、ネオソウルの、そしてアンジー自身の最高傑作の呼び声も高く、ビルボード初登場22位を記録した名盤です。01年のビルボード誌のインタビューで、彼女はその制作過程について次のように語っています。 「私は演奏やレコーディングをしながら、生後2か月の赤ちゃんと向き合っていました。産後の鬱で自分を憐れんでいた。このアルバムは、その辛さとグレービーソースの結晶なの。」アンジーはさらに、『Mahogany Soul』を「より温かみがあり、より心のこもった歌詞、若々しくストリートの感性がある、バランスのとれた大人のアルバム」と語っています。18年のインタビューで、アンジーは『Mahogany Soul』を「音楽的偉業を決定づける作品、基本は私自身の作品だった。他の誰かの助けで薄められたものではないの。歌詞の面で多少の助けは受けたけど、私が書き始め、誰かがそれに加えて、私が仕上げるか、私たちが仕上げるかのどちらかだった。しかし、すべてのコンセプトと主題は、とてもとても傷ついた若い女性、そして同時にとても頑固な女性から生まれたものだったわ」。 ノース・シー・ジャズ・フェスの02年のライブ。まずセカンドのタイトル曲「Mahogany Soul」がイントロダクションの如く荘厳に歌われます。実はアルバムには未収録でツアー用に特別に作られたようです。続いてア・トライブ・コールド・クエストのアリ・シャヒード・ムハマドがサウンド作りを担った「What U Dyin' For」。そしてダンス・クラブ・チャートで堂々一位となった「Wish I Didn't Miss You」はオージェイズの「Back Stabbers」を下地にしたクールな曲で、スウィス・ビーツのビートをライブで披露することでソウルさが加わり、観客も盛り上がっています。カーティス・メイフィールドの「Making Of You」、アルバムでもインタールードで歌われていますが、こちらはそのロング・バージョン的趣で圧巻です。マルチ・タレントのイラン・タビブ(プリンスの「The Greatest Romance Ever Sold」のリミックスでギターによる参加 )が曲作りに参加、クールなギターがやはり心地良い「Pissed Off」、そしてスタジオ曲ではアル・グリーンの「Simple Beautiful」のリフをサンプリングしている「20 Dollars」、そのライブ・バージョンは生音で再現していてかっこいいです。バンド・サウンドになっていてこれはこれでソウルフルで大ありの「Easier Said Than Done」、「あなたは元の場所に戻らないといけない」、そう歌う「Mad Issue」、シャーデーの「Sweetest Taboo」を挟み込む「Everyday」はファースト『Black Diamond』からのナンバーでディアンジェロとの共作です。メンバーをフィーチャーしつつ紹介するアンジー。とても温かい雰囲気に包まれますが、そのままラファエル・サーディクとアンジーの共作「Brotha」の演奏へ。アンジーのラップもそこで流麗に披露されます。ain't no party like Angie Stone party!とプリンスのようなコール・アンド・リスポンスも飛び出しております。「Soul Insurance」のフレーズも入ったライブならではのアレンジが最高。そしてミュージック・ソウルチャイルドとのデュエット曲「The Ingredients Of Love」、そして代表曲「No More Rain (In This Cloud)」を歌いつつまた「Wish I Didn't Miss You」のフレーズと共にバンドがステージを去って終了します。 そして08年のNSJ。超ダンサンブルなパトリース・ラッシェンとの共作「Play Wit It」は4枚目『The Art Of Love & War』収録。そしてエル・デバージもソングライトにクレジットされている「I Wanna Thank Ya」はダンス・クラブ・チャート1位となった3枚目『Stone Love』収録曲。スヌープ・ドギー・ドッグのラップをアンジーが行っています。冒頭2曲、ライブ感のあるアレンジで思わず体が動いてしまいます。「Life Story」の小気味良いカッティングはMichael Seversonによるもの。もっと知られて良いミュージシャンです。『Mahogany Soul』から「Bottles & Cans」のプレイ、02年のNSJではプレイされていませんでした。少し昔の曲をと「Everyday」のプレイ、ここではディアンジェロ的キーボード・ワークが心地良いです。そこへアンジーが「Brown Sugar」のフレーズを口ずさむのですから堪りません。そして「Easier Said Than Done」、「Pissed Off」、そしてカーティス・メイフィールドの「Making Of You」のカバーと、いずれも『Mahogany Soul』からの楽曲を堂々とプレイ。そしてニューシングルよ、とアダルトR&B1位の名曲『The Art of Love & War』から「Baby」が登場。カーティス・メイフィールドの「Give Me Your Love (Love Song)」を下地に使ったこの曲、心地良いミディアム・ダンサーのライブ・アレンジが素敵です。そしてそこから繋がって「Sometimes」、『The Art of Love & War』からの曲ですが、「愛したい、嫌いになりたい、引き寄せて、愛しているといって、引き離したい、時々は」とゆる動く愛情をメンバー全員が歌に楽器に披露することで、普遍性を出し、結果長めのプレイとなっています。そしてバンドの音楽監督、Travis Saylesとアンジーの「More Than A Woman」のデュエットへと流れ、「Brotha」は、冒頭の歌詞「彼は王様」から、ここにキングは何人居るの?と男たちを鼓舞するアンジーこそがクイーン。そして携帯電話を観客に掲げさせて「No More Rain (In This Cloud)」の感動的演奏。そしてオージェイズの「裏切り者のテーマ」のバッキングをプレイし、一度止めてからの「Wish I Didn't Miss You」、後半にアンジーらが「裏切り者のテーマ」を実際歌っているのがリスペクト感があり好感です。 Mahogany Soul What U Dyin' For Wish I Didn't Miss You More Than A Woman Makings Of You Pissed Off 20 Dollars Easier Said Than Done Mad Issues Everyday / The Sweetest Taboo Brotha Brotha II / Soul Insurance The Ingredients Of Love No More Rain (In This Cloud) Wish I Didn't Miss You Outro Statenhall, The Hague, The Netherlands, July 12, 2002 Angie Stone - vocals Kemba Francis, Tenita Dreher, Terry Lee Taylor - back vocals Reggie Hines - sax Christopher Morgan - guitar Jamal Peoples - keyboards Kenny Seymour - keyboards Larry Peoples Jr. - drums Larry Peoples Sr. - bass intro Play Wit It I Wanna Thank Ya Life Story Bottles & Cans Everyday Easier Said Than Done Pissed Off Making Of You Baby Sometimes More Than A Woman Brotha No More Rain (In This Cloud) Wish I Didn't Miss You / Back Stabbers Nile, Rotterdam Ahoy, The Netherlands, July 11, 2008 Angie Stone - vocals Travis Sayles - musical director, keyboards Jonathan Richmond - backing vocals, keyboards Sharay Roby, Ashley Washington - backing vocals Michael Severson - guitar Le Shawn Thomas - bass) John Wesley McVicker Jr. - drums Pro-shot 148min.
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アンジー・ストーン / Love Junkie (1BRDR)
¥990
ネオ・ソウル界でナンバー・ワン、ディーヴァ、アンジー・ストーン。プロショット、1080PのHDクオリティーのブルーレイ収録のライブで知る彼女の魅力。もう相当凄い人だとこのタイトル一つで分かってもらえるのではないかと思います。 ヒップホップの先駆的レーベル、シュガーヒル・レコードから79年初の女性グループとして登場したThe Sequence。そのメンバーだったのが当時14才だったアンジー・ストーンです。その後Mantronixへの加入、Vertical Holdではリーダー的存在となり、96年にはDevoxを結成。その頃同時無名だった若きボーカリスト、ディアンジェロと出会い、二人目の子供を授かります。彼のデビュー作『Brown Sugar』にアンジーは大きな影響を与え、その後の00年『Voodoo』において作曲、バックボーカルで参加。そして満を持してソロでファースト・アルバム『Black Diamond』をリリースします。そこから「No More Rain(In This Cloud)」がR&Bチャート10週連続でナンバーワンとなる大ヒットを記録、ネオ・ソウルにおいて最重要の一人と目されることに。尚ディアンジェロとは離婚してしまいます。 アンジーのノース・シー・ジャズ・フェス、その最初の出演、『Black Diamond』リリース後、00年のライブを完全収録。「Starship」という素晴らしい曲ながらアルバム未収録のライブ演奏がオープニング。JBの「Pay Back」の雰囲気を纏ったファンクを軽くブリッジとしてプレイして、ファンキーなカッティングがスリリングな「Visions」へ。そしてロバータ・フラックの「Feel Like Makin' Love」風の「Bone 2 Pic」、またもやギターのカッティングがダンサンブルなグルーブを紡ぎ出す当時の新曲(ボビー・ウォマックのカバーではないようで、今も尚未発表曲ではないかと)「I Can Understnd It」、黒いファンクネスで迫る「Love Junkie」、アル・グリーン「Love And Happiness」をゴスペル・マナーに演奏。映画『Money Talks』で使われ、ディアンジェロと一緒に書いた「Everyday」のプレイは、アンジーがリミックスと唱えてからすわ、シャーデー「The Sweetest Taboo」を混ぜ込んで観客に歌わせるカッコ良すぎのアレンジ。そして「No More Rain (In This Cloud)」の解放感溢れる演奏で大団円か。否ここで終らずなんとザ・シーケンスの「Funk You Up」を超カッコいいジャズファンクなアレンジで披露!この時のメンバーにはキーボードが16歳、ドラム18歳が含まれており若いのに芸達者で超びっくりです。そしてアンジーは80年代既に音楽界に居たこともあって、レディ・ソウルの風格を纏っていて相当の安定感があります。 ギターは居ませんが、後はNSJのメンバーによる2 Meter Sessionsのスタジオ・ライブ映像。名曲然と「No More Rain (In This Cloud)」のソウルフルさに満ちた演奏、繋がってシンプリー・レッドの(正確には彼が以前参加していた82年Frantic Elevatorsの)「Holding Back The Years」のジャジーなアレンジでの披露、間髪入れず「Band Medley」へと雪崩れ込みます。この演奏のベースはギャップ・バンドの「Shake Your Booty」で、そこにファンカデリックの「(Not Just) Knee Deep」等のフレーズを入れ込むファンキーなジャムとなってます。ネオ・ソウル・マナーの「Bone 2 Pic」、アル・グリーンの「Love And Happiness」、スイングしている「Everyday」の心躍らせ感、もっとこの世界に居たいと思わされる形でのフィニッシュが心憎いです。 そしてグルーのジャズマタズ、サード・アルバム『Streetsoul』、そこにアンジーは「Keep Your Worries」で客演していますが、そのライブ演奏です。流麗なピアノはなんとハービー・ハンコック!ヒップ・ホップとジャズの高純度ブレンドに酔い痴れてください。 Starship Pay Back Visions Bone 2 Pic (Wit U) Green Grass Vapors Coulda Been You I Can Understnd It Love Junkie Love And Happiness Life Story Everyday / The Sweetest Taboo No More Rain (In This Cloud) Funk You Up North Sea Jazz Festival The Hague, Netherland, 14th July, 2000 No More Rain (In This Cloud) Holding Back The Years Band Medley Born 2 Pic (Wit U) Love And Happiness Everyday 2 Meter Sessions 2000 Keep Your Worries Guru's Jazz Matazz feat. Herbie Hancock Later Archive 2000 Pro-shot 110min.
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ロイ・エアーズ / Everybody Loves The Sunshine (1BRDR)
¥990
ヴィブラフォン奏者のロイ・エアーズ。ポスト・バップ・ジャズで音楽キャリアを始め、70年代に入ってユビキティを結成。Ubiquity、普遍的なものを普及させることを意味する英語ですが、ジャズとファンク、相性の良い音楽性をいち早く融合させ、ジャズ・ファンクというジャンルをしっかり確立させた功績は計り知れないものがあります。そんなロイ・エアーズのプロショット・ライブ演奏を3つ、1080PのHDクオリティーでトータル3時間、ブルーレイにてNice Lineのお求めやすい価格でリリースします。 まずは11年ノース・シー・ジャズ・フェス。ロバート・グラスパー・エクスペリメントの演奏がまずあって、キャセイ・ベンジャミンの心地良いサックスのフレーズが引っ張る前半、ロバート・グラスパーの流麗なピアノで酔わせるジャズ・インスト「Beautiful Changes」がプレイされます。バンマスのロバートの紹介からの、ロイ・エアーズらが入ってきつつの「Everybody Loves The Sunshine」は、嗄れ声のロイのボーカルとレイ・ガスキンのサックスが哀愁の空間を一気に提供してくれています。そしてヒップホップDJのピート・ロックをクリス・ロックと紹介してしまうロイ、そのピートが女性コーラスとバッキングを任された形で「Don't Stop The Feeling」が披露されます。クリス・デイブのドラムとレイのサックス、ロイのヴィブラフォン、これら適度な生音のブレンドから、気が付くとグラスパーのバンドが入ってきて、徐々にジャム感が増していく様が気持ち良いです。グラスパーのエレピに満足気な顔で見守るロイが居て、ピートのJB声のサンプリングが入り、キャセイがヴォコーダーを駆使する、72年の『He's Coming』収録の「We Live In Brooklyn, Baby」がヒップホップ寄せで演奏されます。唯一無二のロイのヴィブラフォーンの調べが蕩けます。そしてアル・グリーン、ビージーズ、キャメオ、ホール&オーツ、マイケル・ジャクソン等のダンクラ曲を観客に向けて流すピート・ロックのDJセット、そこから「Running Away」が飛び出すと、レイのサックスがまたもや大暴れ、バンド演奏のジャムの様相を呈してライブ終了まで突き進みます。 そして16年のTerminal Music & Arts Festival。これは完全にロイ・エアーズのバンドによるライブです。特にThe B.B. & Qバンドのドラム、バーナード・デイヴィスのタイム感、歌も入れる器用さには圧倒されるはず。73年のアルバム・タイトル曲「Red, Black & Green」のスリリングさ、スピリチャル且つメロウで解脱性ありありの絶対名曲「Everybody Loves The Sunshine」もこのバンドだと神々しいです。75年『Mystic Voyage』収録の「Spirit Of Do Do」、「Life Is Just A Moment」、そしてフィリップ・ウーがキーボードだった78年のアルバム『You Send Me』から「I Wanna Touch You Baby」の優雅さたるや。83年の『Lots Of Love』からの「Black Family」はロイの即興的なボーカル、そしてヴィブラホーンの流れるようなソロが入って最高です。ラストは79年の『No Stranger To Love』のオープニング曲、R&Bチャート32位の最早ダンクラ界の重鎮曲「Don't Stop The Feeling」のジャズ・ファンクとディスコの絶妙なバランス配合グルーブで閉め。クールさに特化した最高のライブです。 そして18年シンプルな編成でのTiny Deskの演奏。ボーカルはロイのみ、しゃがれ声がダイレクトに生々しく伝わってきます。「Black Family」でのビブラフォーンは神懸り的ロイを観ることが出来ます。また多幸感たっぷりの「Everybody Loves The Sunshine」はキーボードのマーク・アダムスがコーラスのサンプリングを入れて毛色を変えています。バンド・メンバーによってロイ・エアーズのサウンドは無限に変化していきます。そしてどれもこれも受け止めてしまうロイの懐の深さ。3時間があッという間に過ぎてしまいます。 Beautiful Changes Everybody Loves The Sunshine Don't Stop The Feeling We Live In Brooklyn, Baby Pete Rock DJ Set Running Away Roy Ayers - vocals, vibraphone Pete Rock, John Pressley - vocals Raeford Gaskins - saxophone Robert Glasper - piano Derrick Hodge - bass Chris Dave - drums Casey Benjamin - saxophone, vocoder Ahoy Hall, Rotterdam, The Netherlands, July 9. 2011 Intro Searchin' Running Away Red, Black & Green Everybody Loves The Sunshine Spirit Of Do Do We Live In Brooklyn, Baby I Wanna Touch You Baby Black Family Life Is Just A Moment Don't Stop The Feeling Roy Ayers - vocals, vibraphone John Pressley - vocal Donald Nicks - base Bernard Davis - drums Everett Freeman Jr - keyboards Letnja Scena Kabare, Sombor, Serbia, Aug 4, 2016 Serching Black Family Everybody Loves The Sunshine Roy Ayers - vocals, vibraphone Mark Adams - keyboards Trevor Allen - bass Christopher De Carmine - drums NPR Music Tiny Desk Concert, March 1, 2018 Pro-shot 182min
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メイヴィス・ステイプルス / Come Go With Me! (1BRDR)
¥990
常に変化し、観客を鼓舞し続ける、メイヴィス・ステイプルスのセットリストが異なるライブ二つを収録したブルーレイが、お求めやすいNice Lineシリーズからリリース! ステイプル・シンガーズ、家長であるローバック・"ポップス"・ステイプルズ(14年12月28日 - 00年12月19日)が、子供たちクレオサ(34年4月11日 - 13年2月21日)、パーヴィス(35年11月18日 - 2021年5月6日)、メイヴィス(39年7月10日生まれ)とともにグループを結成。イヴォンヌ(37年10月23日 - 18年4月10日)は、兄がアメリカ陸軍に徴兵された際に代わり、70年に加入しました。彼らは70年代に「Respect Yourself」、「I'll Take You There」、「If You're Ready (Come Go with Me)」、「Let's Do It Again」をリリースしヒット曲を世に送り出しました。 52年に彼らは最初のプロ契約を結びます。初期のキャリアでは、アコースティックなゴスペル・フォーク・スタイルで、ユナイテッド・レコード、ヴィージェイ・レコード、チェッカー・レコード、リバーサイド・レコード、そして65年にはエピック・レコードと、様々なレーベルでレコーディングを行いました。その中でも「Uncloudy Day」はボブ・ディランの初期に影響を与えた曲で、15年に彼はこの曲について「今まで聴いた中で最もミステリアスな曲だった...学校の机に座っている時でさえ彼らのことを考えていた...メイヴィスの写真(「Uncloudy Day」のジャケより)では彼女は私と同じくらいの年齢に見えた...彼女の歌声には圧倒された...そしてメイヴィスは素晴らしい歌手で、奥深くミステリアスだった。そして若い頃から、人生そのものがミステリーだと感じていた」と語っています。 エピックでは、ビリー・シェリルがプロデュースした教会でのライブ・アルバム『Freedome Highway』を含む一連のアルバムをリリース、そのアルバムのタイトル・トラックは、ポップスが書いた公民権運動の抗議歌でした。ステイプル・シンガーズは、エピックで「Why (Am I Treated So Bad)」や「For What It's Worth」(スティーヴン・スティルス作) など、メイン・ストリームの聴衆に受け入れられやすい音楽スタイルを確立しました。68年にスタックス・レコードと契約し、スティーヴ・クロッパーと2枚のアルバム『Soul Folk in Action』と『We'll Get Over』をリリース。クロッパーがスタックスを去ると、今度はアル・ベルがプロデュースし、有名なマッスル・ショールズ・サウンド・スタジオでリズムセッションを指揮し、メンフィスのアーデント・スタジオでエンジニア/ミュージシャンのテリー・マニングと、ファンク/ソウル傾向を強めていきます。 最初のスタックス・ヒットは71年初頭の「Heavy Makes You Happy (Sha-Na-Boom-Boom)」で、1971年後半にルーサー・イングラムとマック・ライス作曲の「Respect Yourself」は、ビルボードR&Bチャートで2位、ビルボード・ホット100で12位となります(後にスパイク・リーの94年の映画『Crooklyn』のサウンドトラックで使用されます)。この曲のテーマである自己啓発は、60年代の激しいアメリカ公民権運動の直後にリリースされたため、普遍的な魅力を持っていました。72年、「I'll Take You There」はビルボードの両チャートでトップの大ヒット73年、「If You're Ready (Come Go With Me)」はホット100で9位、R&Bチャートで1位となっています。75年のスタックス倒産後は、カーティス・メイフィールドのレーベル、カートム・レコードと契約し、カーティスがプロデュースした「Let's Do It Again」をリリース、ステイプル・シンガーズの2番目のナンバーワン・ポップ・ヒットとなり、アルバムもヒットしました。76年、彼らはザ・バンドの映画『ラスト・ワルツ』でコラボレーションし、「The Weight」を演奏しています(この曲をスタックスのファースト・アルバムでカバーしていました)。84年のアルバム『Turning Point 』ではトーキング・ヘッズの「Slippery People」のカバーが収録され、ダンス・チャートのトップ5にランクインしています。 メイヴィス・ステイプルスは、エピック・レコードでステイプル・シンガーズで活動していた60年代後半にソロ名義での初めてのシングル「Crying in the Chapel」、69年にはスタックスからセルフタイトルのアルバム、70年にセカンド『Only for the Lonely』をリリースしています。カーティス・メイフィールドのカートム・レーベルからの映画『A Piece of the Action』のサントラへの参加、79年にサード・アルバム『Oh What a Feeling 』をリリース後、メイヴィスのソロ名義のアルバムは89年のプリンスがプロデュースの『Time Waits For No One』までありませんでした。そして93年に再度プリンス・プロデュースで『The Voice』をリリースしています。 96年のラッキー・ピーターソンとの『Spirituals & Gospel: Dedicated to Mahalia Jackson』がありますが、メイヴィスは、04年にジム・トゥリオのプロデュース『Have a Little Faith』をシカゴのアリゲーター・レコードから出して、復活を遂げます。このアルバムには、一部セミアコースティックを含むスピリチュアルな音楽が収録されています。ブルース・ミュージック・アワーズでアルバム・オブ・ザ・イヤー他4つの賞を獲得しました。そして友人のボブ・ディランの『Gotta Serve Somebody: The Gospel Songs of Bob Dylan』収録の「Gonna Change My Way of Thinking」でデュエット、04年のグラミー賞の「最優秀ポップ・コラボレーション・ウィズ・ヴォーカル」部門にノミネートされました。05年には生涯功労賞を受賞。07年アンチ・レコードよりライ・クーダーがプロデュースの『We'll Never Turn Back』は公民権運動のゴスペルソングに焦点を合わせており、クーダーによる新しいオリジナル曲2曲も収録されています。 そして10年、8枚目となるウィルコのリーダー、ジェフ・トゥイーディのプロデュースで『You Are Not Alone』がグラミーのベスト・アメリカーナ・アルバムを受賞します。そしてやはりジェフのプロデュースの13年の『One True Vine』でもノミーネート。16年『Livin' on a High Note』、17年『If All I Was Was Black』、19年『We Get By』、22年にリヴォン・ヘルムとの『Carry Me Home』と順調にスタジオ・アルバムをリリースして現在に至ります。 このようにメイヴィス・ステイプルスにはステイプル・シンガーズでの多くのヒット曲に加え、そしてソロ名義、特に04年以降の充実した一連のアルバムからの楽曲があり、多くのライブ演奏のためのレパートリーが存在するのです。 そんな彼女の素晴らしいプロショット・ライブを二つ、1080PのHDハイクオリティーでブルーレイに収録しています。 まずメイヴィスの誕生日に行われた14年7月11日のNorth Sea Jazz Festivalでのライブ。前年にアルバム『One True Vine』をリリースしています。オープニングはステイプル・シンガーズのHot100で9位、ソウル・チャートではナンバーワンのヒット「If You're Ready (Come Go with Me)」。そしてバッファロー・スプリングフィールドの「For What It's Worth」、トーキング・ヘッズの「Slippery People」、ファンカデリックの「Can You Get To That」といったカバー、「自分に誇りを持てなかったら、悪巧みさえ出来ねえぞ」、そう鼓舞する問答無用の名曲「Respect Yourself」もプレイ。そして名盤『You Are Not Alone』のタイトル曲、そしてそのアルバムに収録の「Creep Along Moses」、「We're Gonna Make It」。メイヴィスのお父さんポップス・ステイプルス名義の「Freedom Highway」、カーティス・メイフィールド作の「Let's Do It Again」、そしてプリンスもカバーするステイプル・シンガーズの大ヒット「I'll Take You There」の貫禄のライブでクローズします。 そして地元シカゴでの23年2月4日のライブ。バックにメイヴィスの妹イヴォンヌはおりませんが、25年の来日時と同じラインナップでのプレイです。こちらは「For What It's Worth」がオープニング曲、そしてシングル「I'll Take You There」のB面曲「I'm Just Another Soldier」が歌われています。このライブでは「I'll Take You There」こそ入っていませんが、それが収録された名盤『Be Altitude: Respect Yourself』から「Respect Yourself」、そして「Are You Sure」も演奏しており、嬉しい選曲と言えるでしょう。19年の『We Get By』からバンド・リーダーでギターのリック・ホームストロムのカッティングがファンキーな 「Brothers and Sisters」、そして「まずこの土地から変えよう」という内容のベン・ハーパーが作詞した「Change」を披露。ザ・ステイプルス名義の78年の『Unlock Your Mind』収録の快活な「Hand Writing on the Wall」、スタックス最後のアルバムのタイトル曲「City In The Sky」、『One True Vine』から「Far Celestial Shore」、更に71年の『Staple Swingers』から「Heavy Makes You Happy」も素晴らしい演奏です。ボビー・ブルームが70年にリリースし、後にグラディス・ナイト&ザ・ピップスもカバーした名曲です。17年のアルバム『If All I Was Was Black』から「Who Told You That」、「涙を流す暇などない、やるべきことがあるんだ」と聴き手を煽る「No Time For Crying」を最後にプレイ。 メイヴィスには19年にリリースされたライブ・アルバム『Live In London』がありますが、それとはまたセットリストが異なり、常に何が演奏されるかわからない、そしてそれぞれのライブで観客はあらゆる角度から鼓舞され、感動を得ることが出来るのです。 If You're Ready (Come Go with Me) For What It's Worth Slippery People Can You Get To That Respect Yourself You're Not Alone Creep Along Moses Everything Is Everything Freedom Highway We're Gonna Make It Jam Jam 2 Let's Do It Again I'll Take You There Ahoy Hall, Rotterdam, The Netherlands, July 11, 2014 For What It's Worth I'm Just Another Soldier Brothers And Sisters Hand Writing on the Wall Who Told You That Can You Get To That City in the Sky Respect Yourself Change Slippery People Are You Sure Far Celestial Shore Heavy Makes You Happy Let's Do It Again No Time For Crying Symphony Center, Chicago, IL, USA, Feb 4, 2023 Pro-Shot 151min.
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ダニー・ハサウェイ / Live Compilation (2CDR+1BRDR)
¥1,990
圧倒的に音源、映像が少ないダニー・ハザウェイの73年までのライブをまとめた画期的なコンピレーションのリリースです! ワシントンDCの名門、ハワード大学でクラッシックを学び、オーケストレーションのアレンジもできる才を得て、主席卒業後はソングライト、ミュージシャンとしてカーティス・メイフィールドらの下でキャリアを積み、69年Atcoより「The Ghetto - pt.1」のシングル、続いて70年25歳の時にアトランティックより『Everything Is Everything(新しきソウルの光と道)』をリリース、ソロ・デビューを果たしたダニー・ハサウェイ。『Donny Hathaway(ダニー・ハサウェイ)』(71年)、『Live!(ライヴ)』(72年)、『Extention Of A Man(愛と自由を求めて)』(73年)、そしてロバータ・フラックとのデュエット・アルバム(72年)やクインシー・ジョーンズ監修の映画『Come Back Charleston Blue』(ハーレム愚連隊)(72年)のサントラをリリースしています。セッション・プレイヤーとしても活躍、アレサ・フランクリンの『Young Gifted And Black』(72年)でオルガン、エレクトリック・ピアノを担当。73年に妄想型統合失調症と診断されて以降入退院を繰り返し、音楽活動はその後停滞していくこととなります。 ダニー・ハサウェイは71年録音、72年にリリースしたライブ・アルバム『Live』の最高の出来から、クラブでのライブ・パフォーマンスに大変定評があります。プリンスもその観客との緊密した一体感をアフターショウで具現化すべく、お手本としていたに違いありません。しかしその一方でダニーとそのバンドは大勢の観客を前にプレイするジャス・フェスティバルの参加がありました。73年にニューヨークで開催されたニューポート・ジャズ・フェスティバル、そこでの演奏はダニーのライブの頂点と言えるものとなっていました。今回はその辺りの音源を網羅、検証して収録していきます。 73年のニューポート・ジャズ・フェスティバルは6月30日のニューヨークのカーネギー・ホール (午後6時と午後10時の2回)の公演、7月8日のユニオンデール、ナッソー・コロシアムのグランドフィナーレ、トータル3回行われているとされています。今回、カーネギー・ホールのthe afternoon show/6 P.M.のライブ完全版を最高のサウンドボード録音で、そしてナッソー・スタジアムの完全版が上質サウンドボード録音で共に発掘され、今回のタイトルの目玉として収録しています(両音源、曲間のノイズを除去したリマスタリングを施しました)。 まずカーネギー・ホールの公演ですが、ダニーの死後発売された『In Performance』にニューポート・ジャズ・フェスティバル出演のために特別に書いた新曲「Nu-Po」、また『These Songs For You, Live!』に「Flying Easy」、「Valdez In The Country」、「Someday We'll All Be Free」、更にボックス・セット『Someday We'll All Be Free』では「Love, Love, Love」、そして『In Performance』とは異なるバージョンの「Nu-Po」の演奏が収録されています。今回のファースト・ショウの音源の発掘で、これらがどのライブに相当するのかを検証、区分けして収録しました。 まず『These Songs For You, Live!』の3曲は最初のアフタヌーン・ショウと演奏が一致しました。ミキシングもあまり変わりません。しかし「Introduction」が欠けた形の「Flying Easy」、「Valdez In The Country」の演奏後に最新アルバム『Extension Of A Man』に関するMCがカットされ、そして「Someday We'll All Be Free」の演奏後行われたバンドのメンバー紹介がカットされていました。そして『In Performance』の「Nu-Po」はアフタヌーン・ショウの方ですが歓声が被さっていて、ライブ・リミックスとなっています。 そしてボックス・セット『Someday We'll All Be Free』からの『In Performance』とは冒頭のMCが異なり、演奏もかなり違う別演奏である「Nu-Po」、こちらの方がとても高揚感があって出来が良いです。そしてMCが違う『Someday We'll All Be Free』の「Love, Love, Love」は、アフタヌーン・ショウと演奏が異なっているため、結果この2曲はイブニング・ショウとなります。しかしイブニング・ショウのセットリストは一体どのようなものだったのかは不明のままとなりました。 しかし1曲目はイブニング・ショウも軽快なライト・ジャズ・ファンク「Flying Easy」だったのではないでしょうか。それだけこのインスト演奏のグルービーさは観客を十二分に惹き付ける魅力溢れるプレイになっていると思います。そしてファンクネスを更にググっと上げた「Valdezn In The Coutry」のインストもギル・シルヴァのカッティングが軽快です。『Extension Of A Man』ではコーネル・デュプリーが弾いていますが、比較するのが一興とは言えるものの、ここでしか聴けないバンド・メンバーの演奏の妙を堪能出来ることこそ嬉しいです。ここまでダニー名義のラスト・アルバムにして最高傑作とされる『Extension Of A Man』からのプレイが続きますが、そのアルバムの中でもベストとされる曲のライブ演奏が登場します。 妄想性統合失調症と診断されていたダニーに、友人のエドワード・ハワードが彼を励ますために作詞した「Someday We'll All Be Free」。エドワードは次のように語っています。 「当時、私の頭の中にあったのはダニーのことでした。彼は非常に問題を抱えた人だったからです。いつか彼が経験していたすべてのことから解放されることを願っていました。彼の励みになるようなものを書く以外に私にできることは何もありませんでした。」 「上を向いて、最高の歌を歌い続けるんだ。だから絶対信じて、いつか皆全てが自由になれるって」。作曲はダニー自身です。 ハワードの歌詞はダニーの精神的健康の苦悩に関する個人的なメッセージでしたが、人種間の争いに苦しむアフリカ系アメリカ人の苦境を励ます賛歌と解釈され、その大きな役割を担う曲となりました。ダニー自身も特に気に入っていて、レイラ・ハサウェイは次のように述べています。 「ダニーはこの曲が大好きでした。スタジオに座り、最終ミックスの再生を聴いて泣いたほどです。アーティストが誰かを圧倒するようなものを作れるというのは、とても特別なことなのです」。 この曲はチャート入りしませんでしたが、シングルのB面「Love, Love Love」がビルボードホット100で44位、R&Bチャートで16位を記録しました。 ライブ・バージョンしか存在しないことになる「Nu-Po」の素晴らしいジャズ・インストが、3バージョン全て収録されていることで、色々比較出来ることも今回のタイトルの魅力の一つとなるでしょう。そして『Extension Of A Man』からの曲で人気の高いポップな「Love, Love, Love」の至福感、これも2バージョンあり、両方楽しむことが出来ます。アルバムではウィリー・ウィークスですが、ベイシー・サンダースのベースがとても上品です。そしてダニーの代表曲であり、ライブでこそその魅力を全開させる「The Ghetto」。ダニーが前に出て引っ張るというのではなく、バンドに溶け込んで一体感を持ったまま心地良く突き進む、JBズ辺りとは異なる、プリンスが意識していそうな超ハイレベルなジャム感がこの演奏にはあります。『Live』よりもプロフェッショナルじゃないか?そんな感想だって聞こえてきそうです。 そしてボーナスに72年のアストロ・ドーム・ジャズ・フェスからマービン・ゲイのカバー「What's Goin' On」のオーディエンス録音です。貴重且つ当時としては最上級の音質で、メンバーは不明ですが、ギターのマイク・ハワードは少なくともいる71年演奏の『Live』の面子という気がします。しかしギターがやや異なるフレージングを含んでいて、リード・ギターがいて、それがフィル・アップチャーチではなくコーネル・デュプリーかもしれません。この辺りは詳細に聴いて色々研究したい所です。 Disc 2のメインは、73年7月8日のニューポート・ジャズ・フェスティバルのサウンドボード音源です。6月30日とは異なるセットリストとなっています。 ニューヨークで開催された第2回ニューポート・ジャズ・フェスティバルの最終日の夜、ジョージ・ウェインはロング・アイランドのナッソー・コロシアムという大きな会場で開催すると発表しました。ヘッドライナーとしてデューク・エリントン、レイ・チャールズ、アレサ・フランクリンらが演奏しましたが、その中にダニー・ハザウェイもいました。非常に才能のある歌手、ソングライター、ミュージシャンであるダニーは、編曲家、作曲家、指揮者、プロデューサー、革新者としても同等に優れた才能を発揮していました。70年代にロバータ・フラックと組んでヒット曲を数多く発表したスムース・ソウル・シンガーとして最もよく知られていますが、ダニー自身のレコーディングは更に野心的なもので、彼のアルバムはリズムの複雑さ、ハーモニーの洗練さ、そしてスティーヴィー・ワンダーやレイ・チャールズのような豊かな質感のイントネーションと音色の変化を伴う独特の神聖なボーカル・スタイルでその天才性を示しています。オペラに近いトーンコントロールが可能で、比類のない優雅でソウルフルな喉を持つダニーは、音楽、歌詞、ボーカルの高みに達しており、彼に匹敵するものは当時殆どいなかった、そんな逸材でした。 73年のニューポート・ジャズ・フェスティバルの最終日のダニーのセットは、この多才なアーティストの絶頂期を確実に捉えています。多くの人が70年代初頭の最も素晴らしいライブ・クラブ・パフォーマンスだと絶賛する72年の『Live』、そこからの豊富な素材を演奏しており、ダニーは多くの聴衆と繋がることに成功しています。教会のリバイバルの熱狂に限りなく近い感情的な体験をこの音源で生み出しているのです。前年に行われている『Live』同様に、オリジナル曲と厳選されたカバー曲がミックスされたセットで、ダニーの野心的な当時のニュー・アルバム「Extensions Of A Man」からの2曲も含まれており、すべてが彼のホットな新しいバンドの強力なソウル、ファンク、ジャズの才能を提示してくれています。 セットは『Live』と同じく(しかしバンド・メンバーは一新された)、ダニーによるマーヴィン・ゲイの「What's Goin' On」の新解釈カバー演奏で始まります。マーヴィン自身のバージョンはソウル・ミュージックの境界を再定義していますが、クラシック、ジャズ、ゴスペル音楽の素養があるダニーのバック・グラウンドが適用されたことにより、それらの境界さえも失われ、素晴らしい感動を生み出しています。そしてキャロル・キングのバラード「You've Got a Friend」。ロバータ・フラックとのデュエット曲としてカバー、シングル・カットされています。今では数え切れないほどのアーティストによって歌われていますが、このダニーのパフォーマンスは間違いなくベストの1つに含めることが出来るでしょう。次の曲「Little Ghetto」は、同世代への愛情を理解出来る者だけが発する情熱と切迫感と共に、激しく歌われています。このアメリカの黒人青年による心に残る、しかし前向きな嘆願は、歌を通して表現された悲しみと希望の最も率直な迸りとして聴き手を魅了します。ここまでの3曲は『Live』で披露されている曲で、6月30日には恐らくプレイされていないと思われます。 ダニーの当時のニュー・アルバム『Extensions Of A Man』から2曲がプレイされ、気分を高揚させてくれます。「Valdez In The Country」は、ダニーのエレクトリックピアノの演奏が光るさわやかなジャズ・インストゥルメンタルで、その後にメロディアスな「Love, Love, Love」へと流れます。前者は、ギタリストのジェリー・ガルシアやジョージ・ベンソンなど、何十人ものアーティストがカバーしているので馴染みがあるかもしれません。この曲はキング・カーティスが69年のシングル「Body Cake」のB面に初めて録音させました(この曲では若きダニーがキーボードを演奏しています)。後者の曲は、マービンのアルバム 『What's Going On』の影響を受けていることは確実で、同様に刺激的です。またオーボエのようなビブラートとゴスペルに影響を受けたボーカルのフレージングの好例でもあり、ダニーの才を際立たせています。 ライブは、ダニーのR&Bヒット曲「The Ghetto」の長いジャムで終わります。インプレッションズのリロイ・ハトソンとのコラボレーションで作曲されたこの脈動するポリリズムのワークアウトでは、ダニーのバンドがソウル/ファンクのグルーヴを奏で、ダニー自身は楽器とボーカルの両方で即興演奏しています。彼のトレードマークであるスピリチュアルさと、サンダースによる超推進力のあるベース・ラインに支えられたこの最後の演奏で、大勢の観客を完全に魅了し、次のアレサ・フランクリンのライブが準備万端となるわけです。 尚アナログしかリリースされていない『Recorded Live At Newport In New York』からこの時の73年7月8日「Valdez In The Country」のパフォもこのタイトルに収録しています。ミックスが異なりよりダニーのエレピが前に出ており流石オフィシャル、といえる音質です。 そして今回僅か26分しか存在しない、ダニー・ハザウェイのパフォーマンス映像、それらをブルーレイに収録していますが、そこからリッピングしたライブ音源を収録。 そして『Live』のニューヨーク、ビター・エンドでのライブ、その生の歓声が被さっていない音源は『Never My Love : The Anthology』に収録されていますが、限定リリースのアナログ盤はフィル・アップチャーチ(ギター)とリチャード・エヴァンス(ベース)作のインスト「The Voice Inside (Everything Is Everything)」が21分24秒のバージョンとなっており(尚『Live』では13分40秒、『Never My Love : The Anthology』は16分3秒です)、それを収録しています。マイク・ハワード、そしてコーネル・デュプリーのギター・ソロ、そしてウィリー・ウィークスのベース・ソロ(この4分だけ急に歓声が入り『Live』のトルバドール公演からの音源を使っている可能性があります。よってビター・エンドはベース・ソロが行われていなかったか、もしくは行われていても演奏が良くなかったということになります)が入っています。尚プリンスも実は「The Voice Inside (Everything Is Everything)」のカバー演奏をしており、その音源は以下のタイトルで聴くことが出来ます。 プリンス / The Voice Inside (1CDR) https://purpletown.buyshop.jp/items/40277251 そしてダニー・ハザウェイの現存するライブ映像を1080Pにアップグレードして網羅したブルーレイが付きます。全て合わせてもわずか26分、しかしどれも素晴らしいものです。 まずロバータ・フラックとの『Double Exposure』、そこからダニーが演奏しているものを収録しています。その全貌はDVDRですが、以下に収録されています。 ロバータ・フラック / Video Collection (1DVDR) https://purpletown.buyshop.jp/items/100592919 尚ロバータ・フラックとダニー・ハザウェイのサウンドボードライブが存在し、以下のタイトルに収録されています。 ロバータ・フラックとダニー・ハザウェイ / Live 1971 - 1972 (1CDR) https://purpletown.buyshop.jp/items/100472016 そして唯一となるテレビ放送出演のパフォ、72年Flip Wilson Showから、「Put Your Hand In The Hand サインはピース」のゴスペル、そして中間部分の映像がなく不完全ですが「Someday We'll All Be Free」はダニーがトレードマークの帽子を被っていません。そして圧巻の72年のVibrationsの「The Ghetto」の演奏。真ん中にロゴが入っていますが十二分に楽しめる映像です。ここで確認できるメンバーは、ギターはマイク・ハワード、そしてベースがウィリー・ウィークス、ドラムはフレッド・ホワイト、コンガがアール・ディロウィンで、ほぼ『Live』の面子となり、72年はこのメンバーがメインだったと言えるでしょう。またオルガンはもちろん、カウベルもダニーが叩いているのが確認できます。 CDR 1 1.Introduction 0:22 2.Flying Easy 3:01 3.Valdez In The Country 4:22 4.Someday We'll All Be Free 6:40 5.Nu-Po / Band Indroducing 7:56 6.Love Love Love 4:23 7.The Ghetto 8:02 8.Flying Easy (These Songs For You, Live! Version) 3:11 9.Valdez In The Country (These Songs For You, Live! Version) 4:08 10.Someday We'll All Be Free (These Songs For You, Live! Version) 5:30 11.Nu-Po (In Performance Version) 7:09 Newport Jazz Festival the afternoon show / 6 P.M., Carnegie Hall, New York, NY, June 30th 1973 12.Nu-Po (Someday We'll All Be Free Version) 7:19 13.Love, Love, Love (Someday We'll All Be Free Version) 4:13 Newport Jazz Festival the evening show / 10 P.M., Carnegie Hall, New York, NY, June 30th 1973 Donny Hathaway - vocals, piano, electric piano Gil Silva - guitar Bassie Saunders - bass John Sussewell - drums Chuggy Carter - congas 14.What's Goin On Astrodome Jazz Festival, the Astrodome, Houston, TX, July 8th 1972 CDR 2 1.What's Going On 6:16 2.You've Got A Friend 4:00 3.Little Ghetto Boy 5:55 4.Valdez In The Country 4:02 5.Love, Love, Love 4:22 6.The Ghetto 11:00 7.Valdez In The Country (Recorded Live At Newport In New York Version) 4:03 Newport Jazz Festival, Nassau Coliseum, Uniondale, New York, July 8th 1973 Donny Hathaway - vocals, piano, electric piano Gil Silva - guitar Bassie Saunders - bass John Sussewell - drums Chuggy Carter - congas 8.Put Your Hand In The Hand (Flip Wilson Show 1972) 3:31 9.For All We Know (Flip Wilson Show 1972) 1:28 10.The Ghetto (Vibrations, PBS TV Special 1972) 9:59 11.The Voice Inside (Everything Is Everything) (Complete Live Version from Live At The Bitter End 1971) 21:24 BRDR Baby I Love You (with Roberta Flack) [Double Exposure, 1972] The Ghetto (Double Exposure 1972) Put Your Hand In The Hand (Flip Wilson Show 1972) For All We Know (Flip Wilson Show 1972) The Ghetto (Vibrations, PBS TV special 1972) Pro-shot 26min.
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ダニー・ハサウェイ/Hampton Jazz Festival 1973 (1CDR)
¥990
R&Bそのものの代表的アーティスト、ダニー・ハサウェイの未発表ライブがサウンドボードで登場。面子はDonny Hathaway - vocals, piano, electric piano、Gil Silva - guitar、Chuggy Carter - congas、Bassie Saunders - bass、John Sussewell - drumsとなる。1曲目がフェード・インで始まるのと、わずか34分という、かの『Live』よりも少ない収録時間に、物足りないと思われることでしょう。しかしダニーの未発表のサウンドボードなんて、時間どうのこうの以前に殆ど存在がないのですから、しかたがないのです。Little Gheto Boyが名作Live以上にリズミカルになっていて、またカッティング・ギターがビート感溢れるThe Ghettoも同様素晴らしい演奏。名曲Someday We'll All Be Freeはどんな時でも圧巻の歌声を魅せてくれますし、Love, Love, Loveのライブ・バージョンも驚異的プレイ。この物足りない時間だからこそ何度もリピートしたくなる名盤と呼べるものになったのかもしれません。 1. Valdez In The Country 2. Someday We'll All Be Free 3. Little Ghetto Boy 4. I Love You More Than You'll Ever Know 5. Love, Love, Love 6. The Ghetto / Outro Hampton Jazz Festival : Live at Hampton Coliseum, Hampton, Virginia, USA, June 16th 1973
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ロバータ・フラック / 1080P Collection (1BRDR)
¥990
才女、ロバータ・フラックの歴史を俯瞰する素晴らしいタイトルの登場!1080Pのクオリティーを集めたブルーレイによるプロショット映像コンピレーションです(映像を小さくすることで画質を上げたものや、一部微小ですが映像の切れがあります。) まずはセカンド・アルバムリリース頃の70年テレビ番組『Boboquivari』から。ベース、ドラム、そしてロバ―タのピアノと歌。シンプルな構成だからこそ際立つソウル。彼女の本質そのものを聴くことが出来る『First Take』と『Chapter Two』からの初期楽曲のライブ演奏と、ポップなビートルズの「Let It Be」を哀愁たっぷりのソウルフルに崩した歌い方に変えてしまうその妙にはガツンとやられてしまう人は確実に多いと思います。 そして71年モントルージャズ・フェスティバルセカンド・アルバム『Chapter Two』収録「Do What You Gotta Do」のレアなパフォ。73年の「Killing Me Softly With His Song」、そしてスリー・ドッグ・ナイトとの最高のハモリ「Where Is The Love」はオリジナルのダニーも嫉妬しそうなくらいの出来です。 アトランティック・レコード40周年、ロバータのパフォのみ収録。「The Closer I Get To You」、「知れば知る程あなたは私に魅せてくれる。全てを与えてくれるのね、だから私はあなたの虜になった」。ほんの少し音切れがありますが、ダニーの代わりという役を定着させていたピーボ・ブライゾンのシルキーな喉と、円熟さが出てきたロバ―タとの息はぴったりです。 ジョン・レノンの「Imagine」をソウルフルに、そしてレゲエにと優雅に展開させる、92年のEarth Voice Concert。そして93年の来日公演。『Oasis』収録の「You Know What It's Like」のバウンシーなアレンジがオープニング。サックスも入りその種のジャジーさが心地良いです。安定の大名曲「Killing Me Softly With His Song」、そしてピーボはいませんが、83年のジェリー・ゴフィンとマイケル・マッサー作のデュエット10傑曲に間違いなく入る「Tonight, I Celebrate My Love」、イギリスで2位となりました。「今夜愛の儀式を行います、友人から恋人への、あなたと結ばれるの」。デニス・コリンズのボーカルは揺ぎ無く、流石アレサからビヨンセ、ドナルド・フェイゲンと一緒に仕事をしているだけあります。結婚式で定番曲、このバブルの時期に披露されておりました。ロバータの音楽を支えたバリ―・マイルスがいることで、ライブに洗練さが纏います。体が思わず動く「Chinatown」は日本独自企画のカバー披露、ファンクさがある「Prelude To A Kiss」から、ナタリー・コールも後にカバーするマイケル・ラフの「More Than You'll Ever Know」の極上ラブソング、ロバータの出世曲「The First Time Ever I Saw Your Face」のソウルフルなアレンジと飽きさせない展開。特に嬉しいのがジャジーでクールなジャムを含む「Tryin' Times」のプレイ。ファースト・アルバム収録のハバード大学出身ダニー・ハザウェイとリロイ・ハトソン(そしてロバータも)の作曲で、ニューソウルのマナーに溢れています。そしてダニーとの名曲「Where Is The Love」はスローなイントロの演出、生感がありありの大変プロフェッショナルな演奏です。そしてやはりダニーとのダンサー曲「Back Together Again」、そしてこれがまだ残っていた、「Feel Like Makin' Love」のスリリングさも含めた珠玉演奏。ガブリエル・グッドマンの高音の美声が素晴らしいです。これでラストと思わせて、77年の『Blue Lights in the Basement』から「I'd Like To Be Baby To You」をダンサーを入れて披露。ほんの少し映像が止まる箇所がありますがフラストレーションを感じさせる程では全然なく、90年代の優しさたっぷりのロバータ・フラックのマストなライブ映像だと言えるでしょう。 94年『The Oprah Winfrey Show』でのロバータのデビュー25周年のパフォ、ダニーのようにキャスケットを被ったロバータが名曲をメドレーで披露します。 98年『Boston Pops』映画『Waiting To Exhale』のサントラ収録の映画『Tootsie』で使われたスティーブン・ビショップのカバー「It Might Be You」、そして「Where Is The Love」のスローからダンサンブルに展開するライブ・バージョンを収録。 インディア・アリーを見守るようにハモるあたたかーいロバータとの「The First Time Ever I Saw Your Face」、73年の「Jesse」のライブ演奏も収録。 Angelitos Negros Save The Country Ballad Of The Sad Young Men Reverend Lee Let It Be Boboquivari PBS, KCET-TV Studio, Los Angeles (1970) Do What You Gotta Do Montreux Jazz Festival (1971) Just Like A Woman Evening At Pops (1972) Killing Me Softly With His Song Classic Concert Cut (1973) Where Is The Love with Three Dog Night (1973) Killing Me Softly With His Song The First Time Ever I Saw Your Face with the Edmonton Symphony Orchestra (1975) Killing Me Softly With His Song The Closer I Get To You Atlantic Records 40Th Anniversary (1988) Imagine Earth Voice Concert (1992) You Know What It's Like Killing Me Softly With His Song Tonight, I Celecrate My Love Chainatown Prelude To A Kiss More Than You'll Ever Know The First Time Ever I Saw Your Face Tryin' Times Back Together Again Feel Like Makin' Love I'd Like To Be Baby To You Japan (1993) Intro Feel Like Makin' Love Killing Me Softly With His Song The First Time Ever I Saw Your Face Interview The Oprah Winfrey Show (1994) It Might Be You Where Is The Love Boston Pops (1998) Intro The First Time Ever I Saw Your Face with India Arie Jesse Japan Pro-Shot 164min.
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ロバータ・フラック / Video Collection (1DVDR)
¥990
才女、ロバータ・フラックの歴史を俯瞰する素晴らしいタイトルの登場! ハワード大学で音楽を学んだロバータ・フラックは、ピアニストのレス・マッキャンによって見出され(自身のアルバム『Much Less』で「Roberta」という曲を収録させている位の入れ込みよう)、アトランティック・レコードより69年にデビュー・アルバム『First Take』をリリースします。。レスは「ロバータの声は、私のあらゆる感情に触れ、揺さぶり、捉え、突き動かす」と語っています。優しく包み込むような歌声に、クラシック音楽の素養、そしてソウル、ジャズ、フォークを融合させた独自の音楽スタイルで、レスのみならずあらゆる人々を魅了し続けたロバータ・フラック。そんな彼女のプロショット映像集です。 まず最初はロゴが真ん中に入りますが超が付く程素晴らしい映像、ジャズ史上空前のヒット、レス・マッキャンのモントルー・ジャズ・フェスでの演奏「Compared To What」。『First Take』に収録されており、ロバ―タのヒット曲「Feel Like Makin' Love」の作者ユージン・マクダニエルスが作った曲です。「どんな大義でそれを正当化しようとしているの?」とロバータが疑問を呈し、戦争を止めさせるべく歌います。 71年クリント・イーストウッドが監督したサイコスリラー映画『恐怖のメロディ』で、彼女の『First Take』収録の「The First Time I Ever Saw Your Face」が採用され、72年のビルボードチャートでナンバーワンとなり風向きが大きく変わります。更に73年には最優秀レコード賞、74年に「Killing Me Softly With His Song」もナンバーワン、そして最優秀レコード賞を2年連続で取る快挙を成し遂げます(他にはU2だけ))。 このように躍進するロバータですが、それらと前後する時期に寵愛するダニー・ハザウェイと大変素晴らしいアルバムを制作、リリースしています。その頃のライブ映像が『Double Exposure』。まずアレサ・フランクリンのカバー、作曲は彼女の夫ロニー・シャノン、チャカ・カーンがプリンスとの共演でカバーしている「Baby I Love You」。『Roberta Flack & Donny Hathaway』に収録されています。そして『ウエストサイド物語』から「Somewhere」。出世曲「The First Time Ever I Saw Your Face」は、ダニー・ハザウェイのバンドをバックにロバータが美しいピアノと共に朗々と歌います「出会って初めてあなたの顔を見たら、朝日のような、お月様や星々で私の世界を飾ってくれたような、そんな気がした、それまでは暗闇だけの何もない世界に生きていたのに」。そしてファンキー過ぎるダニーの「The Ghetto」のジャム。『Live!』での動く彼らの姿が刻印さいれているということになります。ユージン・マクダニエルスのニューソウルの名盤『Outlaw』にも収録されている「Reverend Lee」はロバータのセカンド『Chapter Two』に収録しています。 尚この時期のライブがサウンドボード録音で楽しめる名盤もリリースされております。 ロバータ・フラックとダニー・ハザウェイ / Live 1971 - 1972 (1CDR) https://purpletown.buyshop.jp/items/100472016 72年ジャズ・ベーシスト、スティーヴ・ノボセルと離婚(彼との子供はいなかったようですが、後にボビー・ブラウンやマイルス・デイビス等とのレコーディングを行っているバーナード・ライトを養子に迎えています)。その72年のFlip Wilson Showでは(真ん中にロゴが入ります)ラルフ・マクドナルド作、75年にグローヴァ―・ワシントン・ジュニアに提供され大ヒットとなった「Mr. Magic」を既にロバータが歌っていることに衝撃を覚えます。そして73年の『Killing Me Softly』に収録されるレナード・コーエンのカバー「Suzanne」もリリース前に披露されています。そしてマイク・ダグラス・ショウではトラッド曲「Freedom」の感動のパフォも収録。 74年、フェミニズムをテーマにした子供向けTV特番『Free To Be... You And Me』からロバータ・フラックとマイケル・ジャクソンによる「When We Grew Up」のMVも収録しています。「私は自分の見た目が好きだし、あなたは小さくて素敵。わざわざ変わる必要なんてない」。個性を大事にすることを諭します。ロバータの優しさ、マイケルのピュアさをとても感じさせてくれます。 70年代中期のロバータの活躍の裏で、病に苦しむ青年がいました。それが天才ダニー・ハザウェイです。しかし彼は77年ロバータの『Blue Lights In The Basement』収録の「The Closer I Get To You」で復活、その勢いで二人名義のセカンド・アルバム制作へ着手します。79年1月13日、ダニーはプロデューサー兼ミュージシャンのエリック・マーキュリー、ジェイムス・エムトゥーメらとレコーディングセッションを行います。ハサウェイは歌は素晴らしかったが、非合理的な行動を取り、偏執的で妄想的になっているようだったと彼らは語っています。エムトゥーメによると、ダニーは白人が彼を殺そうとしており、彼の音楽と声を盗む目的で彼の脳に機械を接続したのだと言っていたと語っています。ダニーのその種の行いを考慮して、マーキュリーはレコーディングセッションを続けることはできないと判断、セッションを中止し、ミュージシャン全員が家にとりあえず帰ったと述べています。数時間後、ダニーはニューヨークのエセックス・ハウス・ホテルの15階にある自室の窓の下の歩道で死亡しているのが発見されます。 バルコニーから飛び降りたと報じられました。ホテルの部屋のドアは内側から施錠され、窓ガラスは慎重に外されており、争った形跡はなく、捜査官はダニーの死は自殺であると結論付けました。しかし後にダニーの妻や友人は事故死だったと語っています。ロバータはダニーの死に打ちのめされましたが、翌80年『Roberta Flack Feat. Donny Hathaway』に2人で完成させたデュエット2曲を収録しました。マーキュリーによると、ダニーの最後のレコーディングは、マーキュリーがスティーヴィー・ワンダーと共作した「You Are My Heaven」だったと語っています。もう一つの曲「Back Together Again」の後亡くなったという説もあります。 そのアルバムを受けてのライブです。ダニーは天国で見守っています。彼の代わりにこの後女性とのデュエットでヒット曲を連発するピーボ・ブライゾンがロバータの相手をしています。そしてバックコーラスの一人としてソロ・デビュー前のルーサー・ヴァンドロスがいます。 正にダニーに捧ぐ、と言えるライブ、演奏曲もそのアルバムからばかりです。どれも名曲且つここでしか聴けないものが少なくないのでこの映像収録がこのDVDRのハイライト、と言えるでしょう。まずアレサ・フランクリン、マドンナ等のバックコーラスをしているグウェン・ガズリー作「God Don't Like Ugly」のゴスペルとロックの融合が1曲目。好きな男性が実は既婚者だった、その仕打ちを神はお金で解決させるつもりよ、そう強気で歌う、男性への先制パンチ曲です。そして名曲「Only Heaven Can Wait」。「愛は待っても叶うことはない、愛が終わらないと心は癒されない、でも天国だけは愛を待ってくれるの」。先のグウェン・ガズリーが恐らくコーラスでいるのではないでしょうか。スパンキー・アンド・アワ・ギャングをプロデュース、正直あまり知られていないスチュワート・シャーフ作の「Disguise」も隠れ名曲で嬉しい披露です。 72年にリリースしたもののヒットしなかったロリ・リーバーマンのオリジナルを飛行機内で偶然聴いたロバータが取り上げ大ヒットとなった「Killing Me Softly With His Song」。文字通り彼の歌にメロメロになってしまう、という歌をロバータが歌うことでリスナーをメロメロにしてしまったそんな橋渡し。歌詞ではギターを弾くのが「彼」なのですが、ロバータはあえてその歌詞を変えず、心の中では、ピアノを弾く「彼」と思って歌っていた、のではないかと。 「明日も愛してくれるの?」、ダニーとの名曲「Will You Love Me Tomorrow」の返歌、それが「You Are My Heaven」と言えるのではないでしょうか。「朝起きたら天使が僕に、直ぐ近くに天国を見つけるよ、って囁いたんだ。だったらそれは君のことだよね、朝の天国は、ねえ天使?僕の腕の中で、そして人生において戯れている君のことさ。傍にいてくれるなら僕のこの決定を誰も変えらやしれない。僕の恋人、私の天国、今はキザに歌わせて、君は僕だけのものなんだ」。「もし天使があなたに毎朝そう囁いてくれたら、本当最高よ、レアだわ。朝起きたと同時に永遠に愛してくれるって常にわからせてくれるなんて。あなたの愛、心の痛みも私は抱いているからね」。スティービー・ワンダー作、これほどのドリーミーな曲はそうはありません。ダニーの代わりに歌うピーボ・ブライゾン、少し間違えてますが、流石のデュエットの名手、素晴らしいです。 「冬から春へ、暗闇でいちゃいちゃしている恋人たちを見ていたら、したくなるの」。ユージン・マクダニエルス作の「Feel Like Makin' Love」。時折後ろで(特にギター・ソロの部分で)ルーサー・ヴァンドロスが「そんな時は、したくなっちゃうよー」とボーカルで絡んできます。ちょっとうざいけど大変貴重なライブ・バージョンです。 作詞はキャロル・キングの元旦那、ジェリー・ゴフィン、作曲はマイケル・マッサー、結果ホイットニー・ヒューストンの「Saving All My Love For You」のコンビが、絶対の名曲となるべく収録させた「Stay With Me」。「あと一日だけ一緒にいて。それが私の人生に永遠に残るから」。ロバータの気持ちを分かった上での制作に違いありません。 「一緒に住まない?ハッピーになるに違いない」と歌う「Why Don't You Move In With Me」は『Blue Lights In The Basement』収録。 「僕はじっと待っていた、君が居なくて寂しかった。私もよ」。「Back Together Again」はレジー・ルーカス、エムトゥーメ作の心躍らすアーバンなダンスチューン。スタジオ曲ではダニーのボーカルが躍動していて無敵状態ですが、その代わりのピーボも、負けじと頑張って歌っています。そしてロバータが主導権を得てライブ全体を引き締め、クローズへと導きます。ピーボがロバータの後ろから手を伸ばし支えながら、しかしロバータはそれを感じつつも堂々とステージを後にします。 81年Solid Rockでは、夢のデュエット、息がぴったりディオンヌ・ワーウィックとの「Killing Me Softly With His Song」、そして93年のアーセニオ・ホール・ショウでは、今までの珠玉の名曲をメドレーで、そしてその時のアルバム『Set The Night To Music』からスタイリスティックスのカバー「You Make Me Feel Brand New」を披露しています。 Compared To What Voice Of America/Radio Program Groovy Girl! (1970) intro Baby I Love You (Roberta Flack & Donny Hathaway) Somewhere (Roberta Flack) The First Time Ever I Saw Your Face (Roberta Flack) The Ghetto (Donny Hathaway) Reverend Lee (Roberta Flack & Donny Hathaway) Double Exposure (1972) Mr. Magic Flip Wilson Show (1972) Freedom The Mike Douglas Show (1972) When We Grew Up (w/Michael Jackson) Free To Be... You And Me (1974) God Don't Like Angry Only Heaven Can Wait Disguises Killing Me Softly With His Song You Are My Heaven Feel Like Makin' Love The First Time Ever I Saw Your Face Stay With Me Why Don't You Move In With Me Back Together Again Roberta Flack Live (1980) Feat. Peabo Bryson & Luther Vandross Killing Me Softly With His Song (w/Dionne Warwick) Solid Rock (1981) Killing Me Softly With His Song Feel Like Makin' Love Tonight I Celebrate My Love The First Time Ever I Saw Your Face Where Is The Love Making Love You Make Me Feel Brand New The Arsenio Hall Show (1993) Pro-Shot 109min.
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ノット・シュアー・フーズ・シンギン / Bible (2CDR)
¥1,490
『Bible』は、エディ・カシオとジェームズ・ポートが作曲し、07年にマイケル・ジャクソンが演奏したとされる12曲のコレクションに付けられた仮のタイトル名です。タイトルの由来は、マイケルの死後フランク・カシオが何度かオークションに出品した1枚のCDR、そこにはポートの手書きによる「Bible」という言葉から。このCDRは17年に個人コレクターに売却されています。 カシオとポートによると、これらの曲は07年秋にマイケルがニュージャージー州フランクリン・レイクスのカシオの自宅スタジオでカムバック・アルバム用に作曲、録音したものとのこと。初めて注目を集めたのは10年5月、Showbiz411のロジャー・フリードマンがマイケルが「07年秋にアルバム一枚分の素材を録音していた」と書いた際のことでした。そしてカシオとポートは契約を結び、10年リリース『Michael』用にと曲を提出、試聴セッション後、レコード制作チームは、収録曲の全てに矛盾点(マイケルによるアドリブのサンプリング等)があり、マイケルではなく、モノマネ・シンガーの歌だと主張します。そのことを受けてカシオとポートは、マイケルは、失敗や未完成のボーカル・テイクを補完するため、以前のアドリブやオートチューンを使ってのアドリブをUSBに入れていつも携帯していたのだと反論。二人は最終的なボーカルだと主張しており、マイケルが、これらは完成したものだから以前のテイクをすべて「破棄」するように頼まれたとも語っています。カシオとポートのプロデューサー、スチュアート・ブローリーは、自分の仕事は「曲をマイケルらしくする」ことだけだったと語っています。 カシオとポートの曲のうち「Breaking News」、「Keep Your Head Up」、「Monster」の3曲が採用されます。マイケルの長年の協力者であるテディ・ライリーがミックスしました。しかし提出された残りのトラック(「All I Need」、「Burn Tonight」、「Stay」)は最終的に収録されませんでした。関係者と同様に、ファンもボーカルの信憑性を疑い、曲はジェイソン・マラキという名のなりすましによる作品であると非難します。13年春、『Bible』12曲がインターネット上に流出し、17年7月12日、現存する唯一のコピーであるオリジナルCDRがオークションにかけられ、個人コレクターに売却されます。そして「Ready 2 Win」と「All Right」の2曲のCDRが、ジェフレ・フィリップスの訴訟の法廷文書に掲載されています。これらのCDRは、以前はマイケルが所有していたため、少なくとも彼はカシオ・トラックの曲の存在を認識していたとは思えますが、おそらく一度も聴いたことがなかったのではないか、とされています。 ジェイソン・マラチはイタリア系アメリカ人のシンガー・ソングライターです。ジェイソン自身がマイケルの大ファンで、最も大きな影響を受けた人物だと語っています。07年8月21日YouTubeチャンネルで「Michael Jackson - Mamacita (2007)」というタイトルのビデオがアップされます。この曲が実際にはマイケルによるものではなくジェイソンによって歌われていると隠していたことから、多くの憶測や誤報が生まれました。世界中のニュース局がこれを取り上げ、「マイケル・ジャクソンの新しい曲がオンラインで流出した」と報道したのです。ジェイソンはその間沈黙、しかしTMZに「Mamacita」のバック・ボーカルは、マイケルによって歌われていないことを伝えたのです。ジェイソンが作った他の曲「Don't Walk Away」や「Let Me Go」などがラジオで流され、ジェイソンはそれらの曲が自分の曲だと伝えていましたが、誤報は広まり続けました。ジェイソンの曲が、マイケルの映像付きでオンラインにアップロードされ、ジェイソンは、それほど気にしていなかったそうです。ジェイソンは、エディ・カシオがマイケルのために書いた3曲、「Breaking News」、「Keep Your Head Up」、「Monster」が初めて発表されるとすぐに、ファンはボーカルの信憑性を疑問視。エステートが曲は実際にはマイケルが演奏していると述べましたが、ジャクソン家がそうではないと主張したため、ファンはエステートの主張を信じなかったのです。11年1月16日、ジェイソンのFacebookページに、実際に曲を歌ったとの投稿があったのですが、すぐに削除されています。後にジェイソンはMySpaceで、自分のアカウントがハッキングされ、投稿したのは自分ではないと主張しています。ジェイソンは、自分のページではないとし、後にはフォトショップ加工したとも語っています。 14年、カシオが07年に書いた数曲がオンラインで流出し、その曲を収録したオリジナルCDRが3年後に『Bible』というタイトルでオークションにかけられました。ファンはボーカルは間違いなくマイケルではなくジェイソン・マラキであるとしました。22年6月30日より『Michael』に収録していたその3曲は音楽ストリーミングサービス等で取り下げられて聴くことが出来なくなっています。24年のポッドキャスト「Faking Michael」で、研究者のダミアン・シールズと彼のチームがジェイソンに連絡を取り、この件についてインタビューしています。ジェイソンは歌ったことを否定しなかったのですが、アルバムのリリース後、彼と彼の家族は何年も脅迫されていると述べ、「時が来たら」語るつもりだとしています。 今回Disc 1には『Bible』のセットリストだと思われる形で収録。そしてDisc 2には破棄されてないはずのデモがなぜか存在し、それら収録しています。そしてジェイソンの「Mamacita」も入っています。 Disc 1 1.Monster (Feat. 50Cent) 2.Breaking News 3.Stay 4.Keep Your Head Up 5.All Right (Everything's Just Fine) 6.Black Widow 7.Burn Tonight 8.All I Need 9.Water 10.Fall In Love 11.Ready 2 Win 12.Soldier Boy Disc 2 1.Monster (Original Demo) 2.Monster (Album Demo) 3.Breaking News (Original Demo) 4.Stay (Original Demo) 5.Keep Your Head Up (Original Demo) 6.Burn Tonight (Original Demo) 7.All I Need (Original Demo) 8.Fall In Love (Original Demo) 9.Jason Malaqui / Mamacita
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ロバータ・フラックとダニー・ハザウェイ / Live 1971 - 1972 (1CDR)
¥990
72年4月20日にリリースされ、Billboard 200で3位、R&Bアルバム・チャートで2位、ジャズ・アルバム・チャートでは10位となった名盤『Roberta Flack & Donny Hathaway』。二人は黒人名門音楽校ハワード大学の先輩、後輩です(ロバータはダニーの8歳上、そして15歳でハワードに入学しています)。そのリリース前の71年11月24日のラジオ用ライブ音源がリーク、CDR化致します。オフィシャル級のサウンドボードとなっており驚愕の一言です。 ダニー・ハザウェイの代表作にしてライブ盤『Live』のリリースが72年2月、そしてロバータ・フラックの「The First Time Ever I Saw Your Face(愛は面影の中に)」が全米1位となったのが72年4月と、これらエポックメイキング以前に行われたライブだということがまずあります。ただ71年5月に「You've Got A Friend」、9月に「You've Lost Tha Lovin' Feelin'」を二人の名義でシングルを出しており、それぞれポップで29位、71位となっていました。またダニーの『Live』が71年8月ロサンゼルスのトルパドール、そして10月ニューヨークのビター・エンドからの演奏を収録しており、今回のライブはその面子がバックとなっている可能性は高いです。なぜなら『Live』と演奏が唯一重複する「Little Ghetto Boy」のサウンドがかなり類似しているからです。例えばキング・カーティスのザ・キング・ピンズ時代にジミヘンの派手なギターに対していぶし銀のリズム・ギターに徹していた名手コーネル・デュプリー、彼のカッティングだとわかる心地良いギターが終始聴こえます(『Live』の8月のギターはフィル・アップチャーチでしたが、10月はコーネルで、その時の「Little Ghetto Boy」が彼によるものです)。ただメンバーが一丸となって行われていたバックコーラスがこのライブにはなく、もしそれがあれば他のメンバーも自ずと一緒ということになりますが、それでもアール・デルーエンのコンガ、フレッド・ホワイトのドラム、ウィリー・ウィークスのベース、そしてダニーの歌にエレピと、『Live』と一緒の面子によるまた別の魅力溢れる演奏となっている、そう断言して良いと思います。もしくはバーナード・パーディやチャック・レイニー、エリック・ゲイルら凄腕が『Roberta Flack & Donny Hathaway』に参加していることから彼らの内の誰かがいる、というのもワンチャンあるでしょう。とにかくヒット前夜ながら最高峰のメンバーによる最高のライブが繰り広げられているということだけは間違いないです。 バンドがそういうメンバーだと思ってこのライブを聴くとその尊さで崇めたくなる方もいるはず。72年4月リリース、シングルで5位となった「Where Is The Love」(ラルフ・マクドナルドとウィリアム・ソルター作。元はフィフス・ディメンション提供予定でした)からもう最高の心地良さで、「You've Lost That Loving Feeling」はオリジナルのライチャス・ブラザースやホール・アンド・オーツとは異なる不思議な崩し具合のジャジーなカバーをライブ表現しており、ロバータとダニーならではの演奏世界を序盤から堪能できます。そしてダニーとユージン・マクダニエルズ共作の「When Love Has Grown」でのロバータとダニーの息の合ったデュエットは蕩ける程に爽快。ジェリー・ゴフィンとキャロル・キングが結婚し初の大ヒット作、シュレルズに提供され、初めて黒人女性グループとしてビルボードで1位となった「Will You Love Me Tomorrow」、キャロルも71年2月リリースの『つづれおり』でセルフ・カバーしましたが、ロバータは「今夜あなたは私のもの、でも明日も私を愛してくれる?」と彼女ならではの包容力で歌い切ります。そしてやはりキャロル作の「You've Got A Friend」。『つづれおり』とジェームス・テイラーの『Mud Slide Slim And The Blue Horizon』は同時進行でアルバムが作られ、ジェームスが是非歌いたいのでと収録させたのですが、『つづれおり』が71年2月、ジェームスのシングルのリリースが71年5月29日と、ロバータとダニーのカバー方がちょっと先にリリースしていました。しかしジェームスの方が一位となります。「名前を呼んでくれれば、どこに居ても急いで駆けつける、だって君はそんな味方を手に入れたんだから」。これはデュエットで歌う曲じゃないのかもしれません。ジェームス一人で歌うとヒーローさが感じられます。それでもロバータとダニーの二人の掛け合いは格別で、ヒットしたとかどうでもよくなります。そしてダニーの単独のピアノと歌でのスタンダード・ジャズ「For All We Know」。静謐の中に少しアナログの針音が入ってしまうのですが(マスターがアナログなのでしょう)それがまた雰囲気たっぷりで、やはりこの曲はダニーが一番、それはライブだと尚更理解できて泣けてくる程心に沁み入ります。98年にチャカ・カーンがプリンスとロンドンのカフェ・ド・パリスで演奏したことがありますが、それとはまた違った「Baby I Love You」。アレサ・フランクリン・バージョンに忠実なロバータながら、女性コーラスがない代わりにダニーが絡むというやはり二人の世界となっていてドキドキものです。元はイタリアの曲で63年に英語歌詞でベン・E・キングがビルボード29位、トム・ジョーンズが70年にビルボード14位となった「I (Who Have Nothing)」の悲哀の二重奏的カバーのライブ・バージョンは、二人の悲哀さが圧倒的に迫ってくる名演です。ダニーが次のシングルとなると言っている「Little Ghetto Boy」。そしてラストは、「私のためにありのままのブラックでいてよ」と歌う「Be Real Black For Me」。ダニーとロバータ二人が作曲の中心で、確かに一人で歌うべきでツインはどうかと思ってしまう一方、男も女も関係なく、ブラック・ライブズ・マターを唱えているのだということで、今こそ再評価されるべき二人の矜持だと思います。最高のクロージングとなっています。 ボーナスに72年ドキュメンタリー映像『Doulbe Exposure』からのライブ音源のリッピングです。やや経年劣化的ジリジリと音が入りますが、しっかり全体の演奏が聴こえるサウンドボード録音です。「Baby I Love You」以外被りがなく、「The First Time Ever I Saw Your Face」や「The Ghetto」の二人の代表曲が演奏されているのが嬉しいです。 1.intro 2.Where Is The Love (Roberta Flack & Donny Hathaway) 3.You've Lost That Loving Feeling (Roberta Flack & Donny Hathaway) 4.When Love Has Grown (Roberta Flack & Donny Hathaway) 5.Will You Love Me Tomorrow (Roberta Flack) 6.You've Got A Friend (Roberta Flack & Donny Hathaway) 7.For All We Know (Donny Hathaway) 8.Baby I Love You (Roberta Flack & Donny Hathaway) 9.I (Who Have Nothing) (Roberta Flack & Donny Hathaway) 10.Little Ghetto Boy (Donny Hathaway) 11.Be Real Black For Me (Roberta Flack & Donny Hathaway) WPLJ Radio, A&R Studios, New York City, Nov 24th 1971 12.intro 13.Baby I Love You (Roberta Flack & Donny Hathaway) 14.Somewhere (Roberta Flack & Donny Hathaway) 15.The First Time Ever I Saw Your Face (Roberta Flack) 16.The Ghetto (Donny Hathaway) 17.Reverend Lee (Roberta Flack) Double Exposure (filmed in 1972)
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ジャクソンズ / Victory Tour Compilation 3 (4CDR+1BRDR)
¥2,990
84年のジャクソンズのヴィクトリー・ツアーを徹底的に集めたシリーズ、その最終章がナイスラインシリーズのお求めやすい価格で登場。現存するオーディエンス録音のライブを3つ、4CDRに、そしてオーディエンス録音のライブ映像等をブルーレイに収録し、リリース致します。 84年7月29日のニュージャージー公演、冒頭は凄い歓声ですが、徐々に落ち着いて来ます。そして84年10月7日トロント公演はボーカルが前に出た比較的安定したオーディエンス録音です。しかし一部音が遠くなる箇所もあります。そしてラスト3曲が未収録となります。そして84年12月2日カリフォルニア公演は最も音質が良く、一部カットがありますがほぼ完全収録となっており、しかもツアー終盤ということで演奏がとても安定しています。 そしてブルーレイ・ディスクに収録の映像。まずは7月29日のニュージャージー公演。巧妙な編集のせいもあるのですが当時のオーディエンス録画としてはかなり素晴らしく、スクリーンを映し、ステージも映しとカメラとしてしっかり捉えています。絶頂期のマイケル人気なのに観客は静かな方ですし、多少歌っている人はいてノッていますがそれほど苦ではないです。何より前に観客がいるとかが無いのがストレスレスです。そしてやはり『Thriller』系の曲、『Off The Wall』からの曲とソロに観客は反応が高いように感じられます。マイケルの踊り、ムーンウォークが飛び出すとどよめきます。「Beat It」では過剰に反応している観客に対して、そういうの禁止だよ、踊るんだよ、と諫めているマイケルが居ますが、映像的にはある種適度な歓声と共に人気絶頂期のマイケル・ジャクソンとジャクソンズのライブをカットがありますがかなり完全に収録しています。更に7月30日のプロショットのアーカイブ映像も収録しています。 CDR 1 1.The Sword In The Stone 2.Wanna Be Startin' Somethin' 3.Things I Do For You 4.Off The Wall 5.Ben / Human Nature 6.Heartbreak Hotel 7.She's Out Of My Life 8.Let's Get Serous 9.Dynamite 10.Tell Me I'm Not Dreamin' 11.I Want You Back 12.The Love You Save 13.I'll Be There 14.Rock With You 15.Lovely One 16.Working Day And Night CDR 2 1.Beat It 2.Billie Jean 3.Shake Your Body (cut) 10th concert,Giants Stadium,New Jersey,July 29,1984 4.The Sword In The Stone 5.Wanna Be Startin' Somethin' 6.Things I Do For You 7.Ben / Human Nature 8.Heartbreak Hotel 9.She's Out Of My Life 10.Let's Get Serious 11.Dynamite 12.Tell Me I'm Not Dreamin' 13.I Want You Back 14.The Love You Save 15.I'll Be There 16.Rock With You 17.Lovely One 35th concert,Exhibition Stadium,Toronto,Canada,Oct 7,1984 CDR 3 1.The Sword In The Stone 2.Wanna Be Startin' Somethin' 3.Things I Do For You 4.Ben / Human Nature 5.Heartbreak Hotel 6.She's Out Of my Life 7.Let's Get Serious 8.Dynamite 9.Tell Me I'm Not Dreamin' 10.I Want You Back 11.The Love You Save 12.I'll Be There 13.Rock With You 14.Lovely One CDR 4 1.Workin' Day And Night 2.Beat It 3.Billie Jean 4.Shake Your Body (Down To The Ground) 52th concert,Dodger Stadium,California,Dec 2,1984 BRDR 10th concert,Giants Stadium,New Jersey,July 29,1984 Ben / Human Nature Beat It 11th concert,Giants Stadium,New Jersey,July 30,1984 The Sword In The Stone Wanna Be Startin' Somethin' Things I Do For You Off The Wall Ben / Human Nature Heartbreak Hotel She's Out Of My Life Let's Get Serious Tell Me I'm Not Dreamin' I Want You Back The Love You Save I'll Be There Rock With You Lovely One Working Day And Night Beat It Billie Jean Shake Your Body (Down To The Ground) 95min. Audience / Pro-shot Recording ジャクソンズ、ヴィクトリー・ツアー関連アイテム、好評発売中! ジャクソンズ、Victory Tour関連アイテム、好評発売中! ジャクソンズ / Victory Tour In Toronto (1BRDR) https://purpletown.buyshop.jp/items/99682902 ジャクソンズ / Victory Tour Compilation 1 (1BRDR) https://purpletown.buyshop.jp/items/99969086 ジャクソンズ / Victory Tour Compilation 2 (1BRDR) https://purpletown.buyshop.jp/items/100196022
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ジャクソンズ / Victory Tour Compilation 2 (1BRDR)
¥1,890
マイケル・ジャクソンはもちろんジャーメイン・ジャクソンもいる唯一のジャクソンズのツアー、ヴィクトリー・ツアー。そこからの数多のライブ映像を丹念に可能な限りに時系列で集め、全て1080Pにアップグレードしたコンピレーションです。映像は玉石混交、殆ど元のマスター自体が劣化しているため、クオリティーはそこそこなものばかりですが、それでも貴重さという点と資料として是非手にして頂きたい決定盤映像集です。 今回はニュースで流された際の映像やライブが行われた土地だけが持っていたアーカイブからの映像等、よりマニアックなものを集めました。音声が入っておらず映像のみ、音声はあるがブラックアウト、写真で差し替えというのが少なからずございます。しかし良くここまで集めたな、と思われることだと思います。 まず複数のテープを集めて作られたヴィクトリー・ツアー、初日の1時間23分34秒の映像です。一曲目は「Wanna Be Startin' Somethin」ですが最初音がありません。ここでがっかりしないでください。1分少しで入ります。また初日だけのハプニングがあります。ジャーメイン・ジャクソンがヒット曲「Let's Get Serious」を演奏するのはこのツアーの恒例ですが、なぜか冒頭で演奏がストップ、昔の曲、違う曲をやろうと兄弟内でプチ争いとなるのです。ジャーメインもやっちゃだめなの?と不安顔。これは予定調和で、ジャクソンズ大丈夫なのか、とファンを不安がらせる演出なのかもしれませんが、最後はやはり元通りジャーメインの曲をやろうとマイケルがまとめて、「Let's Get Serious」を演奏します。「Tell Me I'm Not Dreamin'」もプレイしますが、ジャーメインがもう1曲プレイするよ、と言って、マイケルが何を?と尋ねてから始まるので、マイケルがステージに居ます(いつもはマイケルが途中からステージに雪崩れ込んでくるのですが)。そしてマイケルのパートはジャーメインが促す形で始まります。しかしこの時の映像が定まらず、以降ほぼ音が出ていない部分が続きます。スタジアムをヘリコプターから映しているのですが、ステージは遠すぎて何をしているかわからず、退屈な時間が続きます。「I'll Be There」も少しだけ音が入っているだけです。復活するのは「Lovely One」からで、「Working Day And Night」とその後のマジックからの「Beat It」、「Billie Jean」はしっかりパフォを映像で収録しています。初日の緊張感は十二分に伝わって来るかと思います。 8月17日、18日、19日のミシガンはそれぞれ1分17秒、2分15秒、10秒の断片的クリップで音声を8月26日のライブで補っています。 8月25日、26日のバッファローはそれぞれ13分23秒、7分25秒で、部分ながらも良好なショットがありますが(リポーターの声ばかりで演奏が殆ど聞けないものもあります)、ニュース映像のバックに流れていたり、観客へのインタビュー他は映像を写真と差し替えています。 9月1日、2日フィラデルフィアはそれぞれ1分57秒、4分42秒と断片的クリップですが良好ショットです。 9月7日デンバー、コロラドの6分56秒、冒頭の「Wanna Be Startin' Somethin'」は一瞬だけの映像で、良くこの曲だとわかったものです。ラストも一瞬の映像が続きますが、不明な部分が多いです。超イントロより難度高いです。分かる人がいたら天才だと思います。 9月16日モントリールの3分37秒、21日(4分33秒)、22日(11分4秒)ワシントン、「Dynamite」は比較的長めの映像ですが、後は断片、音もないのがあり、一体何の曲のパフォでしょうか、というクイズのようなものが多いです。 10月に入ってイリノイ12日(2分8秒)そして13日(10分13秒)の方は「Heartbreak Hotel」がかなりしっかり捉えられている映像です。19日クリーブランド(5秒)、そして26日(1分3秒)27日のアトランタ公演が「Heartbreak Hotel」が充実した映像です。 11月2日マイアミ(13分19秒)は「Thins I Do For You」は前半は音のみですが、以降のパフォは良く捉えられています。3日(45秒)は一体何の曲のパフォでしょうか、というクイズの連続のような映像です。ヒューストン9日(7分26秒)10日(5分58秒)はまたもやかの「Human Nature」、「Heartbreak Hotel」ですが良好映像。ヴァンクーヴァ―16日(12秒)は超断片、17日(1分6秒)も断片映像。30日LA(6分2秒)もサイレントがありますが苦心の編集です。 12月7日LA(33秒)は何のパフォかクイズ再び、8日(4分36秒)は画質も良く良好映像。そして9日の最終公演は21分20秒で特に「Shake Your Body」をほぼ完全収録しているのが大変うれしいです。フェアウェル・ツアー(暫しお別れのツアー)とマイケルはMCをし、エマニエル坊やも登場します。兄弟もこれで終わりになるかも、という悲しげな表情、それを出さないように頑張ってプレイしています。 Victory tour 1st concert,Arrowhead Stadium,Missouri,July 7,1984 Intro Wanna Be Startin' Somethin' Things I Do For You Off The Wall Ben / Human Nature Heartbreak Hotel She's Out Of My Life Let's Get Serious You Like Me Don't You Tell Me I'm Not Dreamin' I Want You Back (No Sound) The Love You Save (No Sound) I'll Be There Rock With You (No Sound) Lovely One Working Day And Night Beat It Billie Jean 18th concert,Silverdome,Michigan,Aug 17,1984 Off The Wall Human Nature Billie Jean (Audio Buffalo Aug 26) 19th concert,Silverdome,Michigan,Aug 18,1984 Beat It Billie Jean (Audio Buffalo Aug 26) 20th concert,Silverdome,Michigan,Aug 19,1984 Billie Jean (Audio Buffalo Aug 26) 21th concert,Rich Stadium,New York,Aug 25,1984 Intro Off The Wall Ben / Human Nature Heartbreak Hotel Working Day And Night / Beat It Billie Jean (Audio Buffalo Aug 26) 22th concert,Rich Stadium,New York,Aug 26,1984 Heartbreak Hotel (Audio Buffalo Aug 25) Beat It (Audio Toronto Oct 5) Billie Jean Shake Your Body (Audio Toronto Oct 5) 23th concert,John F. Kennedy Stadium,Philadelphia,Sep 1,1984 Human Nature 24th concert,John F. Kennedy Stadium,Philadelphia,Sep 2,1984 Off The Wall Human Nature 25th concert,Mile High Stadium,Colorado,Sep 7,1984 Wanna Be Startin' Somethin' Off The Wall Ben / Human Nature ? / Beat It or Billie Jean / Shake Your Body 27th concert,Montreal Olympic Stadium,Montreal,Sep 16,1984 Off The Wall Human Nature 29th concert,RFK Stadium,Washington D.C.Sep 21,1984 Things I Do For You Off The Wall Human Nature I'll Be There Beat It Billie Jean / Shake Your Body 30th concert,RFK Stadium,Washington D.C.Sep 22,1984 Wanna Be Startin' Somethin' Heartbreak Hotel Dynamite I'll Be There Lovely One Working Day And Night Beat It Billie Jean Shake Your Body 36th concert,Comiskey Park,Illinois,Oct 12,1984 Human Nature 38th concert,Comiskey Park,Illinois,Oct 13,1984 Human Nature Heartbreak Hotel Working Day And Night Billie Jean Shake Your Body 39th concert,Cleveland Stadium,Ohio,Oct 19,1984 Intro / Wanna Be Startin' Somethin' (No Sound) 41th concert,Atlanta–Fulton County Stadium,Georgia,Oct 26,1984 Heartbreak Hotel 42th concert,Atlanta–Fulton County Stadium,Georgia,Oct 27,1984 Human Nature Hertbreak Hotel 43th concert,Miami Orange Bowl,Florida,Nov 2,1984 Things I Do For You Ben / Human Nature Heartbreak Hotel 44th concert,Miami Orange Bowl,Florida,Nov 3,1984 Intro Things I Do For You Let's Get Serious / Tell Me I'm Not Dreamin' I Want You Back Lovely One Working Day And Night Beat It Shake Your Body 45th concert,Astrodome,Texas,Nov 9,1984 Human Nature Heartbreak Hotel 46th concert,Astrodome,Texas,Nov 10,1984 Human Nature Heartbreak Hotel 47th concert,BC Place Vancouver,Nov 16,1984 Heartbreak Hotel 48th concert,BC Place Vancouver,Nov 17,1984 Intro Human Nature Heartbreak Hotel 51th concert,Dodger Stadium,California,Nov 30,1984 Things I Do For You Human Nature Heartbreak Hotel Beat It Billie Jean 53th concert,Dodger Stadium,California,Dec 7,1984 Wanna Be Startin' Somethin' Things I Do For You Off The Wall? Human Nature Billie Jean 54th concert,Dodger Stadium,California,Dec 8,1984 Wanna Be Startin' Somethin' Human Nature Heartbreak Hotel 55th concert,Dodger Stadium,California,Dec 9,1984 Intro Wanna Be Startin' Somethin' Human Nature Heartbreak Hotel Rock With You? Billie Jean Shake Your Body Pro-Shot 215min. ジャクソンズ、Victory Tour関連アイテム、好評発売中! ジャクソンズ / Victory Tour In Toronto (1BRDR) https://purpletown.buyshop.jp/items/99682902 ジャクソンズ / Victory Tour Compilation 1 (1BRDR) https://purpletown.buyshop.jp/items/99969086 ジャクソンズ / Victory Tour Compilation 3 (4CDR+1BRDR) https://purpletown.buyshop.jp/items/100327447
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ジャクソンズ / Victory Tour Compilation 1 (1BRDR)
¥1,890
マイケルが超キレキレ!ジャーメイン・ジャクソンもいる唯一のジャクソンズのツアー、ヴィクトリー・ツアーよりテキサス公演を、最新のテープよりリマスタリングを施しブルーレイに収録!他にもヴィクトリー・ツアーが始まった84年7月、続く8月のライブ映像も1080Pのアップグレードでコンピレート収録!実は所縁のある(後述)ジェームス・ブラウンのステージにマイケル、そしてプリンスが上った、伝説の映像も収録!決定盤です! まず本編となる84年7月13日テキサス公演です。画質は総じて楽しめるレベルに十分なクオリティですが、「Lovely One」冒頭等の映像のブレ、音がステレオからモノラルへと、不安定な箇所はあります。ツアー前半にプレイされていたジャーメイン・ジャクソンの80年『Jermaine』からのセカンド・シングル、R&B13位のヒット「You Like Me Don't You」はマービン・ゲイの「Mercy, Mercy Me」を思わせる清涼感があり素敵です。流行遅れとマイケルが強調するジャクソン5メドレーは、ジャクソンズから離れソロとなる気概が溢れ出してしまっている感じです。自身のダンスもステージが進むにつれいよいよ絶好調。蜘蛛のモンスターに攻撃される際のマイケルの迫真の演技(そして謎のダンス)はこの映像が一番よく分かります。そして「Beat It」は間違いなくマイケルの全歴史において一番の「Beat It」と言えるでしょう。なぜならオリジナルでソロを入れているエディ・ヴァン・ヘイレンが客演しているからです。冒頭PAとラインが繋がっていないと叫んでいるエディ、しかし直ぐに音が出て、ソロ前なのに曲中でガンガン弾き入れます。マイケルがエディ、エディ!と呼ぶとソロを入れますが、その迫力たるや!スタジオ曲でのそれを凌駕しています。とにかく勢いが段違い!再度エディが登場し、マイケルが煽ってエディを調子に乗らせたりとてもスリリングです。「Billie Jean」もそしてラストの「Shake Your Body」も素晴らしいですが、「Beat It」これだけはかの名ギターリスト、プリンスも観ていたら嫉妬していたことでしょう。 そして14日のダラス公演も1分24秒の繋ぎ合わせ、音声はJacksonvilleとBuffalo公演から使って(無音部分もあります)収録しています。 ここでアラン・リーズのインタビューをご紹介します。 「僕らはジャクソンズのヴィクトリー・ツアー、ダラス公演を観に行ったんだ、プリンスが行きたがっていてね。でもビッグ・チック(巨漢のプリンスのボディーガード)を連れて行けないって言ってて。チックはその時有名になっていて、チックが居れば、そこにプリンスが居る、ってわかってしまうからと。でもフードで隠して連れて行ったんだ。マイケルに連絡しないで行く、僕らを知っている人が居ない状況でそこに行きたいとプリンスはそう望んでいて。プリンスもフードを付けていたんだけど、ライブ中、プリンスは僕をズル賢い目で見たんだ、まさか、だめだよ、そんなことしては!プリンスはチックのフードを取ってしまったんだ。そして広い場所に向かった。キャープリンスよ!僕らはもみくちゃにされた。マイケルは不機嫌になっただろうね、ショウの邪魔をしてしまったから」。 ジャクソンズはスタジアムばかりでのライブを行っています。よっていくら有名なプリンス達が居たとしても驚いた人は広範囲ではあるでしょうが、彼らの周りに限られるでしょう。果たしてそれにマイケルは気が付いたかどうか。ダラス公演に相当するのは映像の、7月13日、14日、そしてあと映像が存在しない15日があります。ツアーの初期ですが、プリンスはどんなライブなのか気になって観に行ったのでしょう。二つの映像からはマイケルがプリンスに気がついたようなシーンはありませんでした。ただ14日で観客が急に立ち上がっている映像が映されています。もしかするとそれかもしれません。 そして7月21日のジャクソンビル公演はステージを正面とステージを見て左側からのショットを混ぜた良好映像でトータル10分あり、音声に少し難がある所もありますがかなり演奏自体を楽しめます。 8月4日MSG公演、タイムコード等、文字がかなり入っている部分もありますが、画像は超良好です。 8月10日はニュースのナレーションが入りますが画像超良好、12日は「Human Nature」をステージ正面で映した良好ショットとなっています。 そしてジェームス・ブラウンのステージに、マイケル、そしてかのプリンスも飛び入りした時の映像です。 ジェームス・ブラウンがマイケルを呼び出すと、最初そこへは行けないよという雰囲気を出しますが、笑いつつ仕方ないなあという感じで観客と握手をしながら、マイケルはステージに向かいます。二人が軽く抱擁する際にマイケルはJBにそっと耳打ちします。ここで恐らく「プリンスが来てますよ」と告げたのではないかと。そしてJBは「There Was A Time」の演奏を静かにさせ、マイケルが歌い易い状況にさせるのです。つまりマイケルが何かパフォーマンスをする、という打ち合わせがあったということになります。マイケルはスローなバッキングの中、I love you~とスキャットを入れていますが、後ろで絶妙にギターが鳴ったり、マイケルがI love you!とシャウトするや演奏がファンクにガラッと変わって、スリリングなダンス、ムーンウォークを魅せ、バシッとパフォが終了するのです。はっきり言って即興感はありません。そして本当はプリンスがこの後登場するのですが、編集されており、プリンスは出て来ずJBが演奏を継続させています。ここまでの映像は大変素晴らしいタイムコードも出ないショットです。 そして続いてタイムコードが入るものとなります。画質も落ちますし、音落ちもあります。しかし1080Pのアップグレード版です。ここでJBはマイケルからブラザーがいると聞いたぞと、プリンスを呼び出しつつ、どこにいるんだ?と探します。そしてJBが高笑い。プリンスはボーディー・ガード、ビッグ・チックことチャック・ハンツベリーの肩の上に乗りステージに向かっていました。途中ギターを弾くため、付けていた手袋を脱ぎ捨てます。しかしその手袋を手にした観客がプリンスの方へ投げ返すのです。そう、ここはマンズ・ワールド。JBとマイケルは旧知の仲ですが(マイケルが5歳の時から)、JBはプリンスをその時知りませんでした。そして観客もプリンスを知らないのです。つまりプリンスは完全アウェイの場所に居ると言えるでしょう。何かしてもらおう、とゴッドファーザーが言って、プリンスはバンドからギターを貰い手にします。マイケルに出来なくて、プリンスに出来ること、それは楽器演奏です。プリンスはステージに上がらされるとは思っていなかったという説もありますが、マイケルが居るということで少なくとも呼ばれる覚悟はしていたと思います。しかしマイケルのように用意されていたステージではありません。マイケルを除きほぼ会場の誰も知らない、マイケルが画策してプリンスに仕組んだハプニングなのです。プリンスはピックを貰い(ギターに付いていたピックは気に入らなかったのか捨てています)メンバーと少し話をして、いざ弾き始めます。スリリングなギターが披露されます。カッコいい。JBも後ろでお、やるな、という感じ見守っています。ただ観客はそれほど興味を向けていないように感じられます。プリンスはステージの前に出て、ギターを弾かずに力を溜めるようなポーズをした後一音だけ出し、やめた、とばかりにギターを返しつつ、今度は上着を脱ぎ上半身裸になります。マイケルも好んでこういうことはしないタイプですね。プリンスってどんな奴?この脱ぎっぷりによって観客に対して相当なアピールとなったはず。ただ一方で大嫌いとなってしまうリスクもあります。実際歓声は微妙です。しかしここからは違います。御大JBの前でマイク・スタンドを巧妙に捌いてのパフォをするのです。これもマイケルがステージでしたことはないです。バッチリ決まりました。そしてプリンスは動物の鳴き声のようなシャウトを発します、上半身裸で。そして手持無沙汰感を纏いつつ、くねくねとした踊りを披露。これらは賛否両論、というよりは否の方が多かったと思われます。でもJBの真似ではなく、プリンスのオリジナルさを感じさせてはくれますね。そしてプリンスは自分のメンバーでもないのに、JBのバンドを使って、指で出す本数分だけドラムを含めたバンドがジャンと音を鳴らす、なんかJBもやってたかもしれないような芸だからきっと出来るだろうと安易に強行します。大変な無茶ぶりですが、それでもそのリアクションを楽しむ余裕などあるはずもなく、圧倒的に困るのは今ステージの主人公プリンス本人です。でも何度かやっている内に何とか出来るようになっていきます。スゲエ。これらもマイケルは一切やったことがありません、というかやろうとも思ったことないでしょう。まあこれくらいで良いだろう、とプリンスは勝手に判断、拍手を貰えるようなタイミングではないのですが、プリンスはお辞儀をして、ステージを降りようとします。そしてその際にこけないようにとポールを掴みます。するとそのポールが固定されておらず、観客の方に倒れてしまうのです。会場騒然。そんな中、JB自らがプリンスの脱いだ服を持って渡しに行くシーンが瞬間ですが入ります。後にJBはマイケルにオチオチしてられねえぞ、と忠告したとも言われています。芸人としてなのか、ミュージシャンとしてなのかは不明です。 最後にスーザン・ロジャースのインタビューをご紹介します。 「プリンスはステージでポールを転倒させてしまったの。彼はめちゃくちゃになって大混乱していた。その後彼はその時のビデオをよく見ていたわ」。 4th concert,Texas Stadium,Texas,July 13,1984 The Sword In The Stone Wanna Be Startin' Somethin' Things I Do For You Off The Wall Ben / Human Nature Heartbreak Hotel She's Out Of My Life Let's Get Serious You Like Me Don't You Tell Me I'm Not Dreamin' I Want You Back The Love You Save I'll Be There Rock With You Lovely One Working Day And Night Beat It (Feat. Eddie Van Halen) Billie Jean Shake Your Body (Down To The Ground) 5th concert, Reunion Arena,Texas,July 14,1984 Off The Wall Human Nature Heartbreak Hotel Unknown Lovely One 7th concert,Gator Bowl Stadium, Florida,July 21,1984 Things I Do For You Off The Wall Ben / Human Nature Heartbreak Hotel Billie Jean 13th concert,Madison Square Garden,New York,August 4,1984 Things I Do For You Off The Wall Ben / Human Nature 15th concert,Neyland Stadium,Tennessee,August 10,1984 Intro Off The Wall Human Nature Fireworks 17th concert,Neyland Stadium,Tennessee,August 12,1984 Human Nature The Beverly Thetre,Beverly Hills,California,August 20,1983 There Was A Time Michael Jackson on stage Prince on stage Pro-shot 121min. ジャクソンズ、Victory Tour関連アイテム、好評発売中! ジャクソンズ、ヴィクトリー・ツアー関連アイテム、好評発売中! ジャクソンズ / Victory Tour In Toronto (1BRDR) https://purpletown.buyshop.jp/items/99682902 ジャクソンズ / Victory Tour Compilation 2 (1BRDR) https://purpletown.buyshop.jp/items/100196022 ジャクソンズ / Victory Tour Compilation 3 (4CDR+1BRDR) https://purpletown.buyshop.jp/items/100327447
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ジャクソンズ / Victory Tour In Toronto (1BRDR)
¥1,890
マイケルが超キレキレ!ジャーメイン・ジャクソンもいる唯一のジャクソンズのツアー、ヴィクトリー・ツアーよりトロント公演を、最新のテープよりリマスタリングを施しブルーレイに収録!決定盤です! ビクトリー・ツアーは、ジャクソンズが84年7月から12月にかけてアメリカとカナダで行ったコンサート・ツアーです。マネージメントに父親ジョーが復帰、ジャーメインもアリスタに移籍し、ジャクソンズに加入。途中ジャッキーが負傷して参加出来なくなりますが、ジャクソン兄弟6人全員が揃った唯一のツアーとなりました。 グループは55回のコンサートを行い、約250万人の観客を動員。55か所の公演場所のうち、53か所は大きなスタジアムで行われました。ほとんどの観客は、当時音楽界を席巻していたアルバム『Thriller』を観るために来ており、セットリストの曲のほとんどが『Thriller』と『Off Th Wall』のアルバムからの曲であったことから、マイケルのスリラー・ツアーではないか、そう思っていた人は多かったようです。 このツアーは、ドン・キングがプロモーションを担当。約7500万ドル(23年のドル換算で2億2,000万ドルの収益を上げ、最高収益ツアーの新記録を樹立したと伝えられています。しかしその裏には高額なチケット代、プロモーター側に有利な販売システムがあり、結果トラブル続出、訴訟問題となりました。それでもツアーの最中にマイケルは会見を開いて公正且つ適切なチケット販売形態にするように要請、チケット代が通常に近い値段に落ち着きます。またワールドツアーという宣伝にもかかわらず、公演はアメリカとカナダのみで行われました。 ライブ中、マイケルの片方の装飾手袋、黒いスパンコールのジャケット、そしてムーンウォークが披露されました。奥さんの車に轢かれ足を負傷してしまったジャッキー(そのため参加出来なくなりました)の当時の不倫相手だったポーラ・アブドゥルが振付を担当しています。マイケルに焦点を当てていますが、セットリストにはジャクソンズのアルバム『Destiny』と『Triumph』の曲が含まれており、ツアー名はジャクソンズのアルバム『Victory』にちなんで付けられています。カンザスシティでのツアー初公演の4日前にリリースされ、タイミングがばっちりであったにもかかわらず、ラストの「Shake Yout Body」でのマイケルのアドリブで「State Of Shock」が歌われる以外(「State Of Shock」もリハーサルされていますが、曲そのものを演奏することはありませんでした)、『Victory』の曲はツアーでは演奏されませんでした。ジャーメインも84年4月にアルバム『ダイナマイト』をリリースしてR&Bチャート1位と成功を収めていましたが、そのアルバムから「Dynamite」(「You Like Me Don't You」がプレイされたセットもあります)、そしてマイケルとのデュエット「Tell Me I'm Not Dreaming」が演奏されています。残念ながら「Thriller」の演奏の出来が良くなく、雰囲気も合わずで、マイケルによりセットリストに含まれませんでしたが、後にマイケルのソロ・ツアーで定期的に演奏されるようになります。 オープニングは、悪魔に征服されそうになっている国を、ランディ・ジャクソン扮するアーサーが、石に刺さって抜けなかった聖剣、エクスカリバーを抜くことが出来、クリーチャーを倒し、王国を建国し勝利する、そんなストーリーより始まります。とても映像の発色が良く、SFの映画を観ている錯覚に陥ります。ほんの少し映像や音が乱れますが最小限で、このクオリティは画期的と間違いなく言えます。1曲目はアルバム『Thriller』からの「Wanna Be Startin' Somethin'」。ジャクソンズのメンバーが煽り、後のマイケルのツアーとは別の迫力、疾走感があります。『Destiny』収録の「Things I Do For You」へとスリリングに流れます。踊らずにはいられない「Off The Wall」でも、演奏がスピーディーでマイクを持ってダンスをしながら歌っているマイケル、吐く息が白いです。でも息切れは全くしてません。そして好きな歌としてマイケルは「Ben」を歌おうとしますが、中断、ずっと愛されてきた曲だけど、時代は変わる、今はこの曲だと「Human Nature」をプレイします。哀愁のダンス・メロディの「Heartbreak Hotel」はティトのギターが印象的です。感情移入がものすごい「She's Out Of My Life」ではややブルージーなアレンジで、それはティトのギターだと思われます。ここでマイケルは一度ステージを後にします。そしてこれまでバンド内唯一のベースを弾きつつ踊っていたジャーメインが(アルバム『Vicotry』よりも遥かにライブの方が貢献度が高いです)、自身の曲を披露すべくフロントに立ちます。ランディもショルダー・キーボードでマルチプレイヤーぶりをアピール、ティトのギターもファンキーです。マーロンがスティービー・ワンダーが歌うパートを低い声で入れています。ジャッキーはケガでいませんが、マイケル以外の素晴らしいジャクソンズが堪能できます。84年のオープニング曲「Dynamite」はプリンスの「Sexuality」とデヴィッド・ボウイの「China Girl」がブレンドしたようなダンサンブルな曲でそのライブ・バージョンが観れるのは嬉しい限りです。そして「Tell Me I'm Not Dreaming」はジャーメインが最初歌ってから、マイケルが飛び出すようにステージに入ってきてのデュエット。ジャクソン5のメドレーでも「I'll Be There」でマイケルとジャーメインがボーカルを分け合う、それこそがオリジナルなのでウルッと来ます。その後のマイケルのスキャットがまた冴えに冴えてます。「Rock With You」、「Lovely One」とソロとグループによるナンバーを交互に演奏、「Workin' Day & Night」ではGregg Wrightのギター・ソロ、ランディのパーカッション・ソロ、とメンバーの卓越した演奏テクが惜しげもなく披露されます。そして嵐のような演出の後、マイケルはモンスターによりベッドの上に寝かされ儀式が始まり、忽然と宙に消えてしまいます。しかし別の場所から衣装を「Beat It」仕様に変えて姿を現します。ここでもグレッグのエディ・ヘイゼルを完全模倣したギター・ソロ、2回目はエディを超えるかの勢いでのプレイが素晴らしいです。群舞がないため、その分マイケルにフォーカスされ、且つボーカルとダンスも若々しくキレッキレとなっていて、ズバリの絶頂期となっています。マイケルの曲もジャクソンズ・バージョンの方がかなり迫力があるんです。「Billie Jean」もジャクソンズのコーラスがソウルフルで、マイケルも安心して、そしてノリノリで踊り歌っています。帽子を被ってここぞで魅せるムーンウォーク、シブすぎです。そこからのジャクソンズの出世曲「Shake Your Body」はこの時点が興奮の沸点で、神懸っています。「State Of Shock」、「Don't Stop 'til You Get Enough」のボーカル・ラインもマイケルから飛び出します。「Lovely One」同様ランディとマイケル作で、ジャーメインが居ない時期のジャクソンズの曲ですが、彼によるベースが凄いファンキーです。マーロンのくねくね踊りをマイケルが見て、まあいいか、みたいな顔をするのがなんか可愛いです。ジャクソンズの代表曲を一つ選べと言われてこの曲、という人は多いはずです。 そのマーロンによると、マイケルは『Victory』の曲をリハーサルしたり演奏したりすることを拒否し、ツアーに参加することにも乗り気では無かったと語っています。マイケルが最終的に同意するまでに、母親のキャサリンとファンの説得が必要でした。マーロンはまた、マイケルは収入を必要としていた兄弟たちのため渋々ツアーに参加しただけだとも語っています。ツアー中、マイケルと兄弟たちの間で緊張が高まり、12月9日のコンサートでマイケルはこれが一緒に演奏する最後の機会になると発表し、85年の春と夏のヨーロッパとオーストラリアでのツアーは中止になりました。ジャクソンズとドン・キングはツアーでまだ収益を上げたがっていました。マイケルはツアー前に約束した通り、いくつかの慈善団体に自分の分を寄付しています。彼と兄弟たちの間の溝はジャクソンズ一家に深く永続的な影響を及ぼし、晩年の大半を彼らと疎遠にさせ、マイケルを含むジャクソンズは、ライブ披露をするグループとして事実上終焉を迎えます。ジャクソンズは89年にもう1枚アルバムを制作しましたが、マイケルとマーロンは1曲しか参加せず、01年にマイケルのソロアーティストとしての30周年を祝うコンサートを除けば、マイケルの存命中に再びジャクソンズとしてのツアーを行うことはありませんでした。 記録を塗り替える程に84年最も収益があったヴィクトリー・ツアー。85年ももしコンサートを続けて来日もしていたら、プリンスのパープル・レイン・ツアー、そして最も収益のあったブルース・スプリングスティーンとEストリート・バンドのボーン・イン・ザ・U.S.A.ツアーを超えていた可能性は相当あります(共に日本に来ていませんし)。 そしてジャクソンズの一員としてマイケルが参加、これがきっかけでジャーメインも参加するとになる、Motown 25での伝説の映像を1080Pブルーレイにてばっちり収録!ジャクソンズも当然良いのですが、ここはマイケル一人になっての新曲「Billie Jean」のパフォです。やはりこの曲はダンスがあってこそ栄えるのです。初めてのムーンウォークの披露によってマイケルがいよいよスーパースター認識される、その瞬間。『Thriller』がモンスター・アルバムとなる約束の映像です。 The Sword In The Stone Wanna Be Startin' Somethin' Things I Do For You Off The Wall Ben / Human Nature Heartbreak Hotel She's Out Of My Life Jermaine's Set: Let's Get Serious Dynamite Tell Me I'm Not Dreamin Jackson 5's Medley: I Want You Back The Love You Save I'll Be There Rock With You Lovely One Workin' Day & Night Beat It Billie Jean Shake Your Body (Down To The Ground) CNE Stadium, Toronto, ON, Canada October 5, 1984 Intro I Want You Back Love You Save Never Can Say Goodbye I'll Be There Billie Jean Pasadena Civic Auditorium, Pasadena, CA, USA March 25, 1983 Pro-shot 133min. ジャクソンズ、Victory Tour関連アイテム、好評発売中! ジャクソンズ / Victory Tour Compilation 1 (1BRDR) https://purpletown.buyshop.jp/items/99969086 ジャクソンズ / Victory Tour Compilation 2 (1BRDR) https://purpletown.buyshop.jp/items/100196022 ジャクソンズ / Victory Tour Compilation 3 (4CDR+1BRDR) https://purpletown.buyshop.jp/items/100327447
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スイング・アウト・シスター / London 1989 (1CDR)
¥990
スイング・アウト・シスターのセカンド『Kaleidoscope World』リリース時のロンドンでのライブを完璧サウンドボード録音で収録! キーボード担当のアンディ・コーネル 、ドラムのマーティン・ジャクソン、そして後から加わったヴォーカルのコリーン・ドリュリー で84年に結成、バンド名は、45年のアーサー・トリーチャー主演映画『Swing Out, Sister』から採られました。86年末に発売したシングル「Breakout」はイギリスチャート4位そしてアメリカチャート6位、続くジョン・サーケルのトランペット・ソロが使われた「Surrender」 はイギリスチャート7位、ジャズ調の「Twilight World」、ピチカート・ファイブを予見させる陽気なポップ「Fool By A Smile」と、ジャズとテクノポップを巧妙にブレンドした名曲だらけのファースト・アルバム『It's Better To Travell』はイギリスチャート1位になっています。セカンド・アルバム『Kaleidoscope World』でマーティンが脱退、デュオとなりますが、サウンドはオーケストラを取り入れてよりオーセンティックな音楽となっていき、そのサウンディングがこのロンドンでのライブでも強く感じさせます。そんな豊潤さはファースト・シングル「You On My Mind」のオープニング演奏に既に彼らの自信と共に現れています。イントロからじわじわと「Breakout」の世界に誘導する巧みさや、後半の男性ボーカルをジャジーに歌わせた展開も最高です。それでも終始全くぶれないコリーンの艶やかで誠実なボーカルは、安心感と心地良さを同時にリスナーに与えてくれます。一つの到達点なったライブです。 Live at The Royalty Theatre in London 3rd December, 1989. 01. You On My Mind 02. Twilight World 03. Precious Words 04. Forever Blue 05. Fooled By A Smile 06. Breakout (introduction) 07. Breakout 08. Surrender
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ジャクソンズ / Alternate Victory (2CDR)
¥1,490
歴史を塗り替える大ヒットとなるアルバム『Thriller』。そこからのラスト・シングルはそのタイトル曲でした。83年末の「Thriller」の画期的なショート・フィルムの公開は、ソロ活動中だったマイケル・ジャクソンの人気が頂点に達した時だったと言えるかもしれません。その頃マイケルがいるグループ、ジャクソンズは、契約切れだった父ジョーがマネージャーに復帰して、83年末にアルバムのレコーディングを本格的に開始します。『モータウン 25: Yesterday, Today, Forever』でそれまでモータウンでソロ活動していたジャーメイン・ジャクソンがグループに(一応)戻ることとなり、ジャクソンズは6人になっていました。84年2月にアルバムリリース予定と報じられていましたが、7月とずれ込んでしまったジャクソンズのアルバム『Victory』を、今回色々な音源よりその魅力に迫ります。 Disc 1、まず『Victory』の独自解釈オルタネイト・アルバムを収録しました。 84年8月にセカンド・シングルとしてリリースされ『Victory』のオープニング曲である「Torture」は、83年11月に長男ジャッキー・ジャクソンによって書かれ、モータウンのライター、キャシー・ウェイクフィールドが作曲サポートをしています。当初ジャッキーがマイケルと一緒にボーカルを録音する予定でしたが、最後の最後まで 『Victory』に参加するか不明瞭だったジャーメインが、結局ジャッキーの代わりにボーカルを取ることになります(ジャッキーが歌う部分も残っています)。 ジャクソン5時代は、ジャクソン家5男のマイケルだけでなく3男ジャーメインがリードを取る曲があり、子供のマイケルなんかよりもジャーメインよ、という女の子が少なくありませんでした(アマチュア時代にはジャーメインがリードを取っていましたし、マイケルはジャーメインを真似することからシンガーを始めています)。75年にベリー・ゴーディの娘とジャーメインは結婚、モータウンに残ることになり、ソロでアルバムをリリースしていきます。一方エピックに移籍してマイケルが主軸となったジャクソンズは、セルフ・プロデュースを行うようになってからの78年に「Shake Your Body」のヒットが生まれ、79年ソロでの『Off The Wall』が成功、80年の『Triumph』はR&Bアルバム・チャートで、ジャクソンズ名義では初となる1位獲得を果たします。ジャーメインも「Let's Get Serious」が80年のR&B年間チャート一位となるヒットがありますが(ちなみに2位はマイケルの「Rock With You」でした)、マイケルはメガトン級の大ヒット『Thriller』をリリースして、大きく水をあけることになります。 そんな二人が互いにリードを取る曲、それが「Torture」です。「君が愛のないナイフで僕を傷づけてもこの想いは止められない」、それを「拷問」としている歌ですが、デュエット用というより一人称の曲となっています。しかしジャーメインが「歩み続けろと言われたが、僕はここに来るべきではなかった」、そしてマイケルが「彼女は無意味に階段を上っている」と歌っていて、二人の関係性も匂わせている歌詞になっています。 また「Torture」のPVはマイケルがアイデアを出し「Thriller」のようなホラー映画風に仕上がっていますが、当のマイケル、そしてもう一人の主役のジャーメイン、二人が出演していません。しかしマイケルだけは蝋人形で登場します。結果6人ではなく、ジャクソン4+1(人形)となっています。ジャクソンズだと思われる骸骨も映されますが、それも5体です(その内の1体はムーンウォークのような動きをしています)。もしかするとPVはジャッキーとマイケル用に用意していたのかもしれません。撮影は大変費用がかかったにもかかわらず、ポップで17位。PV制作会社はそのためなのか破産してしまったそうです。 ここでは12インチ・バージョンにイントロ、アウトロの風が吹く音が入っている「Torture」のPVバージョンを収録しました。 『Victory』セッションより前に、フレディ・マーキュリーとマイケルは「State Of Shock」、「There Must Be More To Life Than This」そして「Victory」の3曲を録音しています。しかし残念ながら「Victory」のみがリークしておりません。ただその曲はマイケルが思い付きで作ったスロー・バラードが元で、フレディと二人で曲に発展させました。メインボーカルはマイケル、フレディがバックボーカル、最後のパートでは二人が共に歌の掛け合いを行っていると言われています。しかし二人のスケジュールの関係で完成とはなりませんでした。アルバム『Victory』にはタイトル曲が収録されていません。そしてアルバムのタイトルはマイケルが考えたのものです。 「私たちが実際に一緒に書いて残されているのは「Victory」という曲で、その後マイケルがジャクソンズのアルバムのタイトルとして使用されたんだ。曲を作ったのはそれより前だったよ。おかしなことだけど、その曲は凍結されてしまっていると思う。私たちが実際に一緒に書いた唯一の時(曲)だったということで。それでデモができて、とてもいい感じになっていたんだけど。」フレディ・マーキュリー、「A Musical Prostitute: Freddie Mercury Interview」、84年 実はマイケルはフレディーとの「Victory」をアルバム収録の候補としてジャクソン兄弟に提示していたという話があります。そしてその「Victory」を特に気に入ったのがジャッキーでした。ジャッキーはアルバムのプロデューサーの一人デヴィッド・ペイチと共に、マイケルが歌っているヴァースの歌詞、コード進行に変更を加え、マイケルとフレディーが共に歌う部分の歌詞、構造、コード進行はほとんどそのままにしつつ、クイーンのアルバム『Hot Space』収録のドラマー、ロジャー・テイラーの曲「Action This Day」にインスピレーションを得て、曲のテンポを速めてダンサンブルな曲調に変えました。そしてスティーヴ・ルカサーがクイーンのギタリストのブライアン・メイ風ギターソロを入れて、完成したのが「Wait」です。その曲のクレジットにはジャッキーとペイチのみで、マイケル、フレディの名はありません。リード・ボーカルはジャッキーですが、終盤マイケルとジャーメインの掛け合いがあります。「Wait」は一部の国で4番目のシングルとなりましたが、実際素晴らしいダンサー曲となっています。マイケルは原曲と異なっている、ジャッキー達のアレンジ力を評価し、クレジットを辞退したのかもしれません。でもフレディは...単に気が付かなかっただけなのでしょうか。謎です。 ここでの「Wait」は、マイケルのボーカルをAI処理により前に出して、ジャッキーとマイケルのデュエット風にしたバージョンを収録しました。 3曲目「One More Chance」の美しいミディアム、6男ランディの作です。キーボード、ドラムもランディ、歌もランディ、パーカッションを除いてほぼランディ一人でやっていて、その姿勢はプリンス的です。93年のジャネット・ジャクソンの『Janet.』からのシングル「If」のカップリング曲に「One More Chance」のカバーがあり、今回その音源を巧妙に編集しランディとジャネットのデュエット曲にしたバージョンを収録しました。 4曲目「Be Not Always」は4男マーロンとマイケルが作曲です。グレッグ・ポレーによるアコースティック・ギターを中心に、美麗なバラードをマイケルが一人で歌っています。ここではファンメイドの9分のロング・バージョンを収録しました。 5曲目、マイケルと、右利きのジミヘンと呼ばれていたランディ・ハンセンとの共作「State Of Shock」は、84年6月18日にアルバム先行ファースト・シングルとしてリリースされ、マイケルとミック・ジャガーのツイン・ボーカルによるハード・ロック・チューン、絶対大ヒットの宿命を帯びていました。しかし蓋を開ければポップ3位。PVが無かったのが一位になれなかった理由なのかもしれません。というのも7月7日にプリンスの「ビートに抱かれて」がナンバーワンとなり、そこから5週連続一位。そしてその直後8月11日に今度はレイ・パーカー・Jrの「Ghostbusters」が3週連続一位となるのです。両方ともPVを作っていますし、何よりショート・フィルムどころか映画と結びついてのヒットです。「Torture」も「Body」もマイケル、ジャーメインがPV出演していなかったので、MTV、映像の時代だというのに、軽んじ過ぎていた結果の小ヒットだったのではないかと思われます。 「State of Shock」は83年5月か6月頃にヘイヴェンハーストでクイーンのリード シンガー、フレディ マーキュリーとのデュエット曲として一度録音されています。そのデモには、デヴィッド・ウィリアムズのギターとベース、リンドラム、そしてレコーディングセッション中にマイケルが個室で(原文はin a closet)ドラムを叩いていると、ビル・ボットレル (トラックのミックスを担当) は述べています。確かにプリンス的なリンドラムが「State Of Shock」に入っていますが、『Victory』のクレジットにそれがマイケル・ジャクソンだと書かれています。 当時のフレディのパーソナル・アシスタント、ピーター・フリーストーンが「「State Of Shock」はすでにレコーディング済で、フレディは単にそれにボーカルを加えただけだった、残念ながら、2人は仕事の都合で一緒に取り組んだ曲を最後まで完成させることはなかった」と語っています。マイケルは最終的にローリング・ストーンズのミック・ジャガーと共にこの曲を完成させます。このバージョンでは、オリジナルの16トラックのデモ (フレディとのデュエット・バージョン) の基本トラックがそのまま残され、ボーカルとパーカッションがオーバーダビングされています。 ここでは、マイケル、ミック、そしてフレディの3人の夢の共演「State Of Shock」を作成、収録させました。 6曲目「We Can Change The World」は次男ティトの作曲で、リード・シンガーもティトです。ベースがルイス・ジョンソンとネイザン・イーストの二人で、リズム・ギターがデヴィッド・ウィリアムス、パーカッションがTOTOにも参加していたレニー・カストロです。そしてティト自身もキーボード、リンドラム、ギターをプレイ、バンド・サウンド寄りに仕上がっています。 ここではアルバム・バージョンを収録しました。 7曲目「The Hurt」はマイケルとランディ、そしてデヴィッド・ペイチ、スティーブ・ポーカロの作。リード・シンガーはファルセットのランディで、バッキング・ボーカルはジャーメイン、マイケルを含む他のジャクソンズ兄弟が担当。TOTOのメンバーの支えでブリブリ且つスイングさのあるキーボード・ワークをランディが中止に表現していますが、とても出来の良いダンス・チューンとなっています。それでも作曲に絡むマイケルの声が欲しい所ですね。 ここではAI処理でよりマイケルの声をフィーチャーしたバージョンを収録しました。 8曲目「The Body」はマイケルと共に『Victory』を最後にグループを離れるマーロンによる作品で、サード・シングルとなりました。バッキング・シンガーにジャーメインがおらず、PVも制作されましたが、マイケルは多忙からなのか出演しておらず、これがシングルに選ばれた理由は不明です。しかしマーロンの味のあるボーカルとダンスフロアを沸かせるに十二分に足りる軽快なサウンド、特にギターがヤバく、中間の爽やかなグレッグ・ライトのソロ、途中から入ってくるデヴィッド・ウィリアムスのギター・カッティングの心地良さに聴き手は踊らざるを得ません。ジャーメインが参加して、マイケルと共にPVを作っていたら、ワンチャン一位があったかもでした。ポップで47位、R&Bでも39位。 ここでは12インチ・バージョンを収録しました。 そしてDisc 1後半、Disc 2に渡って『Victory』でシングルとなった7インチ、12インチのバージョンを全て収録しています(オルタネイト・アルバムの方に収録しているのはダブりとなるため入れていません)。また「Torture」のマイケルだけが歌っているようにAI処理したバージョンや、Disc 2では「The Hurt」のファンメイドのExtended Version、「Body」のマイケルだけが歌っているようにAI処理したバージョンも収録しています。また長男ジャッキーがグレッグ・フィリンゲインズに提供した「Playing With Fire」のアルバム・バージョンと12インチ・バージョンも時期的に『Victory』セッションなので収録しています。 そして「State Of Shock」のマイケルとフレディによるデモも収録。83年より始めたフレディーとのセッションでマイケルは「There Must Be More to Life Than This」を共に録音しています。この曲はフレディ・マーキュリーが作曲し、82年クイーンのアルバム『Hot Space』用にバンドと共に録音されていましたが、完成とまで至らずお蔵入りにしていました。その2年前、マイケルとフレディはクイーンのThe Game Tourのバックステージで初めて出会って以来、連絡を取り合っていましたが、フレディはマイケルのロスのスタジオを訪れ、マイケルのボーカルで録音したもののやはり未完成となった、ということです(後にクイーンで84年の『The Works』用に再録音しましたが、未完成となったそうです)。しかしマイケル・ジャクソンがフィーチャーされていない状態で、フレディの85年のソロデビューアルバム『Mr. Bad Guy』に収録されることになります。しかし83年のセッション音源がリークしています。それがマイケルだけが歌っているバージョンです。そしてそのピアノのバッキングはフレディによるものです。フレディがマイケルに指示する声も入っています。「なぜ白か黒かだけで判断しようとするの?見たもの以上のものが人生にあるんだ」というフレディの気持ちがこもった歌詞はマイケルにとっても共感できたことでしょう。しかし二人が歌っているバージョンもリアルに存在し、それがGolden Duetという、ハモりもある二人の歌が完全溶け込んだ素晴らしいバージョンで、それも収録しています。そして『Mr. Bad Guy』のフレディのピアノ中心のバージョン、クイーンのメンバーで作られたバンド・バージョン、そしてマドンナ等のリミックスを手掛けているウィリアム・オービットによるバージョン、これはクイーンによるバッキングに、フレディ、そしてマイケルのボーカルがある、コンプリート・テイクと呼べるものです。 Disc 1 1.Torture (Music Video Version) 6:19 2.Wait (Feat. Michael Jackson AI) 5:27 3.One More Chance (Feat. Janet Jackson) 5:18 4.Be Not Always (Long Version) 9:00 5.State Of Shock (Michael Jackson, Mick Jagger & Freddie Mercury Trio Version) 5:02 6.We Can Change The World 4:46 7.The Hurt (Feat. Michael Jackson AI) 5:29 8.Body (12" Version) 5:49 9.Torture (Michel Jackson Solo Version AI) 4:55 10.Torture (7" Version) 4:31 11.Torture (12" Version) 6:15 12.Torture (12" Version Instrumental) 5:06 13.Wait (7" Version) 4:21 Disc 2 1.State Of Shock (7" Version) 4:07 2.State Of Shock (12" Version Dance Mix) 5:40 3.State Of Shock (12" Version Instrumental) 4:40 4.The Hurt (DJT Extended Version) 6:38 5.Body (7" Version) 4:23 6.Body (7" Version Instrumental) 4:16 7.Body (12" Version Instrumental) 6:46 8.Body (Michael Jackson Solo Version AI) 5:07 9.State Of Shock (Michael Jackson & Freddie Mercury Demo) 4:43 10.There Must Be More To Life Than This (Michael Jackson Solo Demo) 2:04 11.There Must Be More To Life Than This (Golden Duet Version) 2:55 12.There Must Be More To Life Than This (Freddie Mercury Version) 3:01 13.There Must Be More To Life Than This (Queen Version) 3:25 14.There Must Be More To Life Than This (William Orbit Mix) 3:27 15.Greg Phillinganes - Playin With Fire 4:45 16.Greg Phillinganes - Playin With Fire (12" Version) 6:37
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ヴァリアス・アーティスツ / Motown Returns To The Apollo (1DVDR)
¥990
85年に行われた『アポロ劇場50周年記念コンサート』を2時間21分、 日本語字幕が入るため、曲間のMC、ビル・コスビ―のコメディアンのネタがわかるのが嬉しいです。 まずデバージの「Rhythm Of The Night」で幕開け。ジョージ・マイケルの「Careless Whisper」をスモーキー・ロビンソンも歌い素晴らしいデュエットで観客を早くも魅了します。続くはマンハッタンズ、76年のアメリカを含む各国でナンバーワンとなった「涙の口づけ」、55年のポップ17位となったザ・キャディラックの「Speedoo」、64年ポップ4位、後に沢山のカバーを生む「Under The Boardwalk」、そして60年ポップ16位の「The Magic Moment」をザ・ドリフターズが歌います。 その後テンプテーションズが登場、71年の『Solid Rock』収録のアップテンポなファンキ―・チューン「Superstar」、そこへフォートップスも現れロックさを加味した「Something About You」を歌います。しかし彼らはテンプスの「Papa Was A Rolling Stone」も君らの歌だが下がってくれとステージをジャックして歌ってしまいます。テンプスはならばとフォートップスの初のポップ20ヒット(11位)「Baby I Need Your Loving」を歌いステージを奪還。わかったよと今度はフォートップスが「I Can't Help Myself」、テンプスがポップで8位となった「I Know I'm Losing You」を歌って、その2曲が混ざり合う感じで演奏が終わり2組は仲直り。最後ベリー・ゴーディJr.が曲提供をしモータウン・サウンドの原型となったソウルのパイオニアの一人ジャッキー・ウィルソンの「Higher And Higher」をアリ・オリ・ウッドソンが中心に歌って大団円となります。 そして初期にレーベルのトップ・スター達が集結したモータータウン・レビューズをダイジェストながら流し、それをここで再現するんだとスモーキーがビルに語ります、まず登場するのはレーベルの女性スター第一号メリー・ウェルズの62年スモーキーがプロデュースでポップ7位のヒットとなった「Two Lovers」を披露。そして67年ハード・ドライブ・ロックなポップ4位のフォートップスの「Bernadette」、65年ポップ8位マーサ・リーヴスのグルービーな「Nowhere To Run」、そして声のピッチを上げて子供声にしてのリトル・スティービー・ワンダーの「Fingertips」(モータータウン・レビューの7分のライブ演奏からの音源が両サイドに収録されてリリースされ、ポップR&B1位の大ヒットとなりました)をシングルのようにライブ演奏して観客を沸かせます。ミラクルズの59年の「You Can Depend On Me」ではビル・コスビ―の変な踊り、続くポップで8位の「Goin' To A Go-Go」でも変な踊りは続きます。 スターサーチでウィナーとなった「Over The Rainbow」をサム・ハリスが、そしてナイル・ロジャースがギター、ロッド・スチュワートが歌のオーティス・レディングの「Dock Of The Bay」はカッティングが入ってファンクさがあり面白いアレンジです。 デューク・エリントンのピアノ・プレイの映像からスティービー・ワンダーがピアノの「Sir Duke」のバンド演奏は最高の演出。そしてビリー・プレストンがピアノ、ジョー・コッカーとパティ・ラベルの白熱の歌の共演「You're So Beautiful」は大盛り上がりとなります。 そしてミュージカルのステージとなり、主役級しか入れないコーラスラインに、ドラマ『Fame』で有名なデビー・アレンの華麗なダンス、マリリン・マック―の29年映画『On With The Show』等で使われた「Am I Blue」での美声、ベッシ―・スミスで有名な「Gimme A Pigfoot」をジェニファー・ホリデイが、「Don't Leave me This Way」のカバーでオリジナルを超えるヒットとなったテルマ・ヒューストンはダイナ・ワシントンの「What A Difference A Day Made」を歌います。そしてアフリカ系アメリカ人初のミス・アメリカとなったヴァネッサ・ウィリアムスは「ばら色の人生」、彼女は後の92年「Save The Best For Last」でポップ、R&B共にナンバーワンの大ヒットを生み出します。ボビー・ブランドの「God Bless The Child That's Got His Own」(神は自立できる子供こそを助ける)をデビー・アレンが歌い、大団円を迎えます。 続くはニュー・エディションのポップ4位の「Cool It Now」、華麗なダンスに注目です。スティービー・ワンダーとボーイ・ジョージ、バックにはスモーキーら重鎮がコーラスでの「Part Time Lover」はボーイがちょっとアウェイさを感じさせますが健気に乗り切ります。 サザン・ソウルの雄アトランティックのウィルソン・ピケット「In The Midnight Hour」、名コンビ、バート・バカラックとハル・デビッドの曲を初めて歌ったR&Bシンガーのチャック・ジャクソンの「Any Day Now」、ビリー・プレストンがピアノ、歌うはプリンスも影響を受けたリトル・リチャードで黒人霊歌「Didn't It Rain」を披露。 そしてグレゴリー・ハインズが名タップダンサー、テディ・ヘイルを偲び踊ります。「Joy Joy Down In My Heart」はリトル・リチャード、メイビス・ステイプルス、そしてアル・グリーンとリレーで歌われ、ニュージャージー聖歌隊も雪崩れ込んでの大ゴスペル大会となります。そしてパティ・ラベルが前に出ての涙ながらの「You'll Never Walk Alone人生ひとりではない」(サッカークラブのサポーター達に歌われ人気を博しています))の大熱唱が圧巻です。 アマチュア・コンテストで優勝した時の曲と演奏後に、そうMCをするサラ・ヴォーンの「Body And Soul」。アドリブをボーカルで行った最初の人がサラですが、彼女が観客の一人だったのよと紹介したのがかのビリー・エクスタイン(ビバップ、即興演奏、つまり演奏を楽しむための音楽、それを作り出した立役者です。アート・ブレイキー、チャーリー・パーカー、マイルス・デイヴィス、そしてサラ・ヴォーンを世に送り出した人物)で、彼と二人で「Dedicated To You」を。「もし私があなたのために本を書くとしたら、私に名声と富をもたらすわ。その本は私の心そして私のようなもの。だからあなたにそれを捧げるわ。もし僕が絵を描くとしたら、君の愛らしさを表現するよ。僕の芸術は僕の心と僕自身。君にそれを捧げよう。あなたの愛は私の道を照らす灯台だから。あなたと一緒なら人生はただ一つの天国の場所になるかもしれないと知っているから」。歌って二人はキス。 そしてジェームス・ブラウンが「Please Please Please」でのマント・ショウ。テンプテーションズのリード・ボーカル、デヴィッド・ラフィンの兄ジミー・ラフィンが66年夏にリリース、ポップ7位のヒットとなった「What Becomes Of The Brokenhearted」をルーサー・ヴァンドロスとボーイ・ジョージがデュエット。 そして僅か6歳で弾けるようなタップを披露するサミー・デイヴィス・Jr.、ピアノの上でタップするバック・アンド・バブルス、ムーンウォークのエッセンスが既にあった感のティップ、タップ&トゥ、ジェームス・ブラウン、そして何よりプリンスのダンスネタが詰まったベリー・ブラザース等、古き良きダンス映像、そしてサミー・デイビス・ジュニアが登場し、名タップダンサーがステージで披露しますが、特にジミー・スライドの滑るようなダンスがとてもムーンウォーク的です。そしてやっぱり切れが一番良いのがサミーです。 コモドアーズは84年1月21日に49歳の若さで肺炎で亡くなったジャッキー・ウィルソン、そして4月1日にはマーヴィン・ゲイもこの世を去り、モータウンの仲間だった二人を追悼、「Nightshift」を披露します。ジャッキー・ウィルソンへの思いはライオネル・リッチー脱退後加入したJ.D.ニコラスが歌です。それを受けてエル・デバージがジャッキーの「Lonely Teardrops」を披露。そして飛行機事故で亡くなったオーティス・レディングの「Try A Little Tenderness」はビリー・プレストンが、銃殺されて亡くなってしまったサム・クック、彼の「You Send Me」はサムの高校時代の同級生だったルー・ロウルズが披露。そしてマービン・ゲイへの想いをウォルター・オレンジが「Nightshift」で伝えると、それを受けてルーサー・ヴァンドロスが「How Sweet it Is」を歌います。 いよいよフィナーレが近づいてきました。スティービーがテクノロジーが進化して便利になったのになぜ憎しみ合うことは無くならないのか、とMCをすると「Love's In Need Of Love Today」をジョージ・マイケルとプレイします。「今日、愛は愛を必要としている、もう待ったなし、愛を送ってください」。そしてフィナーレ曲はフォーリナーの84年のナンバーワン曲、「I Want To Know What Love Is」。なぜこのロック・バラード曲が選ばれたのでしょう。愛とは何なのか、わかったようでわからない、ある種哲学的な歌詞が理由でしょうか。オリジナルではニュージャージー聖歌隊、『ドリームガールズ』のエフィ役だったジェニファー・ホリデイが参加しているから?とにかくとても素晴らしいクロージングで、ダイアナ・ロス、そしてパティ・ラベルが登場し、更に出演者が歌い繋いでいきます。 Intro El Debarge - Rhythm Of The Night George Michael & Smokey Robinson – Careless Whisper Manhattans – Kiss And Say Goodbye The Cadillacs - Speedoo The Drifters - The Magic Moment The Drifters - Under The Boardwalk The Temptations – Superstar Four Tops - Something About You Four Tops - Papa Was A Rolling Stone The Temptations – Baby I Need Your Loving Four Tops - I Can't Help Myself The Temptations - I Know I'm Losing You The Temptations - Higher And Higher Motortown Reviews - Martha Reeves and The Vandellas, The Contours, The Supremes, Marvin Gaye, Little Stevie Wonder, The Marvelettes, Mary Wells, Smokey Robinson and The Miracles Mary Wells - Two Lovers Four Tops - Bernadette Martha Reeves - Nowhere To Run Little Stevie Wonder – Fingertips Smokey Robinson - You Can Depend On Me Smokey Robinson - Goin' To A Go-Go Sam Harris – Over The Rainbow Rod Stewart – (Sittin' On)The Dock Of The Bay Stevie Wonder – Sir Duke Joe Cocker & Patti Labelle - You're So Beautiful Debbie Allen – Tall, Tan, Teasin' Marilyn Mccoo - Am I Blue Jennifer Holiday - Pigfoot And A Bottle of Beer Thelma Houston– What A Difference A Day Made Vanessa Williams - La Vie En Rose Debbie Allen - God Bless The Child New Edition - Cool It Now Stevie Wonder & Boy George – Part-Time Lover Wilson Pickett – In The Midnight Hour Chuck Jackson - Any Day Now Little Richard - Didn't It Rain Gregory Hines – Tribute To Teddy Hale Little Richard, Mavis Staples & Al Green - Joy Joy Down In My Heart Patti Labelle - You'll Never Walk Alone Sarah Vaughan - Body And Soul Sarah Vaughan & Billy Eckstine - Dedicated To You James Brown – Please, Please, Please Boy George & Luther Vandross – What Becomes Of The Broken Hearted Sammy Davis Jr., Buck & Bubbles, Bill Bojangles Robinson, Nicholas Brothers, Berry Brothers, Coles & Atkins, Peg Leg Bates & Little Buck, Sammy Davis Jr. & the Will Mastin Trio Bunny Briggs, Chuck Green, Gregg Burge, Ludie Jones, Jimmy Slyde, Sandman Sims, Harold Nicholas, Sammy Davis Jr. Commodores – Nightshift El Debarge - Lonely Teardrops Billy Preston - Try A Little Tenderness Lou Rawls - You Send Me Luther Vandross - How Sweet It Is Stevie Wonder And George Michael – Love's In Need Of Love Today Diana Ross And All Members – I Want To Know What Love Is Pro-shot 141min.
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ミーターズ / Tipitina's 1979 Remaster (2CDR)
¥1,490
77年リプリーズからの『New Directions』で解散したミーターズ。リーダーのアート・ネヴィルは兄弟たちとネヴィル・ブラザーズを結成します。しかし解散から2年後の79年1月20日に地元ニューオリンズのティピティナズで、アートとパーカッションのシリル・ネヴィルの代わりのメンバーを加えてミーターズ名義で行なった幻のライヴがステレオ・サウンドボードで存在します。今回DATマスターからのデジタル・ソースと、長年いつ行われていたか不明だったトレーダーのCDRをチェックしたら、時折リード・ヴォーカルでウィリー・ウエストが歌っていたため特定出来たもう一つの音源、二つを使って様々なリマスタリングを施し超高音質の2CDRになっての画期的なリリースです。ベースのジョージ・ポーターJr.とドラム、そしてリード・ヴォーカルとなったジョー・ジガブー・モデリスト、ギターのレオ・ノセンテリ、そして前述した60年代からニューオリンズで活躍している伝説のシンガーのウィリー・ウェストと、アーマ・トーマス、ジョニー・アダムス、ソロモン・パークらのバンドに参加していたニューオリンズ屈指の職人キーボード奏者のクレイグ・ローテンを加えた特殊編成となっています。ミーターズの代表曲をアートなしでまた違った魅力でプレイしている、ニューオリンズ・ファンク土壌由来の醍醐味が味わえる素晴らしいタイトルです。 Tipitina's New Orleans, La., USA January 20, 1979 Disc 1 01. Just Kissed My Baby 11:18 02. Got Me Someone Else (And I Just Don't Need You) (?) 5:03 03. The Funky Soldier (Keep On Marchin') 7:09 04. Funkify Your Life 12:26 05. Africa 5:57 06. People Say (first version) 5:11 Disc 2 01. Fire on the Bayou 12:45 02. Ain't No Use 8:24 03. Drums 2:11 04. Bass 2:08 05. jam 5:32 06. People Say (second version) 7:24 Zigaboo Modeliste, drums, lead vocals George Porter Jr., bass, vocals Leo Nocentelli, guitar, vocals Craig Wroten, keyboards, vocals Willie West, vocals (occasional lead vocals)
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アレサ・フランクリン / Montreux 1971 Movie (1DVDR)
¥990
名盤『Live at Fillmore West』と同時期となる71年6月12日モントルー、既にサウンドボード音源があります。 https://purpletown.buyshop.jp/items/13944933 今回はその映像盤DVDRです。67年より続いている世界最大のジャズ・フェスティヴァル、モントルー・ジャズ・フェスティヴァル。映像右下に元のロゴを隠すように更なるロゴが入っています。そして多少の映像ぶれや、編集の荒さがありますが、比較的上質なテープをマスターにしており、アレサ・フランクリンとキング・カーティスのキングピンズによるの最高のステージが楽しめます。キングのバックバンド、キングピンズがアレサ・フランクリンで勤めているのも、フィルモアと同じ構成です。 King Curtis (T/A/S Sax), Cornell Dupree(Guitar), Jerry Jemmott (Bass), Truman Thomas (Organ), Bernard Purdie (Drums),Warren Smith (Percussion)。 凄い面子をバックに歌う絶頂期のアレサ。前座のように同時収録されているのが心憎いし、こうやって観ると、ジェームス・ブラウンのJB'sのように、素晴らしいソウル・アーティストはステージで一体化となる素晴らしいバンドメンバーを必ず持っていたんだ、と当たり前のことを思ってしまいます。アトランティックと専属契約を結んでいたキング・カーチィス。この時点で最高のキャリア、最高のR&Bのサックスプレイヤーだったと言って良いでしょう。最高のテナー・サックス(あと歌声)を持っている彼が、アレサのバックにいたのです。キングピンズはコーネル・デュプリー(彼は72年事故にあいますが、その後復帰しています))激しいギターソロ、リフを組み込んだロックな要素と、バーナード・パーディ(70年よりバンマス)のドラムとジェリー・ジェモットによるベースの複雑なシンコペーションとポリリズムによるファンク的要素を取り入れて、ニューソウルへの流れを作る、力強くも斬新なアレンジを行っていました。無名であったダニー・ハザウェイを発掘したキング・カーティスがもし生きていたら(71年7月にジョン・レノンの『Imagine』のセッションでソロを吹き入れ、そして8月14日に、新品の窓用エアコンを担いでの帰宅時、ニューヨークの自宅アパートメント前にて麻薬中毒者と口論になり、ナイフで刺され、そのまま搬送先の病院で亡くなります)、このモントルーの映像を観るとそう思わされ、ジーンと来るものがあります。そして「Brand New Me」辺りのアレサの重厚な歌声ながら、あっさり弾くピアノ、そんなあどけないシーンが、まだアレサはその後のキングの運命を知らないんだよなーと、つい感情が入ってしまいます。それでも涎が出ているのも気が付かないほどのテンションの高さと孤高なソウルフルさで満ち溢れた演奏が映像で観れることの素晴らしさが悲しみに増さります。「Respect」の卒倒物の素晴らしさ。「Natural Woman」、「Bridge Over Troubled Waters」と白人の歌でさえもそのメッセージは一緒とばかりにゴスペル・フィーリングで歌い上げ、黒人に夢と希望を与え続けた喉を誇らしい程に魅せつけています。絶頂期でもありますが、そういう時期とは無関係にアレサは常に真摯に歌を歌い続けている、妥協皆無の人だった、そう思わせてくれるソウルがここには間違いなくあります。 Montreux Jazz Festival June 12, 1971 King Curtis And The Kingpins Jam A Whiter Shade Of Pale Ridin' Thumb Soul Serenade Memphis Soul Stew Aretha Franklin & The Kingpins Backstage Scene Natural Woman I Say A Little Prayer Call Me Brand New Me Share Your Love With Me Don't Play That Song Bridge Over Troubled Water Dr. Feelgood Spirit In The Dark Reach Out And Touch (Somebody's Hand) Dr. Feelgood (Reprise) Pro-shot 71min.
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リサ・スタンスフィールド / All Around The World 2001 (1CDR)
¥990
リサ・スタンスフィールドの5枚目のアルバム『Face Up』リリース時の01年6月27日、BBCラジオ・シアタ―でのライブを最強のサウンドボード録音で収録!ソングライターとしてのセンスが抜群の彼女、楽しんで作ったという『Face Up』からのタイトル曲や「8-3-1」、「Let's Just Call It Love」、「How Could You?」、実はこれらがUKソウルとして隠れ至高となっていて、それらがライブ・アレンジで聴けるのが嬉しい限りです。そして彼女のヒット曲も当然歌ってくれており、古くは89年コールドカットの「People Hold On」、ナンバーワン・ヒット「All Around The World」の絶対的名曲マナー、映画『ボディーガード』のサントラでUKトップ10となった哀愁の「Someday(I'm Coming Back)」や97年UK9位の「The Real Thing」、後インコグニート的ダンスの「Change」といった代表曲をフィジカルにライブ披露。ダンス・ポップなシンガーでありながら適度なソウルフルさがとても心地良い、そんな一度聴いて魅力を知って頂きたい素晴らしいライブとなっています。 live at the BBC Radio Theatre, 27th June 2001 1. 8-3-1 4:23 2. The Real Thing 4:09 3. Face Up 4:58 4. So Natural 5:21 5. Let's Just Call It Love 4:13 6. How Could You? 4:38 7. Change 5:31 8. Someday(I'm Coming Back) 3:59 9. All Woman 5:48 10. Live Together 4:56 11. People Hold On 3:53 12. All Around The World 4:57 Lisa Stansfield - Lead Vocals Ian Devaney - Keyboards, Guitar Dave Oliver - Keyboards John Thirkell - Trumpet Mick Donnelly - Saxophone, Flute Davide Mantovani - Bass Snowboy - Percussion Davide Giovannini - Drums Andrea Grant - Backing Vocals Producers Sarah Gaston and Paul Long
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スティーヴィー・ワンダー / Video Collection (1DVDR)
¥990
スティービー・ワンダーのテレビ・コンピレーションDVDRの登場です。キャリア初期から80年代まで有名映像を幅広く網羅しており、特に日本で放送された映像を率先して収録しているのが嬉しいです。まずエド・サリバン・ショウも日本語字幕入り且つ解説も日本語、そしてクリアな映像です。若きレイパーカーJr.がギターで居るセサミ・ストリートはトークボックスで歌う「Sesame Street Theme」が激ファンキー。「迷信」と紹介され歌詞和訳が入る「Superstition」はゆったりとしたグルーブからスティービーのMayby your babyの叫びより「Maybe Your Baby」の演奏にチェンジし暫くしてまた「Superstition」に戻るスリリングな展開が最高です。そしてローリング・ストーンズの演奏にスティービーが入って彼が主役となっての「Uptight」はレイパーカーが最高のカッティングを入れています。そして「Satisfaction」はミック・ジャガーとスティービーのデュエットで、パーティーのようなステージとなります。ドン・コーネリアスが(世界の7不思議ではなく)8th Wonderと紹介して始まるソウルトレインは、インタビューが日本語訳が入るので、迷信深いより信心深い方が良い等のスティービーの素晴らしい言葉が理解できます。そして出番を待っている間に作ってしまったという「Soul Train」、日本語歌詞が無いので、ここに簡単に記載しておきます。「ソウルトレイン、ドン コーネリアスと共に、ブラザー、シスター、みんなが集まる場所、最高の女性たち、ソウルトレイン・ダンサー、心を自由に、迷信深いのは良くないよ!」。オーリー・E. ブラウンが笛を吹きながらドラミングするのが印象的なMedia Sound Sessionはこの時期の貴重な楽曲をスタジオ演奏してくれています。しかも未発表曲「Fine Young Thing」はワンダーラブのコーラスも溶け込ませた最強のゴスペル・ファンク。ラルフ・ハマーのいぶし銀ギターも冴えます。スティービーのキーボードのフレーズが変化する「Superstition」はスティーブ・マダイオの嘶くトランペット、そしてスコット・エドワーズのベースがグルービーですが、クロージングが特に画期的です。グラミー賞、「お前らは結局何もしやしない」と迫力たっぷりにサウンドで怒る「悪夢」の演奏も良いですが、エラ・フィッジェラルドが居る前で「You Are The Sunshine Of My Life」を演奏する予定だったのに、エラがジャズ・カバーして有名な「A Tisket, A Tasket」をスティービーがサプライズで歌うのには鳥肌です。「ラスタの精通者、師匠」を意味する「Master Blaster」は7月より熱い盛り上がり。American Music Awards 1982では、功労賞を取ったスティービーへ超有名アーティスト達が言葉、そして歌を贈る、それらも日本語訳されていて嬉しいです。どんな人がいるか、是非映像を観てご確認ください。スティービーが感動して泣いていますよ...そんな彼が「音楽は誰にでも理解できる言語がある世界」と「Sir Duke」で彼らに応え、R&Bチャート9週連続1位を獲得した究極ラブソング「That Girl」を歌い、「Superstition」で締めくくります。 Motown 25は綺麗な映像ですが、字幕はありません。以下の完全版収録のDVDRにはあります。 ヴァリアス・アーティスツ / Motown Legacy (2DVDR) https://purpletown.buyshop.jp/items/95395809 84年、85年American Music Awards、オリジナルとなるブレッド&バターの「特別な気持ちで」のI love youも良いですが、スティービーの「特別じゃなくても」のI love youもステキな歌詞「I Just Call To Say I Love You」の演奏、そしてその翌年には真逆に夫婦ダブル不倫の歌「Part Time Lover」をプレイしているという事実も確認できます。 ●Ed Sullivan Show 1964 Fingertips ●Ed Sullivan Show 1968 For Once In My Life You Met Your Match / Alfie ●BBC Lifetime Achievement Awards 1972 You Are The Sunshine Of My Life ●Sesame Street 1972 Superstition Sesame Street Theme ●Wonder Love In 1972 Superstition / Maybe Your Baby ●Rolling Stones 1972 Tour Uptight / Satisfaction ●Soul Train 1972 Signed, Sealed, Delivered, I'm Yours / Interview Superstition Interview / Soul Train ●Media Sound Session 1973 Flip Side / Introduction / Interview All In Love Is Fair Fine Young Thing / Interview Superstition / Interview / Outroduction ●Grammy Awards 1973 You Are The Sunshine Of My Life ●American Music Awards 1974 Superstition ●Grammy Awards 1974 You Haven't Done Nothin' ●Grammy Awards 1978 A Tisket, A Tasket ●American Bandstand's 30th Anniversary Special 1981 Master Blaster ●American Music Awards 1982 Intro / Interview / Tribute Session To S.W. Sir Duke / That Girl / Superstition ●Motown 25th Anniversary 1983 I Wish Uptight / Signed, Sealed, Delievered I'm Yours / My Cherie Amour / Sir Duke / You Are The Sunshine Of My Life ●American Music Awards 1984 I Just Called To Say I Love You ●American Music Awards 1985 Part Time Lover Pro-Shot 124min.
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ラリー・グラハム / Video Collection (1DVDR)
¥990
アップライトベースのスラッピング奏法を応用し、チョッパーベースを開発したラリー・グラハム。彼がスライ・ストーンのオリジナルのベーシストであり、金字塔「Thank You」で初めて彼が披露し一躍注目を集めました。スライとの喧嘩から、その後さほど時間を経ずに、自身のバンドGraham Central Staionを結成し、数多のファンキーな楽曲を作りヒットを連発させています。正直このGCSになってからのが、スライの一連の曲よりも黒く、ファンクしています(一転80年代はバラード主体となってしまうのですが)。ラリー・グラハムの映像、ご存知プリンスと絡み始めた90年代後半からは映像は多いですが、70年代は極端に少ないので、故に誰もがその絶頂期の映像を見たいと切望していました。今回その70年代の映像をかき集めてのリリースです。とにかく前半のGCSの演奏は、スライの骨格をラリーが担っていた、という以上に新しい時代のファンクを切り開こうとした感が暴発してて、鳥肌の連続です。また75年の「Feel The Need」のスタジオクリップ、日本語字幕でバンドを紹介しているので、日本で放送された映像なのでしょうが、大変貴重です。そしてソウルトレインは残念ながら口パクですが、スペース・ファンク「Paw」が最高のビジュアル。97年モントルー・ジャズ・フェスでのライブではスライの妹ローズ・ストーンが参加しています。「The Jam」ではラリーが紹介するのではなく、メンバ―がそれぞれ自分を紹介するという構図はレア。プリンスと共にライブを行い始める前夜とも言うべき映像なので、プリンスとのラリーだけを知るのなら大変興味深い部分が多いです。スライがやった観客置き去りをやるのも必見。そしてプリンスとの代表的映像、99年のSeptimo。ラリーよりプリンスが面目躍如なのですが、それもまあご愛敬です。ラリーのベース・プレイはもちろん、天賦の美声、更にGCSのバンド・アンサンブルに是非鳥肌立ててください。 ●Don Kirshner's Rock Concert 1974 1.Can You Handle It? 2.It Ain't No Fun To Me - Release Yourself ●Music Video 1975 3.Feel The Need ●The Warner Brothers Music Show 1975 4.Your Love 5.It's Alright ●Soul Train 1978 6.My Radio Sure Sounds Good To Me 7.Is It Love? 8.Pow ●Fridays 1978 9.My Radio Sure Sounds Good To Me ●Montreux Jazz Festival July 11, 1997 Featuring Rose Stone 10.Dance To The Music 11.The Jam 12.Thank You (Falettinme Be Mice Elf Agin) ●Septimo, Spain TV, Sep 22, 1999 w/Prince & The NPG 13.The Jam 14.Everyday People - Freaks On This Side Pro-shot 79min.
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アル・グリーン / Video Collection (2DVDR)
¥1,490
69年ハイ・レコードのプロデューサー、ウィリー・ミッチェルと出会い彼ののプロデュースの下、「Tired Of Being Alone」(全米11位)、「Let's Stay Together」(全米1位)、「I'm Still In Love With You」(全米3位)とヒットを連発して、一躍スターとなったアル・グリーン。堂々2枚組のコンピレーションDVDRの登場です。まずDisc1、72年のWNETの番組Soul!の映像、同年の大晦日のイベント(日本語の字幕入り)は大変貴重です。そしてブラスロックバンドのシカゴがリハーサル中に、アルが入ってきて突然歌いだすという奇想天外なショット、ソウル・トレイン、グラミー賞は日本語字幕入りです。そしてDisc2は74年Midnight Specialを放送分完全収録しています。絶頂期の72年から74年までほぼ完璧にコンピレーションしていて最高です。74年に恋人から熱湯をかけられて火傷を負ってしまうアルは、その事で牧師になる事を決め、ゴスペル・シンガーとなります。そして90年のアポロシアターでのライブ映像、日本での放送をとてもクリアに収録していますが、ここでも彼のゴスペル・シンガーとしての素晴しいステージが堪能できます。彼の言葉が日本語字幕でわかります。もちろんアルのヒット曲も歌われ、グイグイ惹き込まれてしまうことでしょう。 DVDR1 98min. ●'Let's Stay Together' PBS TV Soul! WNET Studio, New York, NY, 22-Oct-1972 1.What A Wonderful Thing Love Is (Intro) - Interview 2.Tired Of Being Alone 3.Look What You Done For Me 4.How Can You Mend A Broken Heart? 5.I'm Still In Love With You 6.Judy 7.You Ought To Be With Me 8.Love And Happiness 9.We've Only Just Begun 10.Let's Stay Together ●'New Years Rockin' Eve' 31-Dec-1972 11.Induction - I'm Still In Love With You 12.You Ought To Be With Me 13.Let's Stay Together ●'In The Rockies' 1973 With Chicago 14.Tired Of Being Alone ●'Soul Train' 1973 15.Intro - You Ought To Be With Me 16.Q & A 17.For The Good Times 18.Love And Happiness - Outroduction ●'16th Annual Grammy Awards' 1974 19.Call Me DVDR2 99min. ●'The Midnight Special' 04-Oct-1974 1.Sweet Sixteen 2.Tired Of Being Alone 3.Here I Am (Come And Take Me) 4.Let's Get Married 5.Interview #1 6.Love And Happiness 7.Let's Stay Together 8.Interview #2 9.I'm Still In Love With You ●'Live From The Apollo Theatre' Apollo Theatre, New York, NY, 08-Dec-1990 10.L-O-V-E 11.In The Holy Name Of Jesus 12.I Wanna Be Ready - Sermon 13.Jesus Will Fix It - Sermon 14.Medley : Amazing Grace - Mother Story - Mirror Me - Be With Me Jesus 15.Mighty Cloud Of Joy 16.As Long As We're Together 17.Let's Stay Together 18.How Can You Mend A Broken Heart? - Sermon 19.Lord Will Make A Way 20.Tired Of Being Alone - The Dock Of The Bay Pro-shot Total 197min.
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マイケル・ジャクソン / Thriller Sessions Definitive Edition Vol.5 (1CDR)
¥990
モンスター・アルバム『Thriller』がどのようにして作られていったのか、可能な限り時系列でマイケル・ジャクソンのデモ、オルタネイト・バージョン、未発表曲を並べ検証していきます。今回はその第五弾、最終エディションとなります。 『Thriller』制作中、マイケルとクインシ―ジョーンズの間には創作上の相違が生まれていました。クインシーは当初、「Billie Jean」をレコードに入れたいと考えていませんでした。マイケルが収録することを強く主張したため、クインシーはイントロを短くしたり、タイトルを「Not My Lover」に変更することを提案したりしました。 「優れた曲とパフォーマンスを詰め込んで、ミックスダウンも含めて、全て完璧に行ったが、私たちが手にしたのは「24カラットの“音の糞”」だったんだ。レコードは現実的に制作しなければならない。A面、B面それぞれを19分以内にしなくては。それが原則なのだ」。クインシー・ジョーンズ自伝より。 前回Vol.4ではアルバム『Thriller』の音の糞エディションを可能な限り再現してみました。そして今回はクインシーの言う現実的なレコード、A面、B面それぞれを19分以内、究極のセールスとなろう『Thriller』を再現します。 82年11月8日にアルバムは完成、リリースされた『Thriller』はトータル42分19秒です。クインシーの望むバージョンのためにはあと4分程カットしなくてはなりません。それを可能にするのはシングル・バージョンの存在です。アルバム・バージョンの更なるエディットとなっており、その作業は『Thriller』編集作業中に行っていたはずです。そのバージョンは「Wanna Be Startin' Somethin'」、「Thriller」、「Beat It」そして「Human Nature」の4つです。結果トータル37分39秒となりました。クインシーが望む『Thriller』はきちんと成立するのです。実際聴くと「Wanna Be Startin' Somethin'」がとてもスピーディーに終了し、「Thriller」に冗長さが無くなりますがフェード・アウトなのは真の終わり方ではないですね。「Beat It」はエディ・ヴァン・ヘイレンのギター・ソロもちゃんと入っていて存在感が十分あります。「Human Nature」はいささか物足りなさを覚えますが、フルレングスが12インチ・バージョンで聴ければきっと更に曲の魅力を再確認することになる効果が期待できます。このアルバムでのリリースとなっていたら、沢山のヒット曲が生まれ、そのフルレングス・バージョンが12インチで聴けて、更に「Carousel」等をB面曲にしていたら、やはりモンスターなセールスを上げていたと思えます。まあそれも「Thriller」のエディットがしっかりクローズしていたらば、ですが。 そして『Thriller Sessions Definitive Edition』Vol.1からVol.4に入りきれなかったデモをここで収録させました。まず「The Girl Is Mine」のマイケルがメロディを模索している所を捉えた音源です。そして79年のデモ。「The Girl Is Mine」はもっと後にマイケルによってつくられたはずで79年ではないはずなので、フェイクでは、という話もありますが、これを聴く限りマイケルの声ですし、クインシーに言われてマイケルが作った後半のマイケルとポールの語り部分もマイケルの時折混ざる地声によって萌芽のように入ってはいます。ただそれでも79年に作られていたということもワンチャンあります。あえて記載されているそのままにしました。 そして82年のレコーディングということで「Human Nature」のピアノをバックにマイケルが歌う音源。82年なのかどうかなのですが、きっとそうでしょう。そして歌い方も微妙に違い新しいアイデアが入っており、ファンメイドではありません。そして「Human Nature」のアコースティック・ギターをバックに歌うUnpluggedバージョン。これはファンメイドだと思われますが、かなり美しい出来なので収録させました。 『Thriller』の制作時に作られていた「Someone In The Dark」はマイケルが E.T. the Extra-Terrestrialのオーディオブックのプロモーション・シングルとしてリリースされた曲です。このトラックは、「Opening Version」と「Closing Version」の歌詞が異なる2つのパートに分かれています。それらは『Thriller』リリース時期に重なるため、今回並べて収録させました。その展開を含めお楽しみください。尚この曲がどのような顛末となったか、そのエピソードは以下のタイトルに詳しく書かれていますのでご参考ください。 マイケル・ジャクソン / Sunset Driver (1CDR) https://purpletown.buyshop.jp/items/97624399 82年12月1日に発売された『Thriller』。既にファースト・シングル「The Girl Is Mine」は2位の好セールスとなっていました。マイケルの最初のコラボレーション、マイケルのソフト・ロックへの傾倒を強調するべくポール・マッカートニーが招聘され、彼と「The Girl Is Mine」において共同リードボーカルを務めました(当初はフレディ・マーキュリーを含む他の歌手も念頭に置いており、『Thriller』のリリースの翌年、フレディとすぐに共作することになります)。 2枚目のシングル「Billie Jean」は、新しい、そして名付けようもない領域へと突き進むことになります。「Billie Jean」はポップの爆発的なヒットとなり、アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダのチャートでトップになりました。このシングルの成功の要因の1つは、その印象的なミュージック・ビデオにあることは間違いありません。このビデオは、当時まだ新進気鋭だったMTVの暗黙の人種的障壁を初めて打ち破ったということです。マイケルの後、MTVは黒人アーティストを多く放送するようになります。このシングルの成功のもう一つの要因は、83年のモータウン25周年記念特別番組 『モータウン 25: イエスタデイ、トゥデイ、フォーエバー』 でのセンセーショナルなパフォーマンスです。83年5月16日に放送され、マイケルは彼の代名詞であるムーンウォーク (後ろ向きに滑っているように見える動き) を披露し、成熟した才能を世界にアピールしました。 そして最も注目すべきことは、エディ・ヴァン・ヘイレンが「Beat It」でリードギタリストとしてフィーチャーされ、ポップ史で最も象徴的なギターソロを生み出したことでしょう。エディがマイケルをメタリックなハード・ロックへの接近の橋渡しをしたのです。そんな「Beat It」は映画のようなビデオだったこともあり、MTVでまたもや大ヒットとなり、『Thriller』を成層圏に押し上げるのに役立ちました。 アルバムはディスコからポップ、ソウルへと滑らかに流れ、彼の幅広い音楽性をマジカルと呼んでいい形で披露しています。それらを「Wanna Be Startin' Somethin'」、「Human Nature」、「P.Y.T. (Pretty Young Thing)」とリリースしていき、全てでトップ10入りし『Thriller』はアルバム・チャート1位の座を守り続け、最後のシングル「Thriller」ではミュージック・ヴィデオ以上の大作となりました。マイケルは監督のジョン・ランディスにこの曲を短編ミュージカル・ホラー映画に仕立て上げるように依頼しています。 アルバムが2年間のチャート入りを終えるまで、83年2月26日から84年4月14日までの間、37週間1位に輝き、2900万枚を売り上げ、史上最大のセールスを記録したアルバムとなったわけです。 マイケル・ジャクソンが『Thriller』についてこう語っています。「完全なる転換でした。幼い頃から作曲を勉強してました。最も影響を受けたのはチャイコフスキー。『くるみ割り人形組曲』のようなアルバムを聴いてみると、すべての曲が素晴らしいんです。だから僕は自分に問いかけた『すべての曲が素晴らしいポップ・アルバムがあってもいいんじゃないか?』って」。 更に『Thriller』リリース以降の音源を収録させました。ポール・マッカートニーの『Pipes Of Peace』にある「Say Say Say」が81年4月から5月、それと同時期の81年5月に「The Man」のデモをポールは作っていました。この時マイケルは「Say Say Say」みたいにデュエットしたいとポールに申し出たそうですが、その時点では完成しておらず、83年2月にマイケルがロンドンに訪れて更にレコーディングをし、6月8日に完成させています。その「The Man」を収録。 そしてグレン・バラード、ブリー・ハワード、デイヴィー・ファラガーによって書かれ、クインシー・ジョーンズがプロデュースした「Nite Line」。ポインター・シスターズへ提供され『Break Out』で「Nightline」と名前を変更し収録されました。今回マイケルとポインター・シスターズのボーカルを巧妙にブレンドしたゴージャスな「Niteline(Feat. Michael Jackson)」のファンメイドを収録しました。 更に「Thriller」のMVを超えた映画、そのエフェクトを含めた「Thriller」のファンメイドのエクステンデッド・バージョンを収録。今回の『Thriller Sessions Definitive Edition』シリーズのラストのオーラスに相応しいクロージング曲となっています。 1.Wanna Be Startin' Somethin' (Single Version) 4:19 2.Baby Be Mine 4:20 3.The Girl Is Mine 3:42 4.Thriller (7" Special Edit) 4:38 5.Beat It (Edit) 3:05 6.Billie Jean 4:53 7.Human Nature (Single Version) 3:46 8.P.Y.T. (Pretty Young Thing) 3:58 9.The Lady In My Life 4:58 10.The Girl Is Mine (Home Songwriting) 3:18 11.The Girl Is Mine (Home Demo 1979) 3:10 12.Human Nature (Piano And A Microphone Session 1982) 4:33 13.Human Nature (Unplugged Version) 4:10 14.Someone In The Dark (Opening Version) 4:53 15.Someone In The Dark (Closing Version) 3:06 16.The Man (Remastered 2015) 3:56 17.Niteline (Pointer Sisters Feat.Michael Jackson) 4:13 16.Thriller (Extended Version) 9:41
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マイケル・ジャクソン / Thriller Sessions Definitive Edition Vol.4 (1CDR)
¥990
モンスター・アルバム『Thriller』がどのようにして作られていったのか、可能な限り時系列でマイケル・ジャクソンのデモ、オルタネイト・バージョン、未発表曲を並べ検証していきます。今回はその第四弾となります。 アルバム『Thriller』から先行する形で82年10月23日にリリースされたファースト・シングル「The Girl Is Mine」。その曲は冒険を示唆するものではありませんでした。マイケルはポールとのデュエットをアルバムのリード・シングルとしてリリースすることでまずは安全策を取ったと言えるでしょう。B面曲は「Can't Get Outta The Rain」。これは「You Can't Win (Part.2)」を再レコーディングした曲です。「You Can't Win」はチャーリー・スモールズが作曲し、クインシー・ジョーンズがプロデュース、74年にボルチモアで上演されたミュージカル『ザ・ウィズ』のために作られました。ですがブロードウェイの公式オープニングからカットされ、映画『ザ・ウィズ』の制作が始まるまで演奏されることはありませんでした。映画の制作中、マイケルが歌うこととなり、77年11月から78年1月にかけて録音され、「I Was Born On The Day Before Yesterday」の代わりにマイケルが演じた案山子の際に使われました。オリジナルのサウンドトラックを録音した後、マイケルはクインシー・ジョーンズと共にスタジオに戻り、78年夏『Off The Wall』風のプロダクションでこの曲を再録音しました。最終的に79年1月11日にシングルとしてリリースされ、モータウンを去ったマイケルの最初のソロシングルとなりました。「You Can't Win」は2部の曲となっています。前半は正式なヴァースとコーラス、後半はアドリブとバックボーカルの構成となっています(04年の『Ultimate Collection』に収録のものは7分の1曲にまとめられたバージョンです)。82年10月18日、「You Can't Win」(Part 2)の再録音版「Can't Get Outta The Rain」がシングル「The Girl Is Mine」のB面としてリリースされました。しかしそれは基本的に元曲のパート2なのですが、「you can't get outta the game」の歌詞が「you can't get outta the rain」に置き換えられ、オーバーダブもいくつか追加されています。そして作曲クレジットにチャーリー・スモールズの名は無く、クインシーとマイケルのみとなっています。 このファースト・シングルがリリースされ、チャートの2位となる頃、『Thriller』のテスト盤が完成します。スタジオでは、エピック・レコードのブラック・ミュージック部門の責任者ラーキン・アーノルドがシャンパンを開けて聴く瞬間を待ち焦がれていました。いざ皆でそのマスター・テープに耳を傾けました。 「...それは完全な失敗だった。優れた曲とパフォーマンスを詰め込んで、ミックスダウンも含めて、全て完璧に行ったが、私たちが手にしたのは「24カラットの“音の糞”」だったんだ。スタジオは静まり返っていたよ。アルバムにあまりにも多くの要素を加えすぎていた。ビッグでファットなサウンド、グル―ヴ、それらが乏しいとサウンドがどうしても貧弱になる。だからレコードの両面それぞれに28分間、そんな音楽を敷きつめた。聴いたスメリー(マイケルの愛称)は「うわっ、ジェリー(最高のダンス曲の意味)だ。思わずダンスしたくなるよ」と言ったよ。だがレコードは現実的に制作しなければならない。A面、B面それぞれを19分以内にしなくては。それが原則なのだ。私たちは頭を抱えた。マイケルは「今さらどうすればいいのだろう」と涙ながらそう言った。結局、私たちは2日休み、その後の8日間で1日1曲のペースでミックス・ダウンを行い、いっきにアルバムを完成させた。「The Lady In My Life」をロッド・テンパートンはそのヴァースを1か所削除し、マイケルは「Billie Jean」の長々としたイントロの“ジュリー”なパートを捨てることに同意した。そして、何かが働き、『Thriller』はアルバムの域を超える何かへと昇華したんだ」。クインシー・ジョーンズ自伝より。 今回、このおよそ56分の『Thriller』24カラットの“音の糞”エディションを再現しようと試みました。 まずリリースされたアルバム『Thriller』はトータル42分19秒です。クインシーの原則19分X2=38分を4分既に超えています。 さてリリースされた12インチのバージョン、そして「The Lady In My Life」のフル・レングス・バージョンで『Thriller』を基本構成しました(例外は後述します)。 「Wanna Be Startin' Somethin'」は6分2秒ではなく、12inch Versionの6分30秒に(12インチの記載ではただ「Wanna Be Startin' Somethin'」とだけ書かれていますがロング・バージョンです)。「Baby Be Mine」はロング・バージョンがなく4分20秒そのまま。「The Girl Is Mine」は既にシングルとなっていますからそれをカットするわけにはいかないはずで3分41秒そのまま。そして「Thriller」はロング・バージョンがありますが、実はアルバムと同じレングスで5分57秒、同じバージョンです。「Billie Jean」には12インチのロング・バージョンがあり、4分54秒ではなく6分23秒となります。「Beat It」、「Human Nature」はロング・バージョンが無くそれぞれ4分18秒、4分6秒とそのままです。そして「P.Y.T. (Pretty Young Thing)」(3分59秒)、これもロング・バージョンがないはずなのですが、フェードアウトで終るインストが存在し(5分40秒)、そのバッキングとほぼ同じNick Long Version(5分41秒)マルチトラックからのファンメイドがあります。ファンメイドとしてはかなり本当度が高く、今回例外ながら音の糞エディション用に収録しました。そして最後の「The Lady In My Life」は3分58秒のアルバム・バージョンより遥かに長い6分30秒です(多少無音部分がふくまれています)。これでトータルは47分16秒(「P.Y.T. (Pretty Young Thing)」をアルバム・バージョン3分59秒とするなら45分47秒)。56分より9分(10分)以上も足りません。「The Lady In My Life」は1ヴァース省略したとありますが、フル・バージョンに比べればもっともっと削られていることになります。そしてこれまでのリリース『Thriller Complete Sessions』Vol.1からVol.3を聴くとお分かり頂けるかと思いますが、長いバージョンはありますが、全てデモ音源で、アルバムに収録させるべく作られた完璧なバージョンではありません。唯一「Wanna Be Startin' Somethin'」のデモからは編集出来る余地のようなものはありますが、それをそのままアルバムに入れていたとは思えませんでした。実際30秒程長い12インチ・バージョンがあるので、そちらが音の糞エディション用だと思えます。 よっておよそ56分の『Thriller』24カラットの“音の糞”は現存の音源からは再現不可能です。しかしそれでもその47分エディションをまず収録しました。 ここからは仮説です。クインシーが計算間違えで47分バージョンが実は音の糞ではないか。あり得ると思います。46分の方でも十分長すぎるのです。共に46分のカセットテープにはきっと入り切れないと思います。 アルバム片面は30分が限度とされています(クイーンの『Greatest Hits』がA面30分4秒、B面30分58秒、またカラヤンの「田園」を37分43秒収録したLPが存在します)。ですので片面28分をLPに入れることは可能です。8日間で1日1曲のペースでミックス・ダウンを行い、いっきにアルバムを完成させた、これは「The Girl Is Mine」以外の8曲をそうした、ということです。「Billie Jean」の89秒、「The Lady In My Life」約2分半の削られたと確定出来る分を除いて、42分19秒の『Thriller』にするためには、それぞれの曲を平均すると、2分位エディットすることになる計算です。実際そのようなことをした「Wanna Be Startin' Somethin'」では、曲中から色々ピックして何とか30秒弱削っています。素晴らしい功績の編集が施されているのは聴いたらわかることでしょう。この30秒を一日でやったというのでさえちょっとした奇跡に思える程です。しかしそれでも30秒、平均カット時間の四分の一です。他の曲にも同様、それ以上の編集を行ったということになると、かなり魔法のような作業のように思えます(後半部分をバッサリ切ってフェード・アウト処理、そんなラフな仕事ばかりならば別ですが)。 片面28分を19分にするというのは実質1曲から2曲を完全にカットする位でもしないとです。なので「Human Nature」収録で落選した「Carousel」、これも音の糞に足してみました。これでもトータル50分56秒(49分13秒)。ならば「Can't Get Outta The Rain」も追加、こうしてやっと55分1秒(53分18秒)です。「Can't Get Outta The Rain」がPart1も作られているとするなら、更に3分以上追加されることになり、56分以上になります。まあこうなってくると最早『Thriller』らしさが無くなってきますね(よって「You Can't Win」は未収録としました)。 更に「Wanna Be Startin' Somethin'」と「Billie Jean」、「Thriller」の12インチ収録の12インチ・バージョンのインスト、そして「P.Y.T.」は12インチに収録されているアルバム・バージョンのインストではなく、ロング・バージョンのインストを収録。尚「P.Y.T.」の12インチのインストは以下のタイトルに収録しています。 マイケル・ジャクソン / Genesis (1CDR) https://purpletown.buyshop.jp/items/97726394 1.Wanna Be Startin' Somethin' (12" Version) 6:30 2.Baby Be Mine 4:20 3.The Girl Is Mine 3:42 4.Thriller 5:57 5.Beat It 4:18 6.Billie Jean (Long Version) 6:19 7.Human Nature 4:05 8.P.Y.T. (Pretty Young Thing) 5:41 9.The Lady In My Life (Full Version #2 Edit) 6:24 10.Carousel 3:40 11.Can't Get Outta The Rain 4:05 12.Wanna Be Startin' Somethin' (Instrumental) 6:33 13.Thriller (Instrumental) 6:00 14.Billie Jean (Instrumental Version) 6:19 15.P.Y.T. (Pretty Young Thing) (Instrumental Long Version) 5:40
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マイケル・ジャクソン / Thriller Sessions Definitive Edition Vol.3 (1CDR)
¥990
モンスター・アルバム『Thriller』がどのようにして作られていったのか、可能な限り時系列でマイケル・ジャクソンのデモ、オルタネイト・バージョン、未発表曲を並べ検証していきます。今回はその第三弾となります。 「Nite Line」はグレン・バラード、ブリー・ハワード、デイビー・ファラガーによって作曲され、クインシー・ジョーンズによってプロデュースされ、82年8月の『Thriller』セッション中に録音されました。しかし採用されず、ポインター・シスターズに提供され、アルバム『Break Out』で「Nightline」と改名され収録されました。ランディ・クロフォードも提供されておりアルバム『Niteline』の1曲目に収録されています。ここではそのマイケルがボーカルのリーク音源を収録しています。 「Hot Street」はロッド・テンパートン作、クインシー・ジョーンズのプロデュースで、82年8月から9月にかけてウェストレイク・レコーディング・スタジオで録音されました。当初「Slapstick」というタイトルで、歌詞はまったく異なっていました。マイケルはこの曲を大変気に入り、アルバム収録したいと考えていましたが、収録するほどの力強さがないと結局判断されました。マイケルは次のように語っています。「うん「Hot Street」は好きだよ。あの曲は大好きだ。クインシーとロッドは十分良いとは思わなかったんだけど、僕は素晴らしいと思った」。「僕にはドタバタ喜劇が必要だ、だってその愛が君を笑顔にするから」という「Slapstick」の歌詞にはかなりマイケルの映画愛が反映されています。一方「ストリートが熱いぜ!夜のビートをただ感じろ!ファンタジーが止まらない!」という「Hot Street」の歌詞では正直いなたさを感じさせます。歌詞以前に、ロッド・テンパートン屈指の踊り狂える楽曲であることがマイケルが好んだ理由なんだろうと。ただ『Off The Wall』の収録曲の二番煎じと思われそうなので『Thriller』に未収録となったのではないでしょうか。『Thriller』は『Off The Wall』以上でなくてはならなかったのです。「Hot Street」は他のアーティストに提供されていませんが、もしかするとマイケルがいつか他のアルバムで使うかもしれない、とロッドに保留にさせてたのかもしれません。 「Carousel」はマイケル・センベロとドン・フリーマンが共同で作曲し、クインシー・ジョーンズがプロデュース、82年8月から9月にかけて録音されました。「僕はピエロ、君はダンサー、サーカスの女の子は僕の心を粉々にした、メリーゴーランドの上で」という歌詞も悪くないですが、やはりメロディーが秀逸です。しかし『Thriller』に未収録。そしてマイケル以外の他のアーティストが歌うということもなく、ずっと世に出ず埋もれたままとなっていました。今回正規のバージョンの他、リークした11秒のイントロ、最後が10秒程長いフルレングス・バージョン、『Thriller 25』のみ収録のエディット・バージョン、更にマイケルのメインの歌、演奏に、マイケル・センベロが作ったデモを使って演奏とコーラスを加えた、ファンによるミックス・バージョンも収録しました。 「Starlight」に対してもっとミステリアスに怖い雰囲気を出してほしい、マイケルとクインシーはロッドに依頼します。 「目が覚めて、この言葉を口にしてみた…頭の中で、これがタイトルだ!と言っているんだ。そしてビルボードチャートのトップになったシーンが想像できた。「Thriller」という単語が注目すべきこととして飛び出してきたことは、マーチャンダイジングの象徴と言えると思うよ」。ロッド・テンパートン 「Starlight」の後、この曲には「Midnight Man」のタイトルも検討されましたが、最終的には「Thriller」がタイトルとして選ばれました。曲のタイトルが決まると、ロッドは「数時間」で歌詞全体を書き換えたと言われています。ブリッジはホラー映画俳優のヴィンセント・プライスが話しています。「Thriller」は、82年9月から11月にかけてレコーディングされました。エンジニアのブルース・スウェディエンは、マイケルにさまざまなアプローチでボーカルを録音させ、テイクを2回繰り返したり、マイクからさまざまな距離で録音したりしました。一部のバック・ボーカルはウェストレイク・スタジオのシャワー室で録音されました。ベースラインはRoland Jupiter-8シンセサイザーで演奏され、ヴァースはSequential Circuits Prophet 5で重ねられました。 パーカッションは、他の2台のドラム・マシンのサウンド・チップ (LM-1 のスネア、ハイハット、コンガ、TR-808 のクラップ) で改造したリン・ドラムで作成されました。「Thriller」には、グレッグ・フィリンゲインズのローズ・ピアノとデヴィッド・ウィリアムスのギターも含まれています。オオカミの遠吠えを録音するために、スウェディエンは納屋で一晩中グレート・デーンの周りにテープ。レコーダーを設置しましたが、犬は遠吠えしてくれませんでした。そこでマイケルは、遠吠えを自分で録音することにしました。きしむドア音については、スウェディエンはユニバーサル。スタジオからドアを借りてその蝶番の音を録音しました。 今回ドアのきしむ音、遠吠えがなく、ドラムで始まり、ヴィンセント・プライスの声がなく突然終わってしまう「Thriller」のデモ音源を収録しています。 「Wanna Be Startin' Somethin'」は78年のデモが作られていました(Vol.1に収録しています)。82年9月に再レコーディングがなされ、最終的に11月に完成して『Thriller』の1曲目となります。「何か始めたがっている」ということでオープニング曲に最適、と思うかもしれませんが、「厄介なことを起こしたがっている」パパラッチ等を指しており、「雷の痛みをくらうぞ」と彼らを歌で攻撃しています。まず31秒ほどのスニペットで、まだホーンもなく、キーボードの音もなく、デモの域を全く超えていません。78年のデモにはホーンはなかったですが、キーボード音はありました。よってもっとも古いデモなのかもしれませんが、不明です。そして81年のデモとされる音源。81年にはまだ再レコーディングをしていないはずなのですが、一応変更しないでおきます。まずジェリー・ヘイらシーウィンド・ホーンズによるホーンが入っています。グレッグ・フィリゲインズのキーボード音もあります。そしてルイス・ジョンソンのベース・ラインが前に出ており、チキチキのハイハットの音とギターが引っ込んでいて、グルーブさがありますが、万華鏡的展開が感じられず単調です。そして82年9月だと思われるデモ。ホーンが鳴ってはいますが、殆ど聴こえないので一体これは何のための音源なのだろうと思わされます。そのため特に終盤のマヌ・ディバンゴの「Soul Makossa」の展開がとても単調です。しかしアルバム・バージョンより15秒程長くプレイしています。 「P.Y.T. (Pretty Young Thing)」は82年9月に作曲され、録音されました。クインシー・ジョーンズは、妻を「かなり若い子」と呼んでいたことから、数人のソングライターに「Pretty Young Thing」というタイトルを元に曲を書くように依頼します。マイケルとグレッグ・フィリンゲインズはミッドテンポのデモを共同で書きました。それが今回収録されているバージョンです。しかし、クインシーはもっとダンサンブルな曲を望み、ジェイムス・イングラムが書いたバージョンが採用され『Thriller』に収録されました。正直クインシーの判断は正解だったと言わざるを得ません。 「The Lady In My Life」は82年9月に初めて録音され、同年11月に完成しました。マイケルは、この曲がアルバムのために作るのがもっとも難しかった曲の1つだと述べています。「僕たちは、ボーカルをできるだけ完璧にするために、何度もテイクを重ねることに慣れていたけど、クインシーは文字通り何十回もテイクを重ねた後でも、この曲での僕の仕事に満足してくれなかった。ついに、あるセッションの終わりに、彼が僕を呼び出して、懇願するように言ったんだ、僕にスタジオに戻ってたら文字通り懇願するように歌えって。それで僕はスタジオに戻って、スタジオ内の照明を消してもらい、スタジオとコントロール・ルームの間のカーテンを閉めて、恥ずかしくないようにしたんだ。Qがテープを再生し、僕は懇願した。その結果が、溝に聞こえるものなんだ」。 02年のプロモCD、ロッド・テンパートンの『The Songs Of Rod Temperton』に収録のロング・バージョンがありました。それも収録していますが、それより15秒程長い真のフルレングス・バージョン#2を収録しました。まず異なった歌詞が含まれ、聴いたことのないヴァース、コーラス、アウトロもより長くなっています。 これらは、一枚のLPに収めるためカットされています。 「Human Nature」はバンドTOTOのメンバーでキーボード奏者のスティーブ・ポーカロによって書かれました。ある男の子が娘を滑り台から突き落とした後、娘と話していたときにこの曲をポーカロは思いつきました。彼は娘に、男の子はおそらく君のことが好きだし、それは人間の性なのだと言ったそうです(今ならNGですね)。ポーカロはスタジオでTOTOのメンバーと共にヒット曲「Africa」をミックスしている間に、「Human Nature」のデモを録音しました。デイヴィッド・ペイチがシンセサイザーで協力しています。「Human Nature」は他のメンバーはロックさが足りないと判断、TOTO以外の誰かが使ったほうが良いと提案されました。ポーカロはTOTOのバンドメンバー数名とともにスリラー制作を手伝っていましたが、「Human Nature」をマイケルが使うことはその時は考えていなかったそうです。ある日、ペイチとポーカロはデモをクインシー・ジョーンズに渡します。クインシーはデモのほとんどを聴き、「Human Nature」がアルバムに最も合うと判断。しかし歌詞は満足していなかったため、ジョン・ベティスに書き直しを手伝ってもらっています。82年10月2日にデモが作られ、その時のキーはCメジャーでした。しかしアルバム・バージョンではキーが1つ上げられました。 今回『Thriller 40』に収録予定でしたがお蔵入りとなったそのキーが低いオリジナル・デモ、まだ歌い方を模索しているマイケルがおり、最後にこれは面白いと楽しんでいて、大変興味深いテイクとなっています。確かにキーが低いとマイケルが元気なさそうです。そして87年来日公演時のプロモ3インチシングルに収録されていたAlternate Mix、終わり方は同じですが、その前のアウトロ部分が20秒弱短いエディット・バージョンです。 尚「Human Nature」はギリギリの最終選考で「Carousel」に取って代わることになります。 「Beat It」は、82年10月初旬にレコーディングされました。クインシー・ジョーンズがプロデュース。『Thriller 40』のドキュメンタリーによると、MTVが黒人アーティストのMVを流さず、「彼らはロックしか流さない」と考えたマイケルは「Beat It」をロック志向のサウンドにしたいと考えていました。さらにこの曲は特に、79年のアルバム『Off The Wall』のサウンドとは違ったものにしたいとも思っていました。マイケルは、白人男性の聴衆の注目を集めるギタリストが欲しいと、エディ・ヴァン・ヘイレンにギター演奏を依頼します。 「僕がロックソングを買うんだったらこんな曲、そんなのを書きたかった...そして、子供たち、つまり小学生も大学生も同じく本当に楽しんでもらいたかったんだ」。マイケル・ジャクソン、エボニー誌、84年5月。 「Beat It」は、バックトラックをまずレコーディングし、エディが後からギターソロをオーバーダビングしました。ヴァースの所でソロが入っていますが、そここそ一番だということで編集が行われました。しかし、曲の24トラック・テープのSMPTEタイムコード(同期用の時間記録)に干渉してしまって、リールとリールを同期させることができませんでした。そのため、サンセット・サウンドで、TOTOのスティーブ・ルカサーとジェフ・ポーカロが、マイケルのボーカル、ヴァン・ヘイレンのソロ、ドラム、ベース、ギター、これらと曲をテープに「逆再生」で再録音しなければなりませんでした。またエディは曲のアレンジも変えています。正確に言えばソロの部分のコードを曲と異なるものにしたのです。結果その方がうまくいったと、スティーブ・ルカサーもユーチューバーのリック・ベアトとのインタビューで認めています。ピアーズ・モーガンとのインタビューで、エディはマイケルとの仕事について語っています。エディは、この曲のソロを演奏するのに報酬を受け取ったことはないらしいのです。 「頼まれてやったんだ。こちらから何も頼んでない。俺の人生の約20分だ。クインシーが電話をかけてきて、やる気があるかと聞いてきたんだ。正直に言うと、当時バンド(ヴァン・ヘイレン)の方針は「バンド以外のことはやらない」だった。でも誰もいなかった、相談も出来なくて。この黒人の子供たち用のレコードで演奏しても、誰も知るはずがないと思ったんだ 」。エディ・ヴァン・ヘイレン、ピアーズ・モーガン、13年5月3日。また兄アレックス・ヴァン・ヘイレンが英ガーディアン紙のインタビューで、デイヴ・リー・ロスは、最終的にエディの仕事をバンドから去る口実に利用した、と語っています。 『This Is It』に収録されているデモ、そして08年のゲーム『Guitar Hero: World Tour』で聴ける、マイケルのbeat itの声の連呼でしっかり終了するAlbum Mix #06を収録しました。 ●1982 August 1.Nite Line ●1982 August to September 2.Slapstick 3.Hot Street 4.Carousel (Full Version) 5.Carousel (Edit Version) 6.Carousel 7.Carousel (feat. Michael Sembello Mix Version) ●1982 September to November 8.Thriller (Vincent Prince Voice-Over) 9.Thriller (Demo) 10.Wanna Be Startin' Somethin' (Home Demo Excerpt) 11.Wanna Be Startin' Somethin' (1981 Demo) 12.Wanna Be Startin' Somethin' (1982 Demo) ●1982 September 13.P.Y.T. (Mid-Tempo Version) ●1982 September to November 14.The Lady In My Life (Full Version) 15.The Lady In My Life (Full Version #2) ●1982 September to October 16.Human Nature (Demo) 17.Human Nature (Alternate Mix) 3" Souvenir single for the Japan Tour 87 ●1982 Early October 18.Beat It (Demo) 19.Beat It (Album Mix #06) Guitar Hero: World Tour
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マイケル・ジャクソン / Thriller Sessions Definitive Edition Vol.2 (1CDR)
¥990
モンスター・アルバム『Thriller』がどのようにして作られていったのか、可能な限り時系列でマイケル・ジャクソンのデモ、オルタネイト・バージョン、未発表曲を並べ検証していきます。今回はその第ニ弾となります。 前回の後半は『Thriller』セッション、81年秋のレコーディングされた曲を収録していました。実は他にも81年秋にレコーディングした曲はあります。 まず「Learned My Lesson」。その時の音源はリークしていません。HIStoryセッション中に再び取り上げられ。94年4月にブルース・スウェディエンがミックスを担当、完全録音されていますがアルバムには未収録となりました(スニペットが存在しますが時期が違うため今回未収録としました)。そして「Much Too Soon」とタイトルを変え、10年『Michael』に異なるミックスで収録されています。「Nymphette Lover」もタイトルのみで未リーク。そして「Rolling Dice」。この曲はロッド・テンパートンが作曲し、クインシー・ジョーンズがプロデュースしましたがこれもリークしていません。93年のメキシコでの証言で、マイケルは存在を認めています。「そう、ヘイヴェンハーストでデモを作ったけどリリースしなかった。力強さが足りないと思ったんだよ。」。この曲は初期段階で中止された可能性が高いですが、録音はされていると思われています。尚デモ段階から先に進まなかった(他のアーティストに提供された曲は別として)ロッド作で、他に「Got The Hots」と、そしてある程度まで進んで、凄い曲に変化することになる「Starlight」があります。 そして「Spice Of Life」。マンハッタン・トランスファーの曲で、83年9月リリースされたアルバム『Bodies And Souls』に収録されています。ロッド・テンパートンと、ロッドがいたヒート・ウェイブのメンバー、デレク・ブランブルによって書かれました。デレクによるとマイケルはこの曲を録音しており、その時期が81年秋だと思われます。このマイケルが歌うバージョンはリークしていませんが、AIによって再現した「Spice Of Life」を冒頭に収録しました。 81年秋のレコーディングに「Behind The Mask」があります。正確には81年10月に録音されました(80年に録音が考慮された説もあります)。イエロー・マジック・オーケストラのインストゥルメンタル曲のカバーですが、日本を訪れた際にこの曲を聴いたプロデューサーのクインシー・ジョーンズがマイケルに紹介したとされています。そしてマイケルはメロディーと追加の歌詞を加えた再構築バージョンを作ります。共作者で作詞を担当したクリス・モスデルが「マイケルはこの曲を女性についてのラブソングにした。私にとっては全く違う前提だった...でも、まあ、この曲は彼に任せたよ」と語っています。作者の坂本、モズデル、そしてマイケルの間で印税に関する合意に至らなかったため、『Thriller』には収録されませんでした(マイケルが出版権を100%譲渡することを坂本に要求、ならばどれだけ変更しているのかチェックしたいと坂本側は訴えましたが、マイケルはそれも拒否しました)。そのマイケルが歌を加えたバージョンが「Behind The Mask (Mike's Mix (Demo)」です。出版権を100%譲渡は大げさだとしても、マイケルの歌がオリジナルに既にあったと思わせる、元がインストだとは思えない素晴らしいマイケル印の出来です。後にグレッグ・フィリンゲインズのアルバム『Pulse』やエリック・クラプトンの『August』に収録されますが、その時のクレジットが坂本龍一、クリス・モスデル、そしてマイケル・ジャクソンとあり、マイケルのバージョンをマイケル側のオファーで彼らは手にしたということになります。エリックやグレッグの歌い方も悪くないですが、やっぱりマイケルですね。10年に『Michael』収録のバージョンはジョン・マクレインによって完全に作り直されており、バース2がバース3に置き換えられ、サックスのソロが含まれています。今回『Michael』バージョンのように疑似ライブ的なアレンジが施され殆ど同じですが、ボーカル追加されているという(「Mike's Mix」から流用しているかも不明です)「Behind The Mask(Extra Vocals)」を収録しています。 尚「Mike's Mix (Demo)」は、品質とミキシングの問題がいくつかあり、「YMO」バージョンからのサンプリングには実はレコードからリッピングされています(針音が聴こえるのでわかると思います)。ボーカルのミキシングにもいくつかのエラーがあり、音圧が強すぎです。それらを補正し、リミックスしたのが(Re-Mixed Demo)です。 アルバム『Thriller』の本格的なレコーディングは、82年4月14日からカリフォルニア州ロサンゼルスのウェストレイク・レコーディング・スタジオで始まります。制作予算は75万ドルでした。マイケルが書いた曲はオーディオ・レコーダーに歌声を直接録音、その後、彼はそれを使ったり記憶から歌ったりして、ヘイヴェンハーストで16トラックにデモ録音しています。またレコーディング・スタッフの中にはTOTOのメンバーもいました。 『Thriller』収録曲を最初に完成させたレコーディングとなる「The Girl Is Mine」は作曲、共同プロデュースがマイケル・ジャクソンです(プロデュースはクインシー・ジョーンズ)。ポール・マッカートニーは作曲に拘わっておらずゲスト・ボーカルでの参加です。82年4月14日から16日にかけてウェストレイク・スタジオで録音、同年10月18日にアルバムの最初のシングルとしてリリースされました。これがマイケルとポールの最後のコラボレーションとされています(実は83年2月に「The Man」の更なるレコーディングをマイケルはしているという話があるので、それが最後という説の方が有力です)。「The Girl Is Mine」は、マイケルがポールと一緒にアニメを見ながら作曲されました。クインシー・ジョーンズは当初マイケルに、2人の男性が1人の女性をめぐって争うという曲を書くよう指示していました。インスピレーションを受けたマイケルは夜中に目を覚まし、テープレコーダーに向かって歌入れしました。後に「メロディー、キーボード、弦楽器など、頭の中で聴こえている通りに歌った。だから、すべて歌をテープに録音したんだ」と語っています。その後、クインシーは後半の語りのヴァースも追加するようにも依頼しています。マイケルとポールは82年4月14日から16日までロサンゼルスのウェストレイク・スタジオでこの曲を録音したのです。マイケルは、このレコーディングはスタジオで最も楽しかった瞬間の1つだったと語っています。「ソロアーティストとしてレコーディングした曲の中で、最も気に入っている曲の1つは、おそらく「The Girl Is Mine」だよ。なぜなら、ポール・マッカートニーとの作業はとてもエキサイティングで、文字通り楽しかったから。おしゃべりしたり、演奏したり、お互いに物を投げ合ったり、冗談を言ったりしていたんだ。実際、僕たちは(インストゥルメンタル)トラックとボーカルをほぼ同時にライブでレコーディングした。その映像はあるんだけど、公開していないね。いつか、こっそりとプレビューをお届けするかもしれないよ」。この2人の映像は、後にポール・マッカートニー・ワールドツアーで公開されています。尚レコーディングには、デヴィッド・ペイチ(ピアノ)、ジェフ・ポーカロ(ドラム)、スティーヴ・ルカサー(ギター)、スティーヴ・ポーカロ(シンセサイザープログラミング)など、バンドTOTOのメンバー数名が参加しました。 「The Girl Is Mine」のマイケルがソロで歌っているデモを今回収録しました。マイケル、ポール、両方の歌うパートを全てマイケルが歌っており、明らかにこの曲は歌詞も曲もマイケルが作ったということがわかります。ここでしか聴けない歌詞の部分がありますが、その代わり、マイケルとポールが女性を奪い合う、二人のお喋りはまだこの時点では出来ていません。この部分が後にクインシーにマイケルが依頼されたヴァースです。結局その女の子はマイケルを好きになって他の人を愛することが出来ないって言ってた、とマイケルがポールに言い、ポールがそんなの信じられない、とマイケルの方が女性を獲得したと思わせる語りになっているのは、マイケルが考えたとわかりますね。そして「The Girl Is Mine」のアメリカ盤のプロモ・シングルに収録されていたAlternate Mixも収録しました。 尚82年のレコーディングに「Set It On Out」がありますが、タイトルしか知られていない未リーク曲です。また「MJ Melody」も同じ時期ですが未リークで、それは仮タイトル、インストだったという可能性があります。 そして「Stand Tall」。これは82年にマイケルが作曲したとされています。しかしファンで研究者のダミアン・シールズによると、マイケルはこの曲を録音したことはない、彼が聞いた音源にはコーラスとブリッジのみで、ヴァースはなく、マイケルではなくある男性のセッション・シンガーが歌っていた、としています。その歌入り音源はリークしていないのですが、スニペットでのインストがあり、それを収録しました。85年に著作権登録されており、『Bad』セッションでの未発表曲とも言われています。サウンドが83年5月、6月録音の「State Of Shock」風なので、正直時期は微妙です。 「Baby Be Mine」はロッド・テンパートンの作曲で82年6月にレコーディングします(完成は82年11月)。当時のディスコ音楽への反発があった中、マイケルは『Off The Wall』以上のアルバムを作るべく、ある意味とても『Off The Wall』マナーな楽曲を比較的早い時期に録音しています。正直『Off The Wall』のどの曲よりも素晴らしいダンサーとなっていると思います。実際アルバムの2曲目という重要な位置に収まるわけですが、シングル・カットはされなかったし、ライブでも披露されていないのです。 最初30秒のスニペットが流出しましたが、その後完全なデモがリーク、それを収録しています。恐らくアーリー・デモで、6月頃のレコーディングではないかと思われます。正直アルバム・バージョンに比べてマイケルのボーカルが定まっておらず、模索のようなものが感じられます。 82年7月、ロッド・テンパートン作曲の「Starlight」が録音されています。マイケルの映画への愛と成長していく姿を曲に表そうというコンセプトで「Starlight」は作られました。「僕らには星や太陽の光が必要、君が出来ることは僕の傍にいること、君の人生の始まりとなる」。映画的さがまずありません。そしてラブソングなのでしょうが、僕がクインシー・ジョーンズで、君がマイケル・ジャクソン、にあてはめたくなります。それが成長していく姿、ということになるのでしょうが。クインシーは、この曲がアルバムのタイトル・トラックになるべきだと思ったものの、それでもまだタイトル自体が弱いな、と考えていました。 「Billie Jean」はマイケル ジャクソン作曲、83年1月2日にセカンド・シングルとしてリリースされました。時代を超越した曲であることと、モータウン25でのパフォーマンス中にムーンウォークが導入されたことから、マイケルがリリースした曲の中で最も偉大で伝説的な曲と考えられています。このシングルは大成功を収め、数々の栄誉を受け、マイケルはポップ界全体の国際的なアイコンとして確固たる地位を確立しました。 12インチのエクステンデッド・バージョンがリリースされています。このバージョンでは、イントロとアウトロが長く、トラックは「You know you ain't (Not my lover) / You know you can't (Not my lover)」というアドリブで終わります。これは最終的にこの曲のライブ・パフォーマンスで再利用されることになります。これも当初はアルバムに収録される予定でしたが、最終的にアルバムの尺に入らないとカットされました。今回その12インチのLong Version、そしてそれと同じレングスのInstrumental Version(マイケルのコーラスは入ってます)を収録しています。 「Billie Jean」はクインシー・ジョーンズとの共同制作です。81年秋にヘイヴェンハーストでデモとして最初に録音され、それはVol.1に収録されています。その後82年7月から11月にかけてクインシーとウェストレイクで再び録音されました。もともと、この曲はクインシーに気に入られず、ボツ曲とすべきと考えていました。曲が弱すぎると感じ、イントロが気に入らず、タイトルを「Not My Lover」に変更したいと考えていました。マイケルはこの件で、クインシーと何日も口をきかなかったと伝えられています。そしてオーディオ・エンジニアのブルース・スウェディエンは「Billie Jean」を91回ミックスしたそうです。最終的に2回目に行った際のミックスが選ばれました。 今回ヘッドフォンから漏れた音質が悪いデモを5分、そしてシンプルな展開が続く箇所がありますがトライアル的なデモでLong Versionよりも一分弱長いDemo #2は音のレベル等リマスターして収録。そして最後がぐちゃッとなりますが、とても生々しいボーカルのDemo #3。そしてこれはファンメイドの可能性が高いですが、Acoustic Versionも収録しています。 「Billie Jean」のMVは、基準に合わないとMTVでの放送を拒否されています。しかし当時CBSレコードの社長だったウォルター・イェトニコフが、人種差別に対するMTVの姿勢を公表するとMTV幹部らを脅し、結果MTVはイェトニコフの要求を受け入れ、MTVで放送されました。 「私はMTV にこう言った。「私たちが持っているもの、すべての製品を放送から外します。もうビデオは渡しません。そして、私は公に出て、黒人の曲を流したくないという事実を皆に伝えるつもりだ」。 –ウォルター・イェトニコフ、Blender、05年10月 MVは83年3月10日に初公開され、MTVで定期的に放送された最初の黒人アーティストとなりました。またこのビデオのおかげで、『Thriller』の売り上げは1,000万枚増加したと言われています。 マイケルは、ジャクソンズのVictory Tourから始まり、すべてのツアーで「Billie Jean」をプレイしています。パフォーマンスのたびに、マイケルはキラキラ光る黒いジャケット、片方の白い手袋、白い靴下、フェドーラ帽を身につけていました。 「手袋は、ただ一つが二つよりかっこいいと思ったんだ。僕は動きを強調するのが好き。観客の目は白いところ、つまり手袋に行く。そして、ダンスをしているとき、足に少し光が当たると、僕の動きに驚きの叫び声をあげてくれるんだ。だから僕は白い靴下を履くんだよ。ジャケットのデザインについては、服を作った人たちと一緒に座って、ボタンやバックル、デザインをどこに付けたいかを伝えたよ」。 「Billie Jean」の最初の、そして最も象徴的なパフォーマンスは、83年5月16日にマイケルが『モータウン 25: イエスタデイ、トゥデイ、フォーエバー』のテレビ特別番組に出演したときに行われました。マイケルは当初、バンドやモータウンから距離を置き、ソロ活動に集中したいと考えていたため、兄弟との共演を断りました。ベリー・ゴーディ(モータウンの創設者でロックウェルの父)と話し合った後、「Billie Jean」を披露することを許されるならと共演に同意しました。ムーンウォーク(バックスライドと呼ばれるダンス技法、30年代にキャブ・キャロウェイのThe Buzzがその起源という説があります)やトウで立つなど、マイケルの最も象徴的な技法がこのパフォーマンスで初披露されました。これらはマイケルのトレードマークのダンス・スタイルとなります。この特別番組は5000万人が視聴し、マイケルはエミー賞にノミネートされました。 番組は大成功を収めましたが、マイケルは実はこのパフォーマンスを非常に恥ずかしく思っていたそうです。 上記の特別番組の映像は以下のタイトルに収録されています。 ヴァリアス・アーティスツ / Motown Legacy (2DVDR) https://purpletown.buyshop.jp/items/95395809 後に「We Are The World」のレコーディング・セッションの際、ホール&オーツのダリル・ホールの所にマイケルは行き「ねえ、ダイジョブだと良いんだけど、僕「Billie Jean」のために「No Can Do」(「I Can Go For That (No I Can Do)」を盗んだんだ」と話したそうです。 ●1981 Fall 1.Spice Of Life (AI Version) 3:42 ●1981 October 2.Behind The Mask (Mike's Mix Demo) 5:01 3.Behind The Mask (Extra Vocals) 5:00 4.Behind The Mask (Re-Mixed Demo) 5:07 ●1982 April 14-16 5.The Girl Is Mine (Demo) 6.The Girl Is Mine (Alternate Mix) ●1982 7.Stand Tall (Snippet) ●1982 June to November 8.Baby Be Mine (Demo) ●1982 July 9.Starlight ●1982 July to November 10.Billie Jean (Headphone Leak Demo) 11.Billie Jean (Demo #2) 12.Billie Jean (Demo #3) 13.Billie Jean (Long Version) 14.Billie Jean (Instrumental) 15.Billie Jean (Acoustic Version)
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マイケル・ジャクソン / Thriller Sessions Definitive Edition Vol.1 (1CDR)
¥990
モンスター・アルバム『Thriller』がどのようにして作られていったのか、可能な限り時系列でマイケル・ジャクソンのデモ、オルタネイト・バージョン、未発表曲を並べ検証していきます。今回はその第一弾となります。 アルバム『Off The Wall』は大ヒット、ビルボード200で最高4位を記録し、賞を総なめにしつつ何百万枚も売れました。しかしグラミー賞の年間最優秀アルバム賞を逃したため、マイケルはポップの主流に更に食い込む必要があると強く感じます。ですがその前にジャクソンズのアルバムをもう1枚完成させる必要がありました。80年の『Triumph』は、ヒット・シングル3曲 (「Lovely One」、「This Place Hotel」、「Can You Feel It」) が収録され、そのタイトル「勝利」はマイケルのソロでの更なる成功を暗示していたと言えます。 『Thriller』の曲の一つは既に『Off The Wall』の制作時に作られていました。それが『Thriller』のオープニング曲「Wanna Be Startin' Somethin'」です。78年11月に作曲、録音されました。元は妹のラトーヤへの曲で、他の姉妹との関係についての報道に対する返答として書かれましたが、その時点でのリリースは実現しませんでした。そこでマイケルは『Off the Wall』 用にと録音しますが、既にアルバムのリリースが予定されており、収録させることは出来ませんでした。結果として、この曲は78年の時点では完成とはならなかったのです。その音源が(1978 Demo)です。 そしてジャクソンズの『Triumph』。そのアウトテイクで未発表曲「We Love You」。作曲はマイケル・ジャクソン、そしてボーカルは彼だけのもので、ジャクソンズ名義というよりはソロにも適用できる雰囲気も纏っていますが、『Thriller』の収録には検討されていません。そして『Triumph』4曲目収録のマイケルとティト作「Everybody」の英語の解説が入りますがセッション音源です。尚『Off The Wall』の「Get Down On The Floor」の歌詞とそのサウンドの影響が感じられます。そしてマイケル・ジャクソンの未発表のボーカルを含む「Wondering Who」のエクステンド・バージョン、尚#2はファンメイドです。 『Thriller』のファースト・シングルはポール・マッカートニーとの「The Girl Is Mine」ですが、その制作の一年以上も前にポールとマイケルがコラボレーションしている曲があります。それが 83年8月5日にリリースされた「Say Say Say」です。ポールのグループとしてもソロとしても今の所最後のナンバー・ワン、そしてソロとしてなら最大のヒット曲、またR&Bチャートでも2位になっています。実はマイケルにとっても歴代1位のメガヒットなのです。よって「Say Say Say」が『Thriller』のアウトテイクというわけではありません。81年4月に、曲の歌詞の大部分をマイケルが書き、その翌日ポールに渡されました。レコーディングは81年5月にロンドンのAIRスタジオで開始。当時ポールはウイングス解散後の2枚目のソロアルバム、82年にリリースの『Tug Of War』のレコーディング中でした。 マイケルはレコーディングの間、ポールと妻リンダの家に滞在していました(78年ポールの誕生日パーティにマイケルが招待されたのが最初出会いです。そしてマイケルのために、今の彼へ君は僕の彼女なんだと伝えなきゃと歌う「Girlfriend」という曲もポールは書き、「Sunset Driver」と収録を競い最終的に『Off The Wall』に収録されます。マイケルは『Girlfriend』というアルバム名にするという話もあったそうです。後にウィングスの『London Town』にも収録されています)。 ある晩、ダイニングテーブルでポールは、自分が出版権を持っているすべての曲を載せた小冊子を持ってきました。「これが大金を稼ぐ方法さ」。「誰かがこれらの曲を録音するたびに、僕は報酬を得る。誰かがこれらの曲をラジオやライブで演奏するたびにもね。」ポールのその言葉は、マイケルが85年にATVミュージック・パブリッシングを買収するきっかけとなります。 83年リリースのポールのアルバム『Pipes Of Peace』に収録された「Say Say Say」。そこでマイケルはアドリブもいくつかありますが主にフックを歌っています。歌い出しはポールです。しかし2015 Remixはサウンドはほぼそのままに、冒頭をマイケルが歌い、ポールのパートをかなり歌っている上、マイケルによるボイス・パーカッションも入っている、マイケル寄せのバージョンとなっています。 ビートルズとの仕事で有名なジョージ・マーティンが「Say Say Say」をプロデュースしています。彼はマイケルとの体験について次のように語っています「彼がスタジオに入ってくる、確かにオーラを放っている。そのことに疑問の余地はない。彼はポールのような意味でのミュージシャンではないが、音楽に何を求めているかは分かっているし、非常に確固とした考えを持っている」。マイケルは自伝『ムーンウォーク』でもこの体験について語っています。プロデューサーであるクインシー・ジョーンズが彼の間違いを正すために立ち会わなかったから、このコラボレーションが自信を高めたと明かしています。マイケルは、自分とマッカートニーは対等に仕事をしたとし、「あのスタジオではポールが僕を支えてくれることはなかった」と書いています。「Say Say Say」のデモはテープレコーダーで取られたような音質ですが、ポールとマイケルが共に気持ち良い所を探し合いつつ真剣に歌っている様を堪能できます。そして「Say Say Say」の2015 Remixを含めたロング・オルタネイト・バージョンも収録しています。 マイケルはプロデューサーのクインシー・ジョーンズとソングライターのロッド・テンパートンと再びタッグを組み、『Off The Wall』の続編の制作を開始します。それは音楽の主流のあらゆる基準を意図的に満たすレコードを作り上げることになるのです。彼らの最初のセッションは81年の秋に始まりました。 「Who Do You Know」、その曲制作は80年の『Triumph』時期が最初でした。そしてその1年後の81年秋、『Thriller』セッション中に(まだこの頃は「Thriller」という曲は出来ていませんが、便宜上このように記します)ヘイヴェンハーストで82年2月まで制作が続けられましたが、最終的には採用されませんでした。後にジャクソンズ『Victory』のセッション中にマイケルによって作り直され、収録が検討されましたが、最終的に「State of Shock」、「Be Not Always」、「The Hurt」という他の3曲の貢献だけとなりました。以下のタイトルの「Who Do You Know」の箇所で詳細が書かれていますので是非参考にしてください。 マイケル・ジャクソン / Sunset Driver (1CDR) https://purpletown.buyshop.jp/items/97624399 「The Toy」はマイケルが単独で作曲し、81年に録音されました。『Thriller』に収録されないことが決まってからもマイケルはこの曲に取り組み続け、「I Am Your Joy」 という曲になり、その後何年も改良を重ね「Best Of Joy」 というタイトルでアルバム『Michael』(10年)に収録されることになります。「The Toy」では、それらと歌詞が一部異なっています。クインシー・ジョーンズが、リチャード・プライヤー監督の同名映画『The Toy』のサウンド・トラック用に依頼したのがきっかけです。84年のインタビューでこのことについて尋ねられたマイケルは、2人が『Thriller』に集中できるようにするためにアイデアと曲全体がボツになったこと、そしてこの曲はアルバムの曲と同じくらい、いやそれ以上に強力だと感じたことを語っています。 「What A Lovely Way To Go」は元は『Off The Wall』より前に書かれた「What A Lonely Way To Go」でした。78年に『Off The Wall』セッション中に録音されましたがボツとなりました。その後81年秋に『Thriller』セッションで再び取り上げられ、タイトルが「What A Lovely Way To Go」に変更、録音、それがここに収録されたデモです。そして10年初頭にマーク・ロンソンによってリミックスされ、「Lovely Way」というタイトルで『Michael』に収録が検討、その時のリミックスのスニペットも収録しています。 マイケル自作のみならず提供曲も録音されました。「She's Trouble」はビル・リヴシー、スー・シフリン、テリー・ブリテンによって書かれ、81年秋ににマイケルが歌を入れ録音されています。最終的にこの曲はボツとなり、後にスコット・ベイオのアルバム『The Boys Are Out Tonight』とミュージカル・ユースのアルバム『Different Style』に提供されています。尚09年、未完成の歌詞とつぶやきの初期デモが流出、そのバージョンと『Thriller 40』のデモ、両方を収録しました。 ロッド・テンパートンが主に作曲をしたと思われる「Got The Hots」。マイケルとクインシーのクレジットもありますが、これも81年秋にレコーディングされ、そのバージョンが『Thriller 25』等に収録されています。後にシーダ―・ギャレットが変更を加えタイトルを「Baby's Got It Bad」とし彼女のアルバム『Kiss Of Life』に収録しています。 ここまで『Thriller』のボツ曲ばかりが続きましたが、81年秋のセッションでマイケルにとって最も代表的な曲のデモがマイケルの作曲でレコーディングされます。「Billie Jean」81年のデモは『Thriller Special Edition』等に収録されています。マイケルが歌詞をつぶやきながらアドリブする様子が録音され、象徴的なドラムはまだ登場しておらず、代わりにリンLM-1ドラムマシンがガイドとして使用されているものです。 マイケルの伝記作家、J・ランディ・タバオレリによると、「Billie Jean」は、81年にマイケルが、自分が彼女の双子の父親だと主張する女性から受け取った手紙にインスピレーションを受けたと言及しています。マイケルはその女性に会ったことはなく、またそのような手紙を受け取ることに慣れていたため、その手紙を無視していました。しかし、彼女は彼を愛しており、一緒にいたいと書いた手紙を送り続け、それらの手紙の中には、彼女に関する悪夢に悩まされるほど、マイケルを不安にさせるものもありました。最終的にマイケルは、そのファンの写真、銃、そして特定の時間にマイケルが自殺するようにという手紙が入った小包の封筒を受け取ります。そのファンは、彼女が「彼らの」赤ちゃんを殺した後、彼女も自殺をして、来世で一緒になろうとしたのです。彼女の失望に、マイケルはその写真を額装し、自宅のダイニングルームのテーブルの上に掛けました。後に、そのファンが精神病院に送られたことをマイケルは知ります。 しかしマイケル本人によると、「Billie Jean」は彼が個人的に関わった誰かからインスピレーションを受けたのではなく、むしろ彼の兄弟たちからインスピレーションを受けたようです。 「本物のビリー・ジーンは存在しないんだ。この歌の女の子は、僕の兄弟たちが長年悩まされてきた人々の合成物なんだよ。真実ではないのに、どうしてこれらの女の子たちが子供を身ごもっているなんて言うのか、僕には理解できなかったよ」。マイケル著『ムーンウォーク』88年より。 ●1978 1.Wanna Be Startin' Somethin' (1978 Demo) 5:42 ●1980 Triumph Era 2.We Love You (Demo) 3:31 3.Everybody (Demo) 8:03 4.Wonderring Who (Extended Version) 9:43 5.Wonderring Who (Extended Version #2) 7:19 ●1981 April to May 6.Say Say Say (2015 Remix) 3:47 7.Say Say Say (Demo) 4:17 8.Say Say Say (Alternate Version) 6:56 ●1981 9.Who Do You Know (Demo) 5:23 10.The Toy (Demo) 3:05 ●1981 Fall 11.What A Lovely Way To Go (Demo) 3:55 12.Lovely Way (snippet) 0:12 13.She's Trouble (Leaked Demo) 3:46 14.She's Trouble (Demo) 4:13 15.Got The Hots (Demo) 4:25 16.Billie Jean (1981 Demo) 2:20